用語辞典
現場で出てくる言葉を、実務目線でかんたんに。全54語を収録。カテゴリを開いて引けます。
対面営業・商談 2語
交流会・会食・名刺交換から商談の進め方まで。会って売る営業の実務全般(このメディアの名を冠する核)。
紹介営業 8語
紹介・リファラル・レベニューシェア。信頼のつながりで売る技術。
- ストックビジネス 会員を確保したり顧客と契約を結んだりして継続的に利益を得るビジネス形態のこと。営業を止めても収益が止まらないのが特徴で、通信・学習塾・動画配信などが代表例。対義語はフロービジネス(フロー型)。
- 口コミ紹介 口コミ紹介とは、自発的な口コミと意図的な紹介営業が混ざった実務上の呼び方で、業界横断の公式な統一定義はない用語。BtoB営業では成約率向上に役立つ一方、仕掛け方次第でステマ規制に触れうる。
- 弱いつながりの強さ 米国の社会学者マーク・グラノヴェッターが1973年に提唱した理論。家族や親友のような「強いつながり」より、知り合いの知り合いのような「弱いつながり」の方が、新しい情報や機会をもたらしやすいという考え方で、紹介営業では疎遠な知人を軽視しない発想につながる。
- 紹介キャンペーン 既存の利用者が友人・知人を紹介し、紹介者に謝礼が渡される販促の仕組み。景品表示法・個人情報保護法上、限定条件や個人情報の取り扱いに注意が必要。
- 紹介依頼のタイミング 顧客に紹介をお願いするのに最も適した瞬間を指す言葉。契約時・納品時・利用開始後1〜3ヶ月など、顧客の満足度が最も高まっている心理的な状態を指し、関係性が十分に築けていることも前提になる。
- 紹介営業 既存の顧客や知人から新しい見込み客を紹介してもらう営業手法。信頼を経由するため成約に近く、商談時・成約後・成果が出たときに依頼すると効果的です。
- 二段階紹介 依頼タイミング・対価発生タイミング・特典設計など、近い概念をもとに編集部が使われ方を整理した言葉。用語自体の一次資料や用例は確認できておらず、統一された定義はない。
- 返報性の原理 相手に何かをしてもらうと「お返ししなければ」と感じる人間の性向。チャルディーニが『影響力の武器』で最も強い心理的作用の一つとして位置づけた。
パートナービジネス 24語
代理店・紹介・アライアンスなど、人と組んで売る仕組みの総論。
- ELG パートナー企業の輪を主戦場にして顧客を集め・成約し・関係を伸ばす営業のやり方。Crossbeamが提唱した企業発の用語で、公的に定義された標準用語ではない。
- OEM 委託企業のブランド名で受託企業が製品を製造する取引形態、またはその受託企業自体を指す言葉。受託企業が担うのは製造工程のみで、設計まで担うODMや電子機器の受託生産に特化したEMSとは業務範囲が異なる。委託・受託の関係は下請法上の「製造委託」に該当しうる。
- SIer SIerとは、クライアント企業のシステム開発を企画から運用保守まで丸ごと請け負う受託開発企業のこと。Systems Integratorの略で「エスアイヤー」と読む。契約形態は請負契約で、エンジニアが客先常駐する準委任契約のSESとは異なる。
- VAR 既存の製品にシステム連携・カスタマイズ・コンサルティングなどの付加価値を加えて再販売する事業者のこと。単純な転売とは異なり、収益の柱は製品のマークアップではなく付加価値サービス側にある。
- アライアンス営業 アライアンス営業とは、複数の企業が技術・製品・ブランド・顧客基盤などの経営資源を持ち寄り、新たな価値を共同で生み出し市場を開拓する営業手法。パートナーセールス・代理店営業と同義に使われることもあるが、業界内で定義の揺れがある。
- セールスパートナー セールスパートナーとは、サービス提供元から提供を受けたサービスを、自社の名義・ブランドでエンドユーザーに再提供する企業のこと。営業活動そのものではなく、販売する側の企業という対象を指す言葉。
- セルスルー セルスルーとは、卸・小売・代理店に納品された商品や契約のうち、実際に消費者や顧客に販売・利用された割合を示す指標。メーカー側の納品数を示すセルインと対で使われる。
- ソリューションパートナー 自社の商材だけでなく他社の技術やサービスを組み合わせ、顧客の課題解決を提案する提携先。MicrosoftやFujitsuのような審査・スコア制の公式認定プログラム型と、企業同士が緩やかに商材を連携させるアライアンス型の2種類があり、要件や特典、契約の重さが大きく異なる。
- チャネルパートナー メーカーやベンダーと提携し、その製品・サービス・技術を顧客に届ける企業や個人。VAR・システムインテグレーター・MSPなどが含まれ、大量仕入れて転売するディストリビューターと異なり、導入支援やカスタマイズ、サポートといった付加価値サービスを提供する点が特徴。
- ディストリビューター メーカーから商品を買い取り、自社の名前と責任で顧客に再販する卸売事業者。所有権が移転し価格決定権を持つ点で、仲介のみの代理店と異なる。
- ディストリビューター メーカーや製造元から商品を買い取り、自らのリスクと判断で小売店や最終顧客に販売・流通させる卸売業者。客先との売買契約の当事者となり、損益や在庫リスクを自分で負う点が、紹介のみを行う代理店(Agent)との違い。
- テクノロジーパートナー 自社の技術と相手企業の技術を組み合わせ、互いの利益のために提携する企業や関係を指す言葉。導入支援やSIを担う「導入支援型」と、自社製品をプラットフォームに連携させるISV・ベンダーの「製品連携型」の大きく2つの意味で使われ、企業やプログラムごとに定義が異なる。
- パートナーイネーブルメント 販売パートナーやチャネルパートナーが自社製品を効果的に売れるよう、知識・ツール・コンテンツ・サポートを継続的に提供する取り組みのこと。
- パートナーオンボーディング 契約したパートナー企業に商品知識・営業ノウハウ・期待値を伝え、実際に成果を出せる状態まで育てるプロセス。契約直後3か月の成功体験づくりが要とされる。
- パートナーセールス パートナーセールスとは、代理店など他社と協力して自社商品を販売する法人営業のこと。代理店営業・アライアンス営業とも呼ばれ、業界統一の定義はない。
- パートナーティア ベンダーが代理店・販売パートナーを実績や技術力で階層分けする制度。AWSのSelect/Advanced/Premierなどが代表例で、ティアが上がるほど特典が手厚くなる。
- パートナープログラム 企業が自社の商品やサービスを、内製の営業チームではなく代理店・アフィリエイト・リセラーなど社外のパートナーと協力して広げるための仕組み。契約形態やインセンティブ、支援体制などを整備し、収益の最大化を目指す取り組みを指す。
- パートナーポータル 企業が代理店・販売パートナー向けに用意する、情報共有専用のオンラインプラットフォームのこと。製品情報や価格、トレーニング資料の共有、案件管理などをオンラインで行える窓口を指す。
- パートナーマネージャー 自社と提携する他社や個人のパートナーとの関係を構築し、管理する役割の総称。代理店等を管理するB2B型と、YouTube等が個人を専任支援するプラットフォーム型の2つの使われ方がある。
- ハイブリッド営業モデル 自社の営業チームが直接売る「直販」と、外部パートナーに売ってもらう「代理店」営業を組み合わせて使う販売体制のこと。
- ビジネスエコシステム 企業や顧客など多数の要素が分業と協業で共存共栄する関係を「生態系」に例えた経営学の比喩表現。対等な協業関係を指す場合と、特定の主体が主導するピラミッド型の産業構造を指す場合があり、話し手によって意味合いが変わる点に注意が必要な用語。
- ホワイトラベル 他社(生産者)が作った製品・サービスを、別の企業(販売者)が自社ブランドとして販売する仕組み。白紙のラベルに自由にロゴやパッケージを加えられることが名前の由来。ブランドは販売者のものになるが、企画・設計・製造は生産者側が担う点でOEM・ODMと隣接するが異なる概念。
- リセラー メーカーや卸売業者から商品・サービスを仕入れ、自社で製造・加工せずに利益を上乗せして顧客へ再販売する事業者のこと。ドメイン登録業界やMicrosoft CSPなど、業界によって契約の厳密さや意味合いが異なる。
- レベニューシェア 売上(収益)をあらかじめ決めた割合で分け合う報酬方式。成果が出た分だけ支払うため、依頼側は初期負担を抑えられ、受ける側は成果が続く限り報酬が続く。
代理店・パートナー制度 20語
制度設計・報酬・契約・PRM運用。制度を作る側と参加する側の両方の実務。
- CRM 顧客との関係を長期的に構築・維持し、満足度向上や取引継続につなげるための手法、またはそのための情報システム。受注前の営業活動を担うSFAに対し、CRMは受注後の顧客対応が中心となる。
- PRM 代理店・紹介パートナーとの関係を管理する仕組み。パートナーの登録から案件の共有、紹介報酬の計算までを一元化する。
- SFA SFAは自社の営業活動、CRMは顧客との関係、PRMは代理店など間接販売のパートナーとの関係を管理する仕組み。対立する選択肢ではなく、事業の成長に合わせて併用していく3つの仕組みという整理。
- インボイス制度 複数税率に対応するため、消費税額や登録番号を記載した請求書(インボイス)を基に仕入税額控除を計算する制度。2023年10月開始、発行には事前にインボイス発行事業者としての登録が必要。
- クローバック 支払い済みの報酬を、一定の条件(顧客の早期解約など)が起きたときに返還・相殺する取り決め。紹介報酬や代理店手数料の契約でよく使われる。
- パートナーサクセス パートナーサクセスとは、メーカー(ベンダー)が販売代理店の営業活動を支援し、相互利益を得ながらビジネス成果の最大化を目指す考え方。カスタマーサクセスが顧客の成功にコミットするように、代理店の成功にコミットする活動を指す。
- パートナー監査 パートナー監査とは、自社と取引関係にある提携先(パートナー企業)に対して行う監査のこと。業界統一の公的定義はなく、実務では第二者監査とほぼ同じ意味で使われることが多い。購買先・委託先の監査や、自社が顧客から受ける監査の両方を含む。
- パートナー評価制度 パートナー企業や担当者の実績を一定の基準で測定し、点数や帳票で可視化する評価の仕組み。SalesforceやMicrosoftなどのPRMツールで採用され、販売実績だけでなく複数の評価軸を組み合わせて運用される。
- 一次代理店 メーカー(本部)の直下にある代理店を一次代理店、その下につく代理店を二次代理店と呼ぶ。代理店網はピラミッド状の階層構造で、二次代理店は本部と直接やり取りせず一次代理店を経由するのが一般的。法律で統一定義された用語ではなく、業界慣行上の呼称。
- 下請法 親事業者による下請事業者への支払遅延や代金減額などを禁止し、下請取引を公正にするための法律。2026年1月から「中小受託取引適正化法」に名称が変わる。
- 外交員等 保険や商品の契約勧誘・獲得業務に継続的に従事する人を指す税法上の区分。居住者である外交員等への報酬・料金は、(報酬額−12万円)×10.21%で所得税等を源泉徴収する必要がある。
- 業務委託契約 事業者が他の事業者に物品の製造・情報成果物の作成・役務の提供を委託する契約。民法上の典型契約ではなく、実体は請負(民法632条)または準委任(民法656条)のいずれかに当たる。
- 専属代理店 1社の商品・サービスだけを扱う代理店契約の形態。複数社の商品を横断的に扱える非専属(乗合)代理店と対になる概念で、独占的地位の有無によって区別される。
- 総代理店 特定の商品やサービスについて、地域や取扱範囲で独占的(Sole)・排他的(Exclusive)な地位を得た代理店のこと。メーカーや商社の代理として販売活動を行う点は代理店と同じだが、他社に同じ商品を扱わせない独占権を持つ点が異なる。法律上の厳密な定義はなく、実務上の通称として使われる。
- 代理店・取次店・特約店・販売店 代理店は会社を代理して契約し手数料を得る立場、取次店は自分名義だが損益は会社側に残る立場、販売店・特約店は買い取って自分の名義・損益で再販する立場を指す言葉。
- 代理店契約書 メーカーなど供給側の企業が、自社の商品・サービスの販売を第三者の代理店に委託する際に交わす契約書。独占/非独占の別、商標使用、報告義務、最低購入数量、在庫買い戻しなどの条項確認が要点となる。
- 特定商取引法 事業者の違法・悪質な勧誘から消費者を守るための法律。訪問販売や連鎖販売取引など7つの取引類型を規制し、クーリング・オフなどのルールを定めている。
- 独占禁止法 公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにするための法律。代理店契約では、本部が優越的地位を利用して代理店を不当に拘束する条項が問題になりやすい。
- 独占契約 特定の代理店だけに商品の取扱いを認め、他の代理店やメーカー自身の直接販売を制限する契約形態。エリアや期間を区切るのが一般的。
- 連鎖販売取引 個人を販売員として勧誘し、その人にさらに次の販売員を勧誘させる形で組織を連鎖的に拡大する商品・役務の取引。特定商取引法の規制対象で、特定利益・特定負担など4つの要件を満たすと該当する。