用語辞典
特定商取引法 とくていしょうとりひきほう
かんたんに言うと事業者の違法・悪質な勧誘から消費者を守るための法律。訪問販売や連鎖販売取引など7つの取引類型を規制し、クーリング・オフなどのルールを定めている。
特定商取引法とは?消費者を守るための7つのルール
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為を防ぎ、消費者の利益を守るための法律です。対象となるのは訪問販売・通信販売・電話勧誘販売・連鎖販売取引・特定継続的役務提供・業務提供誘引販売取引・訪問購入という7つの取引類型です。
事業者側には、勧誘を始める前に会社名や勧誘目的を告げる義務があります。価格や支払条件について嘘の説明をすること(不実告知)、消費者を怖がらせたり困らせたりして契約させることも禁止されています。目的は購入者等の利益を保護し、取引を公正にすることにあります。
代理店・紹介ビジネスに関わる2つの取引類型(連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引)
代理店・紹介営業をしていると、自分のビジネスがこの法律のどこかに引っかからないか気になる場面があります。特に関係が深いのが次の2つです。
連鎖販売取引は、個人を販売員として勧誘し、その人にさらに次の販売員を勧誘させて組織を連鎖的に拡大していく取引です。「紹介すれば紹介料がもらえる」といった形で人を勧誘し、契約の条件として1円以上の金銭負担(特定負担)をさせる場合、この取引に該当します。
業務提供誘引販売取引は、「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘い、仕事に必要だとして商品やソフトを売って金銭負担を負わせる取引です。どちらも法律で定められた書面を受け取った日から20日以内であればクーリング・オフができます。
対面営業の実務では紹介営業の一環として代理店契約を結ぶケースも多いですが、代理店・紹介営業とこの2つの取引は、人を通じて商品やビジネスを広げる点で似て見えます。ただし代理店契約は本来、事業者同士が対等な立場で結ぶ契約であり、個人を次々勧誘して組織化することを目的とした契約とは法的な位置づけが異なります。この違いを理解しておくと、自分の契約がどちらに近いか判断しやすくなります。
代理店・紹介ビジネスが特に関わる2つの取引類型
代理店契約は特商法の対象になるのか?「営業のため」の適用除外を確認する
特商法には「営業のために若しくは営業として締結する契約」を対象外とする規定があります。ただし、この適用除外に当たるかどうかは、契約の種類や目的、消費者が行っている(または行おうとしている)活動との関連性、必要な設備を準備しているかなどを総合的に見て判断されます。
代理店契約は通常、事業者間(BtoB)の取引にあたるため、この適用除外に当てはまりやすいと一般的には整理されています。ただし「代理店契約」という名目だけで一律に対象外になるわけではなく、契約の実態次第で適用される可能性が残る点には注意が必要です。法務・税務の個別判断は専門家に相談することをおすすめします。
契約書の名目ではなく実態で分かれる
自分の契約が特商法の対象かどうか、実務で見るべき4つのチェックポイント
自分の契約を見直すときは、次の4点を確認してみてください。
- 契約書の名目が「代理店契約書」でも、実態が個人を次々勧誘する仕組みになっていないか
- 「紹介すれば収入が得られる」という説明を強調して、商品購入などの金銭負担を負わせていないか
- 連鎖販売取引や業務提供誘引販売取引に当てはまり、クーリング・オフの対象になりうる形になっていないか
- 自分が営業として取引に習熟した上で契約していると言えるか
実務でよくある落とし穴は、「BtoB契約だから特商法は関係ない」と思い込んでしまうことです。契約書のタイトルではなく、勧誘の仕方や金銭負担の中身まで見て初めて、対象になるかどうかが分かります。代理店契約書や業務委託契約書を交わす際は、この4点を照らし合わせてから進めると安全です。
参照した情報源
- 特定商取引法とは - 特定商取引法ガイド(消費者庁)・確認日 2026-07-17
- 業務提供誘引販売取引 - 特定商取引法ガイド(消費者庁)・確認日 2026-07-17
- 連鎖販売取引 - 特定商取引法ガイド(消費者庁)・確認日 2026-07-17
- 訪問販売等の適用除外に関するQ&A(消費者庁)・確認日 2026-07-17
- 特定商取引法 | 消費者庁(消費者庁)・確認日 2026-07-17
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