用語辞典
専属代理店 せんぞくだいりてん
かんたんに言うと1社の商品・サービスだけを扱う代理店契約の形態。複数社の商品を横断的に扱える非専属(乗合)代理店と対になる概念で、独占的地位の有無によって区別される。
専属代理店・非専属代理店とは?結論を先に言うと
専属代理店とは、代理店制度の中で1社の商品やサービスだけを扱う契約形態です。非専属代理店(乗合代理店)は、複数社の商品を横断的に扱える契約形態を指します。
代理店はメーカーや商社などの「本人」の代理として販売活動を行う立場で、客先との売買契約の当事者にはなりません。専属か非専属かの違いは、契約で独占的な地位が与えられているかどうかで決まります。
専属は1社のみ、非専属は複数社を横断して扱う
独占的契約と非独占的契約、法的にはどう違うのか
独占的(専属)な代理権では、メーカー自身の直接販売も含めて、代理店だけがその商品を販売できるという制限がかかります。独占的な地位を得る代わりに、販売のノルマを課されるのが一般的です。独占契約と非独占契約の違いは、メリット・デメリットも含めて別記事で詳しく解説しています。
国内市場全域を対象に一手販売権を与える総代理店という形も、独占的な地位を指す言葉として使われます。
保険業界で見る専属代理店・乗合代理店の実例
身近な例が保険代理店です。専属代理店は、生命保険・損害保険それぞれ1社のみと契約し、その会社の商品を専門に扱います。乗合代理店は、複数の保険会社と契約を結び、各社の商品を横断的に取り扱います。
2026年に施行される改正保険業法では、乗合代理店の一部の運用形態(ハ方式)が廃止され、より体制の整った運用(ロ方式)が求められるようになりました。年間の保険手数料が20億円以上ある「特定大規模乗合代理店」には、法令順守責任者の設置や苦情処理体制の整備が義務付けられています。乗合=自由に扱える、という単純な話ではありません。
メーカー側・代理店側、それぞれの得と損
メーカー側から見ると、専属は販売活動をコントロールしやすい一方、窓口が1社に限られます。非専属は販路が広がる代わりに、代理店同士が競合と食い合う構図になりやすいです。
代理店側から見ると、専属はノルマを課される代わりに、本社からの支援を受けやすい傾向があります。非専属は複数の商材を扱える自由がある一方、1社あたりの支援や優遇は薄くなりやすいのが実情です。どちらが得かは、扱いたい商材の幅や自分の営業リソースによって変わります。
立場ごとに、専属と非専属で得と損が入れ替わる
契約前に確認すべきチェックリスト
代理店契約書を見るときは、以下の項目を確認しておくと判断しやすくなります。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 独占的地位の有無 | 自分だけが売れるのか、他社・本社直販と競合するのか |
| ノルマの有無と水準 | 未達成時に契約解除や条件変更があるか |
| 他社商品の取り扱い可否 | 専属条項で他社商品の扱いが禁止されていないか |
| 契約解除条件 | どんな条件で契約が終了するか、予告期間はあるか |
契約書の個々の条項がどう解釈され、自社にどう影響するかは案件ごとに異なります。契約前には弁護士など専門家に相談することをおすすめします。
扱いたい商材が1つに絞られていて、手厚い支援を受けたいなら専属。複数の商材を組み合わせて営業したいなら非専属が向いています。
参照した情報源
- 代理店契約と販売店契約の相違点:日本(日本貿易振興機構(ジェトロ))・確認日 2026-07-17
- Q&A No.5 独占的販売代理権と非独占的販売代理権の区別(代理店契約書作成@新宿(弁護士監修))・確認日 2026-07-17
- 流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針(第3部 総代理店)(公正取引委員会)・確認日 2026-07-17
- 専属代理店と乗合代理店の違いとは?メリット・デメリットと選び方を解説(MCB FinTechカタログ(マネックス証券グループ))・確認日 2026-07-17
- 改正保険業法がきょう施行 ディーラーなど特定大規模乗合代理店は法令順守責任者が必要に(一般社団法人日本自動車会議所)・確認日 2026-07-17
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