対面営業・商談

営業の連絡の頻度|しつこいと思われずに、忘れられない間隔

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

営業の連絡の頻度は、回数より「毎回お願いが入っているか」で決まる

「何日おきなら正解」という公的な基準は、私は確認できていません。私は、しつこいと思われるかどうかは日数より、毎回お願いが入っているかで変わると見ています(実務での見立てで、調査にもとづく話ではありません)。

間隔は、相手との関係の段階で変える。連絡するたびに、次の連絡日を決めておく。これがこの記事の結論です。

この記事の答え:3つだけ守る

  1. 間隔は、相手との関係の段階で変える。 一律に「◯日おき」とは決めない
  2. お願いの入った連絡と、入っていない連絡を分ける。 毎回お願いを付けない
  3. 連絡するたびに、次の連絡日を決めておく。 「そのうち」にしない

今日やることは1つ。連絡したら、その場で次の連絡日をカレンダーに入れる。やり方は最後の章で書きます。

この3つで、しつこいと思われることと、忘れられることの両方を減らせると考えています。

この記事に出てくる日数は、すべて実務上の目安(仮説)として読んでください。

仕事の取り方全体の順番は、フリーランスの営業の進め方にまとめています。この記事は、その中の「連絡を続ける」部分だけを詳しく扱います。

送る前に手が止まる場面

見積を出して、返事を待っている。そろそろ連絡したいと思うのに、送る前に手が止まる。用もないのに連絡したら、仕事がほしくて必死な人に見える。そのまま、数週間がたつ。

こういう場面で止まる人は、少なくないと見ています。腕の問題ではなく、連絡の入れ方を教わる機会がなかっただけ、という場合が多いと見ています。

「しつこいと思われたくない」と迷う人に多い思い込み

連絡を送れない人の頭の中には、次のような計算があることが多いようです。

  • 連絡する=仕事をねだること、になっている
  • 用件がないのに送ると、下心が見えてしまう
  • 返事が来ないのに重ねて送ると、迷惑がられる

つまり、連絡を「お願いをする行為」としか見ていません。そうなると、連絡のたびに相手に負担をかけている気がして、送る前に手が止まります。

受け手がしつこいと感じるのは、回数より「毎回同じお願い」が入っていること

私は、受け手が重いと感じるのは回数そのものより、毎回同じお願いが入っていることだと見ています。

たとえば、こんな連絡です。

先日はありがとうございました。最近、新しいサービスを始めました。何かあればぜひお声がけください。

近況を伝えるだけの連絡に見えて、最後の一文が「仕事をください」になっています。これが毎回入っていると、月に1回の連絡でも催促に読まれやすくなると考えています。

逆に、お願いが入っていなければ、間隔が短めでも負担になりにくいと考えています。回数を減らして悩むより、中身から「お願い」を抜くほうが先です。

関係の段階ごとの連絡の間隔(目安の表)

間隔は、相手との関係の段階で変えます。返事待ちの相手には短め、納品が終わった相手には長めです。段階ごとに、連絡の目的とお願いを入れるかどうかも変わります。

段階別の目安表

相手との段階連絡の目的お願いを入れるか間隔の目安(たとえば)
① 一度会っただけの人会ったお礼。相手の話の続き入れないお礼は翌日まで。次は2〜3週間後
② 見積・提案を出して返事待ちの人届いているかの確認。判断の材料を1つ足す最初の確認だけ。2回目以降は入れない数日〜1週間後に1回。その次はさらに1〜2週間あける
③ 案件を断られた・保留になった人関係を切らさない。次の接点を残す入れない1〜2か月に1回
④ 納品が終わったお客様納品物のその後を気づかう最初の1回は入れない納品後1〜2週間で様子うかがい。その後は2〜3か月に1回
⑤ 長く付き合いのあるお客様近況の共有。相手の予定の確認ほとんど入れない3〜4か月に1回

③は、案件や提案を断られた、または保留になった場合の行です。「今後のご連絡は結構です」のように連絡そのものを断られた場合は、この表の対象外で、連絡を止めます(くわしくは最後の章の「止めどきの判断」に書きます)。

この数字は、公的な根拠のない目安です

表の日数は、書き手の実務上の目安であり、仮説です。「この日数が正解」という意味ではありません。業種や相手の忙しさで変わります。

見てほしいのは数字そのものより、段階による違いです。

  • 返事待ちの相手には、間隔を短めに
  • 案件を断られた相手や納品後の相手には、間隔を長めに
  • 付き合いが長いほど、お願いの入らない連絡を中心に

間隔より先に決めること:自分から「◯日ごろに連絡します」と言っておく

間隔の数字を悩む前に、やっておくと楽になることがあります。見積を出すときに、次の連絡を自分から予告しておくことです。

見積書をお送りします。来週の水曜日ごろに、届いているかの確認で一度ご連絡しますね。それまでにご不明な点があれば、いつでもご連絡ください。

相手がこの一文を受け取った時点で、次の連絡は予定として伝わりやすくなります。当日に連絡しても、催促ではなく「言っていた連絡」として受け取ってもらいやすくなります。送る側も、「そろそろ送っていいだろうか」と迷う時間がなくなります。

間隔の調整ルール

予定どおりに進まないときのために、次のルールを持っておくと迷いません。

  • 返信が来たら、間隔をリセットする。 返事があった日を起点に、表の段階に合わせて次の日を決め直す
  • 返信が来なければ、同じ用件を繰り返さない。 「先日の件ですが」を重ねず、次は話題を変える
  • 段階が変わったら、表の行も変える。 返事待ちだった相手から案件を断られたら③の行へ移す
  • 相手から「しばらく不要です」と言われたら、その期間は待つ。 期間が明けた日をカレンダーに入れる

受け手から見た「しつこい連絡」と「ありがたい連絡」の差

連絡の頻度を考えるとき、送る側の都合で悩みがちです。ここでは、受け取る側から見て書いてみます。

受け手が負担に感じやすい連絡 3つ

  1. 返事を求める一文が、毎回入っている。 「ご検討状況をお聞かせください」が毎回あると、読むたびに宿題が増えます
  2. 前回と同じ用件の繰り返し。 新しい情報がないので、読む理由がありません
  3. 誰にでも送れる一斉送信の文面。 自分のことを見ていないと伝わります

3つに共通するのは、相手の事情が入っていないことです。回数が多いからではなく、相手に返してほしいものだけが書かれているので、重く感じられると見ています。

受け手の印象に残りやすい連絡 3つ

  1. 前回会ったときに、相手が話していたことの続き。 「あのとき話していた◯◯、その後どうなりましたか」ではなく、「あのとき話に出た◯◯について、こういう記事を見かけました」と、自分から差し出す形にします
  2. 相手の仕事に関係する情報を、1つだけ。 何本も並べず、1つに絞ります
  3. 自分の近況を、短く。 新しくできるようになったことなど、事実だけを2〜3行で書きます

どれも、返事がなくても成り立つ連絡です。返事を前提にしないので、相手は気が向いたときに読めばよく、負担が小さくなります。

同じ場面のNG文とOK文を並べる

場面は、提案を出してから日が空いた相手です。

文面受け手の側から見ると
NGその後いかがでしょうか。ご検討状況をお聞かせください。返事を出さないといけない。決まっていないのに答えを求められる
OK先日お話に出た◯◯の件について、似た事例の進め方を見かけたので共有します。お返事は不要です。読むだけでいい。自分の話を覚えていてくれたと分かる

OK文の最後にある「お返事は不要です」は、私は受け手の負担を減らすひと言だと見ています。

注意点が1つあります。「お返事は不要です」と書いたのに、実は返事がほしい文面にしてはいけません。返事がなくても成り立つ内容にしたうえで、このひと言を添えます。

連絡が途切れていく人に多い、3つの落とし穴

連絡が止まる理由は、面倒だからではないことが多いと見ています。止まり方には、よくある流れがあります。

落とし穴①:「そのうち連絡しよう」と思ったまま、日付を決めない

商談のあと、「また近いうちに連絡しよう」と思う。でも、いつとは決めない。そこに目の前の仕事が入ってくる。納期のある仕事は急ぎで、連絡は後ろに回る。気づくと、3週間たっている。

ここで起きているのは、連絡する気がないことではありません。いつ送るかが決まっていないので、毎日の仕事に押し負けています。

落とし穴②:日が空くほど、「今さら何と書けばいいか」が重くなる

日が空くと、「これだけ放っておいて、何事もなかったように連絡していいのか」と考えます。放っておいた自分は、もう信用を失ったのではないか。そこまで思う人もいるようです。そして、お詫びから始める長い文面を書き始めます。書いているうちに重くなり、送らないまま終わります。

連絡を出せない自分を責めなくていいのです。送る日を先に決めておけば足ります。

空いた期間を謝る長文は、いりません。次のように、ひと言添えてすぐ本題に入れば十分です。

ご無沙汰しています。以前お話しされていた店舗のリニューアルに関係しそうな事例を見かけたので、1つだけ共有します。

「ご無沙汰しています」で空いた時間には触れ、すぐ相手の話の続きに入っています。受け手には、お詫びより本題のほうが読まれると見ています。

落とし穴③:急かしていると思われるのが嫌で、期限の話ができない

返事待ちの相手に、「急かしているようで悪い」と感じて、いつまでに決めるかという話ができない。そのまま流れて、気づくと商談そのものが消えている。

対策は、相手を急かすことではありません。自分の予定として伝えます。

来週の木曜に、一度こちらからご連絡しますね。その時点で決まっていなくても大丈夫です。

相手に決断を求めていないので、急かしている印象を与えにくくなります。それでいて、連絡する日は決まります。

3つに共通する原因

3つの落とし穴に共通するのは、次の連絡日が決まっていないことだと見ています。日付があれば、「そのうち」にならず、日が空いて重くなることもなく、期限の話も自分の予定として出せます。日付の決め方は、この記事の最後の章で扱います。

納品が終わったお客様に、思い出してもらう連絡

連絡の頻度で悩みが出やすいのは、納品後のお客様だと私は見ています。

場面:いい仕事をして喜ばれたのに、そのあと声がかからない

いい仕事をして、納品のときに「助かりました」と言ってもらえた。それで安心して、そのまま連絡せずにいる。数か月たっても、追加の依頼は来ない。知り合いへの紹介も出ない。

いい仕事をして喜ばれたあと、思い出してもらう働きかけをしないまま、依頼や紹介が来るのを待つ。私はこの状態を「紹介待ち型」と呼んでいます(この記事での呼び方です)。

仕事が減ったのではなく、思い出してもらえなくなっている場合が多いと見ています。

減ったのは仕事ではなく、思い出される機会

ここを分けて見ると、見え方が変わります。

腕のせいだけではないと見ています。お客様は、依頼したときのことを少しずつ忘れているだけ、という見方を私は仮説として持っています。ほかの仕事で忙しい相手に、こちらを思い出す理由を渡せていないだけ、という場合が多いと見ています。

だから、必要なのは売り込みではありません。「思い出す機会」を、お願いの入っていない連絡で作ります。

お願いを入れない連絡の話題リスト(5つ)

そのまま使える形で並べます。文面は、自分の言葉に直して使ってください。

  1. 納品物のその後を気づかう  「先日納品したパンフレット、現場での反応はいかがでしょうか。手直しが必要なところがあれば、気軽に言ってください」
  2. 相手の業界で見かけた変化  「飲食店向けの予約システムで、こういう動きがあると知りました。◯◯さんのお店にも関係しそうなので共有します」
  3. 季節の区切りのあいさつ  「年度の変わり目ですね。お忙しい時期かと思います。何かあれば、お返事は急ぎません」
  4. 自分が新しく引き受けられるようになったこと  「今月から、動画の編集も引き受けられるようになりました。ご案内だけです。お返事は不要です」
  5. 前回話に出た、相手の予定の確認  「来月、新店舗のオープンと伺っていました。準備は順調でしょうか。お忙しければ返信は不要です」

5つとも、返事がなくても成り立ちます。相手が「そういえばこの人に頼んだな」と思い出すきっかけになれば、役目は果たしています。

工務店の施主や元請けに送るなら、1の形はたとえばこうなります。

先日の引き渡しのあと、不具合はないですか。梅雨前に確認しておくところをメモにしました。お返事は不要です。

相手の仕事に合わせて、「その後」を気づかう材料を1つ添える形です。

お願いを入れる連絡は、入れない連絡を重ねたあとに1回

紹介のお願いなど、お願いを入れる連絡も必要です。ただ、いきなり入れると、冒頭で書いた「毎回のお願い」になります。

私は、お願いを入れない連絡を何回か重ねたあとに、お願いを入れる連絡を1回、という比率で考えています。たとえば、入れない連絡を3〜4回、入れる連絡を1回です。この比率も目安です。

お願いを入れる連絡の例を挙げます。

もし周りに、同じようなことでお困りの方がいたら、お声がけいただけるとありがたいです。無理のない範囲で大丈夫です。

頼まれる側にとって重くならないよう、「無理のない範囲で」と添えます。

今日やること:次の連絡日を決めて、カレンダーに入れる

ここまでの内容から、今日やることを1つだけに絞ります。

方法は1つだけ:連絡したら、その場で次の連絡日を決める

誰かに連絡したら、その場で次に連絡する日を決めて、カレンダーに入れます。間隔は、前の章の表の段階から選びます。これで、「いつ送ろう」と迷う時間がなくなります。

手順

  1. 連絡を取りたい相手を書き出す。 まずは5人程度で十分です(目安)
  2. 表の、どの段階かを横に書く。 迷ったら、短いほうの段階を選びます
  3. それぞれ、次の連絡日を1つ決めてカレンダーに入れる。 日付だけでなく、「話題のメモ」を1行つけておくと、当日が楽です
  4. その日が来たら、納品後の話題リストから1つ選んで、短く送る。 長く書こうとしない

連絡した日は、その場で次の日を入れ直します。この繰り返しが、連絡が途切れない仕組みになります。

止めどきの判断

連絡を続けていても、返事が来ない相手はいます。どこで線を引くか、基準を持っておくと迷いません。「断られた」には2種類あるので、分けて考えます。

  • 同じ用件で、返事がない状態が続いた相手には、その用件の連絡をやめる。 そして、お願いを入れない近況の連絡に切り替える
  • 案件や提案を断られた・保留になった場合は、連絡は止めない。 表の③のとおり、お願いを入れない連絡を1〜2か月に1回続けてよい
  • 「今後のご連絡は結構です」など、連絡そのものを断られたら、連絡を止める。 連絡をやめる判断は、この場合だけです
  • 返事がないことは、連絡そのものを断られたこととは扱わない。 これは私の線引きです

連絡そのものを断られたら、その旨を受け取って、きれいに終えます。「承知しました。ご連絡は控えます。ありがとうございました」と一言で十分です。

この線を引いておくと、「いつまで送っていいのか」で悩む時間が減ります。

持ち帰り用チェックリスト:送る前に3つ確認

  • この連絡に、お願いは入っているか(入れるなら、前回はお願いなしの連絡だったかを確認)
  • 返事がなくても成り立つ文面か
  • 次の連絡日は決めたか

この3つを見るだけで、しつこさと忘れられることの両方に、手を打てます。

連絡の頻度に、決まった正解はありません。段階ごとに間隔を変え、お願いを入れない連絡を重ね、次の連絡日を決めておく。この順番で進めれば、送る前に手が止まる回数は減っていくはずです。

よくある質問

営業の連絡は何日おきなら、しつこいと思われませんか?

何日おきなら適切という公的な基準は、確認できていません。日数よりも、毎回お願いが入っているかで印象が変わると考えています。間隔は相手との関係の段階で変え、日数は目安として扱ってください。

見積を出したあと、返事が来ないときはいつ連絡すればいいですか?

見積を出す時点で「◯日ごろに一度ご連絡します」と自分から伝えておくと、その日の連絡は催促ではなく予定として受け取ってもらいやすくなります。返事がなければ、同じ確認を繰り返さず、相手の話の続きなど話題を変えて送ります。

用事がないのに連絡するのは失礼ではありませんか?

相手の話の続きや、役に立ちそうな情報を1つだけ送る連絡は、返事を求めない短い連絡として成り立つと考えています。「お返事は不要です」と添えると、受け手の負担が減るというのが私の見方です(私見)。

しばらく連絡していなかった相手に、どう連絡を再開すればいいですか?

空いた期間を謝る長文は不要です。「ご無沙汰しています」のひと言のあと、前回の話の続きなど、相手に関係する本題にすぐ入ります。

連絡しても返事がない相手には、いつまで送り続けていいですか?

同じ用件で返事がない状態が続いたら、その用件の連絡はやめて、お願いを入れない近況の連絡に切り替えます。案件を断られた・保留になった相手には、お願いなしの連絡を1〜2か月に1回続けてかまいません。連絡そのものをやめる目安は、「今後のご連絡は結構です」など、連絡そのものを断られたときです(私の線引きです)。

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