用語辞典

ハイブリッド営業モデル はいぶりっどえいぎょうもでる

かんたんに言うと自社の営業チームが直接売る「直販」と、外部パートナーに売ってもらう「代理店」営業を組み合わせて使う販売体制のこと。

ハイブリッド営業モデルとは?直販と代理店を同時に使う仕組み

ハイブリッド営業モデルとは、自社の営業チームが直接売る「直販」と、外部パートナーに売ってもらう「代理店」営業を組み合わせて使う体制のことです。

販売チャネルは「需要をつくり(情報流)、契約を結び(商流)、納品・導入し(物流/役務提供)、代金を回収し、継続利用につなげるまでの一連の経路」と整理されています。この経路のどこを誰が担当するかを、顧客ではなく機能(提供価値)で分けるのが設計の出発点です。

直販と代理店を併用する体制の概念図 自社から直販と代理店の2つの経路で顧客に届くハイブリッド型

なぜ直販だけ・代理店だけでは限界が来るのか

SaaSなどのサブスク型商材では、直販だけで開拓できるのはアーリーアダプター層までとされ、その先の層へ広げるには代理店の活用が有効とされています。

直販の場合、顧客との情報交流の質・量が高まり、その声を商品開発に活かせるという強みがあります。代理店経由では、こうした顧客接点の情報が自社に届きにくくなる面があると考えられます。代理店の営業力を借りれば自社の固定費なしで販路を広げられますが、代理店マージンが上乗せされる分、利益率は下がります。さらに、その代理店がライバル社に鞍替えすると売上が急減するリスクも抱えます。直販と代理店、それぞれの弱点を補い合うのがハイブリッド営業モデルの狙いです。

直販と代理店、どう振り分けるか(判断基準表)

欧州のBtoB企業では、案件規模(年間契約額のしきい値)を基準に、大口の重要顧客は直販、中間層以下は代理店に振り分ける設計が使われています。代理店を管理する側にも目安があり、チャネルマネージャー1人あたり15〜20社の稼働パートナーを管理するのが一般的とされます。また代理店の立ち上がりを測る指標として、契約から90日以内に初受注する活動率が40%を超えることが基準に挙げられています。代理店経由の販売成果を測る基本指標についてはセルスルーとセルインの違いで詳しく解説しています。

案件の特徴向いている担当
大口・複雑な要件・カスタマイズ多い直販
中小規模・定型的な導入代理店
特定業界・地域ネットワークが必要代理店
顧客の声を製品開発に反映したい案件直販

ハイブリッド化で成果を出した実例

国内では、代理店営業とハイタッチ営業(直販の手厚いフォロー)を組み合わせ、商談件数を6.5倍、案件金額を3.3倍に伸ばした事例があります。

施策は3つです。1つ目は顧客のもとへ短いスパンで継続的に提案に向かう「フォロー提案の強化」。2つ目は代理店の営業担当に直販側が同行し、エンドユーザーへ直接クロスセルを提案する「販売店への同行強化」。3つ目は代理店に失注要因を確認したうえでSFAに入力を徹底する「失注要因のナレッジ化」です。

実務でつまずくポイント:直販と代理店の衝突をどう防ぐか

メリットの並べ立てで終わりがちですが、現場で実際によく起きるのは、直販チームと代理店が同じ顧客に同時に営業をかけてしまう「バッティング」です。ここへの備えがないまま始めると、せっかくのハイブリッド化がかえって顧客の信頼を損ねます。

対策として有効なのが、例外条件と案件の受け渡しルールを「チャネルポリシー」として明文化することです。加えて、代理店に同行して失注要因を確認しSFAへ入力する運用のように、直販と代理店の間で情報を還流させる仕組みを作ることが、衝突防止と提案品質の両方に効いてきます。

バッティング防止のルールを示す◯×図 同一顧客への同時営業は×、ルールで担当を分ければ◯

ハイブリッド営業モデルを設計する際の実務ステップ

まず自社の商材・顧客層について、直販と代理店それぞれが得意な領域を洗い出します。次に案件規模や複雑さで担当を分ける基準を先に決め、チャネルポリシー文書に落とし込みます。代理店を選ぶ基準や契約設計の進め方は代理店制度の作り方 完全ガイドで詳しく解説しています。

SaaSなど契約が継続する商材では、代理店戦略の構築に2、3年単位の時間がかかることを前提にロードマップを引く必要があります。また代理店契約を結ぶ段階では、レベニューシェアやクローバックといった契約条件も具体的に詰めることになります。契約条件の詳細は個別の契約書ごとに異なるため、締結前に専門家に相談することをおすすめします。

参照した情報源

  1. 販売チャネルとは?BtoB中小企業の"直販×代理店"の設計方法(からさわコンサルティング)・確認日 2026-07-13
  2. SaaS企業の販売戦略には何がある?効果的な戦略や販売代理店を活用するメリットをご紹介(パートナーサクセス)・確認日 2026-07-13
  3. 代理店営業×ハイタッチ営業の"ハイブリッド"に挑戦! 商談件数を6.5倍にした、ブラザー販売の変革(MarkeZine(翔泳社))・確認日 2026-07-13
  4. 代理店販売のメリット・デメリット(売上UP研究所)・確認日 2026-07-13
  5. 代理店販売と直販営業はどっちが有利?セールスを外注するメリットとは?(SideBizz)・確認日 2026-07-13
  6. Channel Strategy: Direct Sales vs. Partner Channels for B2B Products(Scalarly)・確認日 2026-07-13

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