用語辞典
VAR ばりゅーあでっどりせらー
かんたんに言うと既存の製品にシステム連携・カスタマイズ・コンサルティングなどの付加価値を加えて再販売する事業者のこと。単純な転売とは異なり、収益の柱は製品のマークアップではなく付加価値サービス側にある。
VARとは?意味をひとことで言うと「付加価値をつけて売る会社」
VAR(バリューアデッドリセラー、Value-Added Reseller)とは、既存の製品に付加価値を加えて再販売する事業者のことです。日本語では「付加価値再販業者」と訳されます。
単なる転売とは違います。仕入れたハードウェアやソフトウェアをそのまま横流しするのではなく、システム連携・カスタマイズ・コンサルティング・トレーニングなどの知的労働を組み合わせて販売するのがVARです。米TechTargetの定義では、VARは「original order fulfillment(単純な受発注)を超える価値」を提供する企業とされています。
分かりやすい例がPC業界です。部品を仕入れ、完全に稼働するパソコンとして組み立てて販売するケースが典型例です。
VARの収益モデル - 利益は「モノ」ではなく「人の仕事」から生まれる
VARの収益構造にはひとつ特徴があります。製品そのものへの上乗せ(マークアップ)は小幅にとどまり、収益の柱は付加価値サービス側にあるという点です。
つまりVARは、モノを右から左に流して差額を稼ぐビジネスではありません。導入支援やコンサルティングでどれだけ顧客の課題を解決できるか、そこに専門性を発揮できるかで収益が決まります。自社の販売網に単純な転売パートナーを増やすのか、VARのように専門性で稼ぐパートナーを育てるのかは、代理店制度を設計するうえでも分かれ道になります。
これは対面営業の作法にも通じる発想です。価格だけで選ばれる関係は、もっと安い競合が現れた瞬間に崩れます。担当者の専門性と対応力で信頼を積み上げてきた相手ほど、価格以外の理由で取引が続きます。
単純転売は差益のみ、VARはサービスが利益の柱
VAR・VAD・リセラーの違いを表で整理
似た言葉に「VAD」「リセラー」があります。表で整理します。
| 種別 | 販売経路 | 付加価値 | 主な収益源 |
|---|---|---|---|
| VAR | 直接販売が中心 | あり(導入支援・コンサル等) | サービス提供 |
| VAD | 間接販売(卸)が中心 | 卸業務が中心 | 卸マージン |
| 単純リセラー | 直接販売 | なし(そのまま転売) | 転売差益 |
VADとVARの違いは、文字どおり卸業者と再販業者の違いです。VADは間接販売、VARは直接販売がメインになります。単純なリセラーとの違いを詳しく知りたい方は、リセラーとは?意味と実務での使われ方をやさしく解説にまとめています。
メーカーから顧客へ、三者の経路と付加価値の違い
VARの実例 - MicrosoftとAppleのケース
Microsoftの場合、複雑なライセンスソリューションを販売する際にはVAD(卸業者)と協業する仕組みがあり、日本ではネットワールドのみが認定されています。
Appleの場合は少し違います。「Apple Business VAR」は顧客への直接販売に加えて、SIerなどと協業してソリューション提案を行う立場です。
同じVARでも、業界や製品によって役割の幅がこれだけ違います。
クラウド・サブスク時代でVARの役割はどう変わったか
クラウドサービスやサブスクリプション型ソフトウェアが広がったことで、VARを含むリセラーの仕事も変わってきています。ライセンス販売だけでなく、契約管理や運用支援、最適なプランの提案までを手掛けるリセラーが増えています。
契約が単発の売り切りから継続支援型に変わるほど、担当者との関係の質が問われます。導入して終わりではなく、使い続けてもらう責任を負うからです。ここでも、対面で信頼を積み上げてきた担当者の方が長く選ばれやすいという構造は変わりません。
参照した情報源
- What is a Value-Added Reseller? Definition from SearchITChannel(TechTarget)・確認日 2026-07-10
- Value-added reseller(Wikipedia (English))・確認日 2026-07-10
- 付加価値再販業者(Wikipedia(日本語版))・確認日 2026-07-10
- <いまさら聞けないキーワード>VAD/VAR(週刊BCN+)・確認日 2026-07-10
- リセラー(再販業者 / 販売代理店)とは(IT用語辞典 e-Words)・確認日 2026-07-10
本項目は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。