用語辞典

パートナーティア ぱーとなーてぃあ

かんたんに言うとベンダーが代理店・販売パートナーを実績や技術力で階層分けする制度。AWSのSelect/Advanced/Premierなどが代表例で、ティアが上がるほど特典が手厚くなる。

パートナーティアとは何か

ベンダー企業が代理店・販売パートナーを実績や技術力で階層分けする制度をパートナーティアと呼ぶ。AWSやMicrosoftのパートナープログラムでおなじみの仕組みだ。

目的は大きく二つ。ベンダー側は「このパートナーは一定水準の対応力がある」と品質を保証できる。パートナー側はティアが上がるほど、認定を通じてプログラム特典を受けやすくなる。

似た言葉に「認定資格」がある。認定資格は個人の技術力を証明するもの、ティアは組織全体の格付けだ。ただし無関係ではない。多くの制度で「認定資格を持つ人数」がティア判定の材料になる。個人の積み重ねが会社のランクに直結する構造になっている。

対面営業の現場でパートナー制度をどう使うかは、パートナー営業で具体的な進め方を解説している。

代表的な認定ティア制度の実例(AWS・Microsoft・Salesforce)

実例を見ると、判定の仕組みがベンダーごとにまるで違う。

AWSはSelect→Advanced→Premierの3段階。アクレディテーション取得者数(技術+ビジネス研修修了)は、Selectが技術2名・ビジネス2名(合計4名)、Advancedが技術4名・ビジネス4名(合計8名)、Premierが技術10名・ビジネス10名(合計20名)だ。

Microsoftは点数制。Partner Capability Scoreという指標で業績・スキル・顧客成功の3カテゴリがあり、各解決領域は100点満点で採点される。対象の解決領域で70点以上、かつすべての指標が1点以上(0点の項目なし)であるとSolutions Partnerに認定される。人数ではなく総合点で判定する方式だ。

Salesforceは2026年3月に制度そのものを変えた。従来のBase・Ridge・Crest・Summitの4段階を廃止し、SummitとSelectの2段階に再編している。

ベンダー判定方式段階数
AWS認定者数+案件実績3段階(Select/Advanced/Premier)
Microsoftスコア制(100点満点)解決領域ごとにSolutions Partner認定(70点以上・各指標1点以上)
Salesforceポイント制→2026年に簡素化2段階(Select/Summit、旧4段階から再編)

同じ「ティア」でも、数える対象(人数・点数・実績)も見直しのタイミングもバラバラだ。

AWS・Microsoft・Salesforceの判定方式を並べた比較図 同じ「ティア」でも数える対象はベンダーごとに違う

認定ティアが上がると何が変わるのか

最上位ティアは単なる割引ランクではない。AWSのPremierティアは「地域や業界におけるクラウド活用のリーダーとして認知」される企業向けの位置づけだ。

費用面で差がつくわけでもない。AWSのAPN年会費は全ティア共通で年間2,500ドルだ。ティアで差がつくのは費用ではなく、投入する人員の量になる。

ティアは「点数ゲーム」——数字で見るとハードルは高い

数字で見ると、上位ティアのハードルは想像以上に高い。

SelectAdvancedPremier
技術認定者2名6名25名
アクレディテーション取得者(技術+ビジネス研修修了)4名8名20名
立ち上げ済み収益機会3件・MRR1,500USD以上20件・MRR10,000USD以上50件・MRR50,000USD以上

Premierティアは日本国内でも2024年3月時点で認定は15社しかない。

SelectからAdvancedへは人数も案件数も数倍、AdvancedからPremierへはさらに数倍〜十数倍に跳ね上がる。小規模な会社がいきなり最上位を目指すと、案件を取る前に人員投資だけで息切れする。段階を踏んで積み上げる前提の制度だと理解しておいた方がいい。

Select→Advanced→Premierとハードルが跳ね上がる階段図 上位ティアほど必要人員と案件が急に跳ね上がる

注意点:ティア制度そのものが変わることがある

「今のティアがずっと続く格付け」だと思い込むのは危険だ。Salesforceは2026年3月に、Base・Ridge・Crest・Summitの4段階制を、SummitとSelectの2段階制へと丸ごと再編した。

対面営業でパートナー制度を使う側は、ティアの数字だけでなく、制度が変わったときに顧客への説明をどう更新するかまで見ておく必要がある。ティアの名前や段階数を資料に固定で書いてしまうと、制度改編のたびに説明が古くなる。

まとめ:パートナーティアを見るときのチェックリスト

パートナーティアを確認するときは、次の3点を見ておく。

  • 判定基準が「認定者数型」(AWS)か「スコア型」(Microsoft)かを確認する
  • ティア別の特典(プログラム特典・支援内容)が自社の営業スタイルに合うか確認する
  • 制度改編のアナウンスを定期的に追う。Salesforceのように段階数ごと再編されることがある

そもそも組む相手をどう見極めるかは、失敗しない代理店の選び方で詳しく解説している。

参照した情報源

  1. AWSパートナーに認定される条件とは?ティアの種類と要件を解説(GMOクラウド(managed.gmocloud.com))・確認日 2026-07-15
  2. AWS Partner Services Tiers(Amazon Web Services(AWS公式))・確認日 2026-07-15
  3. Solutions Partner program Partner Capability Score(Microsoft Learn(Microsoft公式))・確認日 2026-07-15
  4. Salesforce Partner Tiers 2026: Select vs Summit — Complete US Guide(Codleo)・確認日 2026-07-15
  5. What is Partner Tiers?(xAmplify)・確認日 2026-07-15
  6. What is a Partner Certification Program?(ZINFI Technologies)・確認日 2026-07-15

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