対面営業・商談
アポイントの依頼メール例文|初めての相手に送る一通
このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
アポイント依頼メールの全文|初めての相手に送る一通
例文をいくら探しても、書き上がらない一通があります。敬語も構成も検索すればいくらでも出てきますが、詰まるのは書き方の前です。まずは、そのまま送れる全文から見てください。

そのまま使える全文(コピペ用)
以下は、初めての相手にそのまま送れる全文です。
件名:◯◯展でブースを拝見しました/△△の□□です
株式会社◯◯ ◯◯部 ◯◯様
はじめてご連絡します、△△の□□と申します。 先日の◯◯展で、御社の◯◯を拝見しました。
普段は◯◯を一人でやっていて、◯◯のような仕事をしています。 御社が◯◯をどう回しているのか、一度お話を伺えないかと思いご連絡しました。
30分ほど、来週の火曜か木曜の午後でしたら伺えます。 ご都合が合わなければ、時期を改めます。
□□ 電話:090-◯◯◯◯-◯◯◯◯
詰まっているのは「会ってください」の一行だけ
手が止まるのは、たいてい「一度お会いできませんか」の一行だけです。自己紹介の段落も、相手の会社を褒める段落も書けるのに、会う約束を切り出す一行の手前で止まる、という人は多いです。
これは切り出せない型かもしれません。まだ一緒に仕事をしたことのない相手に、仕事の話を切り出せない型です。文章力が足りないからではありません。頼んだ瞬間、こっちが下になる気がして、「会ってください」の一行だけが打てなくなるからです。
抜け方は一つ
抜け方は一つです。「売らせてください」を「聞かせてください」に替えます。
同じ内容でも、頼み事ではなく話を聞きに行く約束にすると、書ける文章になります。「仕事をください」ではなく「聞かせてください」。この置き換えだけで送信ボタンを押せた、という人が多いです。
なぜこの一語で書けるようになるのか。「売らせてください」は、相手に判断させる文になっています。買うか買わないかを決めるのは相手で、こちらは頼む側に固定されます。「聞かせてください」は、相手が持っている情報を教えてもらう文です。上下ではなく、知っている人と知りたい人の関係になります。同じ内容の連絡でも、文の立て方ひとつで送れるかどうかが変わります。
置き換えるのは4か所だけ
置き換えるのは◯◯の4か所だけです。接点(どこで見たか)、自分の仕事、相手について気になったこと、日時候補。この4つ以外は触らなくていいです。
構成をいじりだすと、かえって手が止まります。文面はこのままで、中身だけ入れ替えます。
件名は「誰から・何を頼まれているか」だけ|開かれる形と消される形
件名に入れる3要素
件名に入れるのは3つだけです。①どこの誰か(屋号+氏名)②なぜ今その相手なのか(接点)③何を頼んでいるか(会う依頼だと分かる語)。全角30字前後に収めます。
3つとも入れようとすると長くなりがちですが、削るなら屋号を短くします。接点と依頼の語は残します。
消されるNG件名5つと直し方
| NG件名 | 消される理由 |
|---|---|
| ご挨拶 | 何の挨拶か分からない |
| 初めまして | 中身がゼロ |
| ご提案の件 | 売り込みだと即断される |
| 【重要】ご確認ください | 一斉送信の合図に見える |
| お世話になっております | 初回で使うと嘘になる |
直し方は全部同じです。接点を1語入れます。「◯◯展で」「◯◯様のご紹介で」を件名の頭に置くだけで、開くか消すかの判断が変わります。
社名より先に接点を置く
相手が知らない屋号を先頭に置いても、手がかりになりません。「◯◯展でブースを拝見しました/△△の□□です」の順にします。
自分の名前を先に出したくなる気持ちは分かりますが、受け手にとっては接点のほうが先です。
前半15字に判断材料を寄せる
スマホの受信一覧では、件名の前半しか表示されません。判断材料はできるだけ前に寄せます。屋号や部署名を先頭に長々と置くと、肝心の接点と依頼の語が後ろに追いやられます。
書き出しの3行で「どこで知ったか」を先に言う
接点別の書き出し4パターン
| 接点 | 書き出し |
|---|---|
| 紹介 | ◯◯様からご紹介いただきました |
| イベント | ◯◯展でご挨拶しました |
| SNS | ◯◯で投稿を拝見していました |
| HP | 御社サイトの◯◯の事例を読みました |
どれも1行目に置きます。自己紹介より先です。
紹介を接点にする考え方は、賃貸仲介の集客で入居した人の紹介につなげる方法で詳しく解説しています。
完全な新規のときこそ正直に書く
接点がないのに「以前より拝見しており」と盛ると、次の一行から全部が疑われます。盛った一文は、読む側にはだいたい伝わります。
「面識がないままのご連絡で失礼します」と正直に書いて、なぜその会社に連絡したのかを一文足すほうが、結局は通ります。「御社の◯◯という取り組みを、◯◯で拝見して連絡しました」のように、接点がないなら見た場所と見た内容を具体的に書きます。何を見て連絡してきたのかが分かれば、相手は「よくある一斉送信」と「自分宛に書かれた一通」を区別できます。
「貴社ますますご清栄の…」を外す判断
定型の挨拶を削っても、失礼にはなりません。削った3行分を「なぜ御社なのか」に回します。
取引先が大手企業中心で、文書文化が固い業種のときだけ残せば十分です。それ以外は、接点の説明に文字数を使います。
NG例
1行目が自己紹介と実績で終わり、相手が出てくるのが5行目以降になっている書き出しは、そこまで読まれずに閉じられます。相手を先に置きます。
書き出し3行の型については、クラウドソーシングで案件が取れないとき|提案文を直す前に見直すことでも詳しく解説しています。
本題は「聞かせてください」で書く|実績は1つだけ
実績を並べたくなったら1つに絞る
知らない相手に信用してもらおうとして、対応社数や受賞歴、経歴を足していくと、読む人が自分を重ねる場所がなくなります。実績並べ型の落とし穴です。
相手と同じ状況の1件だけを、1行で書きます。数を増やすほど、遠い話に見えていきます。
相手にとっての「会う理由」を一文で書く
自分が売りたいものではなく、相手が話したくなることを置きます。「◯◯の現場でどう回されているのか伺いたい」「同じ業種で◯◯に困っていた会社があり、御社はどうされているか気になりました」。
質問の形にすると、売り込みではなく相談に見えます。「弊社のサービスをご紹介させてください」と「御社のやり方を教えてください」では、同じ会う目的でも相手が受け取る印象がまったく違います。答えるのは相手のほうなので、返信の負担も軽くなります。
同業者に話を聞きに行く場合の関係づくりは、同業者と仲良くしておく|手が回らない仕事を、回し合える関係になるまでで詳しく解説しています。
商品説明は入れない。入れるなら1文まで
初回メールでサービス紹介や料金表、資料一式を送ると、会う話ではなく検討の話になります。返事は「社内で確認します」で止まりがちです。
商品の説明は、入れても1文までにします。詳しい話は会ってからでいいです。会ったあとに見積を頼まれ、相見積もりの当て馬かもしれないと感じたときの聞き方は別のページで解説しています。
NG例
「弊社は◯◯を強みとし、これまで100社以上を支援してまいりました」で始まる本文は、数字が入っているぶん、読む側は自分の話ではないと判断します。
日時の出し方|候補は3つ、断りやすい一文を最後に置く
候補は3つまで、幅で出す

「来週の火曜・木曜の午後」のように曜日と時間帯で出します。候補を10個並べると、相手の作業が増えます。1候補だけだと、合わなかった時点で終わります。
3つという数は多すぎず少なすぎず、という落としどころです。
相手の負担を先に下げる3点セット
所要時間を先に言う(30分)。場所はこちらから伺うと書く。オンラインでも構わないと添える。
この3行を足すと、返信のハードルが下がる、というのが実感です。会う前の心理的な負担を、こちらから先に外しておく形になります。
「30分」と先に書くのは、相手が予定を組みやすくするためです。時間を書かずに「一度お話しできれば」とだけ書くと、相手は1時間かかるかもしれない予定として扱い、後回しにします。「こちらから伺います」も同じで、移動の手間を相手に負わせない、という意思表示になります。相手が遠方だったり、初対面でオフィスの場所を知らせたくない相手だったりする場合は、オンラインでも構わないと一言添えておくと選びやすくなります。
最後に断りやすい一文を置く
「ご都合が合わなければ、時期を改めます」。断る余地を残したほうが返事は来やすいです。
逆に「ぜひご検討ください」「前向きにご調整いただけますと幸いです」は、相手を返事しづらい場所に追い込みます。
期限の切り方
「今週中にお返事を」は初回では使いません。「来週いっぱいでご都合を伺えれば」程度に留めます。
NG例
日時を一切出さず「ご都合のよい日をお知らせください」だけで終わる本文は、日程調整の仕事を丸ごと相手に渡しています。
受け取る側の受信箱では、こう見えている
本文はまだ読まれていない

受け手は本文を読んでいません。件名と冒頭2行で「自分に関係あるか」「誰から来たか」だけを見て、後で読むか消すかを決めています。
自分が送ったメールも、届いた側の視点で一度見直します。「自分に関係あるか」は、件名と冒頭2行に自分の会社名や状況が具体的に触れられているかで判断されます。「誰から来たか」は、屋号と氏名が最初の数行にあるかで判断されます。この2つが分からないメールは、中身を読まれる前に一覧の中で通り過ぎられます。
一斉送信だと分かる痕跡3つ
会社名だけ差し替えれば他社にも成立する本文。署名だけが具体的で本文が抽象的。「御社のような企業様」という書き方。
1つでも当てはまると、丁寧な文面ほど機械的に見えます。
返事をしない側にも罪悪感がある
無視されたのではなく、返事の文面を考える余裕がなくて後回しになっているだけ、という場面が多いです。
だから「合わなければ時期を改めます」の一文が効きます。相手が抱える負担を、こちらから先に外す一文になります。
送信前の実務手順
自分宛に一度送って、スマホで受信一覧を見ます。件名前半と冒頭2行だけで、判断できるかを確認します。パソコンの画面で見えているものと、スマホで見えるものは違います。
返事が来ないとき|2通目の文面と、引き際
何日空けるか

判断基準は「相手の忙しさが一巡するまで」です。目安は1週間空けます。翌日や翌々日の催促は、こちらの不安を送っているだけになります。
2通目は3行で書く(全文)
先日ご連絡した△△の□□です。お忙しいところ恐縮です。◯月◯日にお送りした件、今も◯月の後半でしたら伺えます。ご不要でしたら、このままお気になさらないでください。
催促の言葉は一つも使いません。
2通で止める。止め方も文面にする
「またご縁があればお願いします」で終えます。ここで丁寧に終わらせておくと、半年後に再度連絡しても気まずくなりません。
3通目を送るかどうかで迷ったら、送らない方を選びます。ここで丁寧に引いておいた相手から、半年後や1年後に「あのときの件、まだやっていますか」と連絡が来ることもあります。2通で止めるのは縁を切ることではなく、次に連絡しやすい状態を残しておくことです。
返事が来ないことを自分の評価に読み替えない
断られたわけではなく、まだ何も起きていないだけです。ここで「向いていない」と結論を出す必要はありません。
相手の都合と、自分の値打ちは別の話です。
NG例
「その後いかがでしょうか」だけの2通目は、何の件か分からず、相手に思い出す作業を強います。
送信前チェックリスト6項目
そのまま印刷して使える形にしています。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| ①件名 | 誰から・接点・会う依頼が入っているか |
| ②1行目 | どこで知ったかが書いてあるか |
| ③実績 | 1つに絞れているか |
| ④会う理由 | 相手にとっての理由が一文であるか |
| ⑤日時 | 候補が3つ以内・所要時間つきか |
| ⑥結び | 断りやすい一文があるか |
他社宛にそのまま送れる本文になっていないか
社名を別の会社に置き換えて読み、そのまま成立したら書き直します。1か所でも相手だけの記述があれば合格です。この6項目は、送信前に本文の上にそのまま貼り付けて、1つずつ消し込みながら使う想定で作っています。慣れるまでは、送信ボタンを押す前に指でなぞって確認してください。
迷ったら短くする
初回メールは本文9行前後に収めます。長い一通より、次につながる一通を出すほうが、この先の関係にとって意味があります。
見積送付や日程調整、お礼のメールなど他の場面の文例は、営業メールの例文集にまとめています。
よくある質問
初めての相手にメールでアポを取るのは失礼ですか
失礼にはなりません。相手の時間を勝手に奪わない分、電話より負担が軽い場面も多いです。ただし、接点をどこで得たかを1行目に書くこと、断りやすい一文を最後に置くことが条件です。
アポイントメールの件名は何と書けばいいですか
「どこの誰か・接点・会う依頼」の3要素を全角30字前後で入れます。「ご挨拶」「ご提案の件」だけの件名は中身が分からず消されます。判断材料は前半15字に寄せます。
返事が来ないとき、何日後に送っていいですか
目安は1週間です。翌日・翌々日の催促は、こちらの不安を送っているだけになります。2通目は3行で、催促の言葉を使わずに送ります。
アポ依頼は電話とメールのどちらが先がいいですか
面識のない相手にはメールが先です。相手が読む時間を選べます。紹介がある場合や、相手が現場に出ていてメールを見ない業種なら、電話が早いこともあります。
例文をそのまま使ってもいいですか
使って構いません。ただし置き換えるのは4か所(接点・自分の仕事・相手について気になったこと・日時候補)だけです。社名を別の会社に置き換えてもそのまま成立する本文なら、書き直します。
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