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パートナーセールス・アライアンス 完全ガイド

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パートナーセールスとは?定義とアライアンス営業との関係をまず整理

パートナーセールスとは、企業が他社と協力して自社のプロダクトを販売する法人営業のことです。自社の営業だけでなく、他社の販売力を借りて商品を届ける仕組みです。

似た言葉に「連携」と「提携」があります。「連携」は協力して行動をともにする関係、「提携」はそこから一歩踏み込んだ協力関係を指します。提携はさらに、契約書を交わすタイプと、出資などの資本関係を伴うタイプの2つに分かれます。

この整理に沿うと、パートナーセールスは主に販売協力を指す言葉です。アライアンス営業は共同開発や技術協力、資本提携まで含む、より広い概念だと言えます。本記事ではこの広い意味でのアライアンスも含めて解説します。

パートナーセールスという言葉の意味だけを手早く確認したい場合は、パートナーセールスとは?意味とアライアンス営業との違いにまとめています。語順の似た「セールスパートナー」との違いはセールスパートナーとは?意味とパートナーセールスとの違いで解説しています。本記事ではその先、アライアンスの型分けから立ち上げの実例、始める前のチェックリストまで踏み込んで解説します。

なぜ今、各社がパートナーセールスに力を入れるのか(市場と実例)

SaaS上場企業のうち、ARR(年間経常収益)上位20社の18社がパートナー制度を展開しています。すでに多くの企業にとって、パートナー経由の販売は特別な取り組みではなく標準的な選択肢になっています。

具体的な実例を見ると、その本気度が分かります。

企業パートナーチャネルの実績
セーフィー売上構成比54%(クラウドモニタリング・録画サービスシェア47.5%)
ラクスパートナー経由の販売手数料(2022年3月期)約2億円、前年比134.8%
AI inside登録パートナー数(2022年3月末)104社
Zoom日本の売上の70%がパートナーチャネル経由

こうした動きを裏付けるように、パートナーとの関係を管理するPRM(パートナーリレーションシップマネジメント)の市場も伸びています。市場規模は2025年の194億5,000万米ドルから2026年には222億米ドルへ、CAGR14.1%で成長する見込みです。2030年には379億7,000万米ドルに達するとされています。

営業・代理店ビジネスに関する調査データは、営業・代理店ビジネスの統計データまとめにも出典付きで整理しています。

アライアンスの型を使い分ける(連携・業務提携・資本提携)

「提携」とひとくちに言っても、中身はさまざまです。契約だけで進める業務提携と、出資を伴う資本提携に分かれます。

提携の型具体例
業務連携情報共有・協力体制の構築
業務提携(契約型)共同開発・共同購入・技術協力・生産委託・共同販売・営業協力・ライセンス供与
資本提携資本参加・経営統合・合併

このうち「共同販売・営業協力」は、実務では代理店制度という形で運用されることが多い型です。制度として設計する場合の手順は代理店制度の作り方で扱っています。

業務提携には主なメリットが3つあります。互いの経営に対する独立性を保てること、契約解消が資本提携より容易であること、そして対等な関係が基本であることです。まず業務提携から始め、関係が深まった段階で資本提携を検討する進め方が、現実的な選択肢の一つです。

なお提携の目的については、東京商工会議所が平成14年(2002年)に実施した調査があります。提携目的は新事業分野進出(24.2%)、商品多様化(22.7%)、技術ノウハウの取得(20.5%)の順でした。2002年の調査のため現状の数字ではなく、提携を考えるときの歴史的な傾向として参考にしてください。

提携の深さを示す三段階の図 提携は「連携→業務提携→資本提携」の順に深くなる

【現実】パートナー組織は少人数から時間をかけて立ち上がる

パートナー制度は、作った瞬間に売上が立つものではありません。実際に取り組んだ企業の立ち上がりを見ると、それがよく分かります。

ベーシックは2021年6月にパートナーセールスチームを立ち上げ(準備は同年4月から)、初期メンバーは3名でした。それでも1年でパートナー数は100社を超えています。SmartHRは2021年5月頃に5名で立ち上げ、現在は全体で約20名の組織になり、パートナー数は150社ほどです。

一方でコドモンのように、パートナーセールス専門のチームを置かず、代理店担当者5名がそれぞれ担当代理店を持つ運用をしている企業もあります。直販と同等かやや少ない社数を獲得している代理店も2社あります。

専門チームを大きくすることだけが正解ではありません。自社の商材や体制に合わせて、形は選べます。制度を作れば自動で売れるわけではなく、立ち上げ後の動かし方まで含めて設計する必要があります。

パートナー側(代理店・紹介営業)から見た損得と続けるコツ

ここまではメーカー側の視点でしたが、実際に商品を運ぶのはパートナー側の人です。代理店紹介営業として関わる立場からも、判断すべき点を整理します。副業や独立の形で代理店・紹介営業に関わる人もいます。その場合は副業で紹介パートナーになるときの注意点もあわせて押さえておくと安心です。

まず見るべきは、継続的な需要がある商材かどうかです。一度きりの紹介で終わる商材と、契約後も関係が続く商材とでは、必要な動き方も負担も変わります。

手数料の率だけで商材を選ぶと、続かないことがあります。メーカー側の担当者が契約後もサポートを続けてくれる体制かどうかのほうが、実際の成果を左右します。資料をもらって終わりの関係と、困ったときに相談できる関係とでは、紹介できる案件の数も質も変わってきます。

対面で会って信頼を積み重ねるほど、案件の情報も早く回ってくるものです。これは特定の商材や条件に関わらず、紹介営業・代理店営業に共通する感覚です。ただし、これによっていくらの収入になるかを断定することはできません。自分が扱う商材と相手の体制を見て、都度判断することが必要です。

商材選びの良し悪しを示す◯×図 手数料率より、契約後も続くフォロー体制で選ぶ

始める前の判断チェックリスト(メーカー側/パートナー側)

最後に、組む前に確認しておきたい項目を、メーカー側とパートナー側それぞれでまとめます。

メーカー側

  1. 直販で売れる型がすでにできているか
  2. パートナーが売りやすい商材・価格になっているか
  3. 手数料設計と、契約後のフォロー体制が決まっているか

パートナー側

  1. 継続的な需要がある商材か
  2. メーカー担当者と信頼関係を築けそうか
  3. 紹介型・再販型のどちらが自社の動き方に合うか

いずれの立場でも、契約書の内容や手数料にまつわる税務上の扱いなど、法務・税務に関わる個別の判断は、必ず専門家に相談してください。

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