対面営業・商談
来店のお礼の例文|初めて来た人に送る、2回目につながる一通
このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
来店のお礼は「また来てください」より「次はこれ」を書く|そのまま使える基本の例文
この記事の柱は一つです。来店のお礼は、1回送って終わりにしない。「次の一歩」を書く。
初めて来てくれた人が、それきり戻ってこない。そういうとき、「自分の腕がその程度だったのかもしれない」と受け取る人は多いです。いい仕事をしたつもりなのに、2回目の予約が入らない。そこで、帰ったあとは何もせず、向こうから思い出してくれるのを待つ。この動きに名前をつけるなら、「紹介待ち型」です。
この記事では、腕を疑う前に見直せる場所として、帰ったあとの一通を扱います。性格を変える必要はありません。文の順番を変えるだけで、売り込みに見えない一通になります。
2回目が来ないのを、腕のせいにしていないか
2回目に来てくれなかったとき、「自分の腕がその程度だったということだ」と結論を出してしまう人が多いと思います。
私は、原因は腕より別のところにあることのほうが多いと見ています。満足して帰った人でも、家に着けば日常に戻ります。次はいつ行けばいいのか分からない。予約をどう取ればいいのかも、調べないと分からない。その手間が一つ挟まるだけで、「そのうち行こう」のまま忘れられていきます。
(これは数字で確かめた話ではなく、私の見方です。)
不満があって来なくなったのか、次の一歩が見えなくて来ていないのか。外からは区別がつきません。だとすれば、腕を疑って落ち込む前に、帰ったあとの一通を見直す価値があります。
基本の例文(LINE版)
まず、そのままコピーできる全文を載せます。【】の部分は自分の仕事に合わせて差し替えてください。店名・名前・時期はすべて仮置きです。
本日はご来店ありがとうございました。【店名】の【名前】です。 【右肩の張りが強かった】ので、今夜は【湯船で温めて】みてください。 次は【2〜3週間後】くらいに見せていただけると、今日の続きから進められます。 ご都合のいい日があれば、このLINEにひと言ください。返信はなくても大丈夫です。
短い文面ですが、必要な要素は入っています。何が入っているかを次に分けて見ます。
例文の3つの部品
上の例文は、3つの部品でできています。
| 部品 | 役割 | 上の例文では |
|---|---|---|
| ①お礼(1行) | 来てくれたことを受け取る | 「本日はご来店ありがとうございました」 |
| ②その日の一言 | その人だけに当てはまる話を1つ | 「右肩の張りが強かったので、今夜は湯船で」 |
| ③次の一歩 | 次の目安と、連絡の仕方 | 「2〜3週間後」「このLINEにひと言」 |
この3つがそろっていれば、短くて構いません。長さは問題になりません。
大事なのは②です。②がない定型文は、受け取る側から見ると「全員に送っている文」に読まれます。同じ文面を、前の日に来た人も、次の日に来る人も受け取っている。そう感じた瞬間、お礼は儀礼に変わり、読まれずに流れます。逆に、②が一つあるだけで、「自分のことを覚えている人から来た文」に変わる。私はそう見ています。
送る前に決める3つ:いつ・何で送るか・誰の名前で送るか
文面の前に、送り方を決めておきます。ここが決まっていないと、忙しい日に後回しになり、お礼そのものが出せなくなります。
いつ送るか
私は、当日の夜〜翌日の午前がいいと見ています。効果を測った数字があるわけではなく、見解です。
理由は、その日の会話の中身がまだ相手の記憶にあるからです。「右肩」「湯船」と書いたとき、相手が「ああ、あの話だ」とすぐ思い出せる。時間が空くと、同じ文面でも思い出す手間が増えます。
NG例は、週末にまとめて送ることです。5日前に来た人の分まで書くことになり、「どの話だっけ」となって、②の一言が書けません。書けないので、定型文になる。定型文になるので、読まれない。この流れができてしまいます。
何で送るか(比較表)
LINE、メール、手書きのはがきやカード。どれが正解というより、相手が普段使っている手段に合わせるのが基本です。
| 手段 | 届く速さ | 読まれやすさ | 手間 | 向いている業種・相手 |
|---|---|---|---|---|
| LINE | すぐ | 高い。通知で目に入る | 小さい | 施術・サロン・教室 |
| メール | すぐ | 相手による。仕事用の箱に埋もれることも | 小さい〜中 | 相談に来た法人の人・士業 |
| はがき・カード | 数日かかる | 手元に残り、目を通される | 大きい | 単価の高い店、年配の人が多い店 |
迷ったら、来店時に「連絡はLINEとメール、どちらが見やすいですか」と一言聞いてしまうのが早いです。
誰の名前で送るか
店名だけで送るより、「【店名】の【名前】です」と個人名を入れます。1人で回している店なら、なおさら名前を出します。
私は、受け取る側は「店から来た文」より「会った人から来た文」のほうを読むと見ています。店名だけの文は、お知らせと同じ棚に入ります。個人名が入っていると、顔が浮かびます。
連絡先を聞いていない場合の一言
来店時に連絡先を聞いていないと、お礼を送りたくても送れません。会計や見送りのときに、次の一言を添えておきます。
「次回の目安をLINEでお送りしてもいいですか。お送りするのはそれだけです」
「それだけです」と添えておくと、宣伝が続くのではと身構える人の気持ちが軽くなります。断られたら、無理に聞かずに引き下がります。
場面別の例文:施術・教室・お店・相談に来た人
基本形をもとに、場面ごとの全文を3本載せます。それぞれの下に「差し替える場所」を【】で示しました。
施術・サロン(次の時期の目安を添える)
本日はご来店ありがとうございました。【店名】の【名前】です。 今日は【左のふくらはぎ】がかなり固くなっていたので、お風呂上がりに【ふくらはぎを軽くさするだけ】でも楽になると思います。 次は【3週間後】くらいが目安です。【ほぐれた状態が戻り始める頃】なので、そのくらいに来ていただけると、今日の続きから進められます。 予約はこのLINEに【希望の日】だけ送ってください。返信はなくても大丈夫です。
差し替える場所:【気になった部位】【自宅でできること】【次の目安の時期】【その理由】【希望の日】
ポイントは、次の目安に理由をつけることと、予約方法を1つに絞ることです。予約サイト、電話、LINEと3つ並べると、どれを使えばいいかで止まります。
NG:「またお気軽にどうぞ」だけで終わる。気軽にと言われても、いつ、どうすればいいかは相手が考えることになります。
教室・講座の体験に来た人
体験のあとに入会を迷っている人向けです。
本日は体験にお越しいただき、ありがとうございました。【教室名】の【名前】です。 今日は【最初の一曲を最後まで通して弾けました】ね。初めての日にここまで進めたのは、とてもいいスタートです。 続けていくと、【2か月ほどで、簡単な曲なら楽譜を見ながら弾ける】ようになる方もいます。ただ、進み方には個人差があります。 迷われているなら、そのままでも大丈夫です。気になることがあれば、このメールに返信してください。
差し替える場所:【教室名】【今日できたこと】【続けた先の姿】【通常の進み方】
書くのは、「今日できたこと」を1つだけ。続けた先の話は盛らずに、自分の教室で実際にあった範囲で書き、個人差があることも添えます。
NG:入会特典の期限で急かす。迷っている人にとって、期限の連絡は決断を促すのではなく、距離を取る理由になりかねません。
お店に来た人・相談だけして帰った人
買わずに帰った人にも送れる文面です。
今日は相談だけでも来ていただいて、うれしかったです。【店名】の【名前】です。 お話の中で【予算を抑えたい】とのことだったので、【見積もりを取るときは、同じ条件で2社に出してもらうと比べやすい】ことだけお伝えしておきます。 決めるのはゆっくりで大丈夫です。分からないことが出てきたら、いつでも聞いてください。
差し替える場所:【相手が口にした条件】【考えるのに役立つ情報1つ】
添える情報は1つだけ。2つ、3つと増えるほど、「買ってほしいから情報を足している」ように見えます。決めてほしい気持ちは、文面に出しません。
2回目につながる「その日の一言」の拾い方
②の一言が書けないという声は多いと思います。書けないのは文才の問題ではなく、材料が手元に残っていないからです。
帰ったあと、すぐメモを1行残す
お客さんが帰ったら、すぐ、話した内容を1行メモします。
- 「娘さんの発表会が来月」
- 「左ひざをかばって歩いていた」
- 「予算は抑えたいと言っていた」
この1行が、お礼の②になります。次のお客さんが入ってきたら、もう思い出せません。次の予約までの数分で、スマホのメモに1行だけ書く。この手間で、翌日の一通の質が決まります。
次の目安は理由とセットで書く
「また来てください」ではなく、「〇〇なので、△△ごろが目安です」と書きます。理由があると、受け取る側には売り込みではなく案内として届く。私はそう見ています。
NG例と直し例を並べます。
| 文面 | |
|---|---|
| NG | 「またのご来店をお待ちしております」 |
| 直し | 「今日は【背中の張り】が強かったので、【3週間後】くらいに一度見せてください。戻り始める頃です」 |
NGの文は、来るかどうかを相手の気持ちに預けています。直した文は、来る理由と時期を、案内として渡しています。
よくある定型文を直してみる
よくある文面を、3つの部品で書き直します。
直す前
本日はありがとうございました。またのご来店をお待ちしております。
直した後
本日はありがとうございました。【店名】の【名前】です。(①) 【発表会の前で肩に力が入っていた】ようなので、今夜は【早めに休んで】ください。(②) 【発表会のあと】に一度来ていただければ、そこから整えていけます。ご都合のいい日をこのLINEにひと言ください。(③)
直す前は、誰が誰に送っても通る文です。直した後は、その人にしか通らない文になっています。
売り込みに見えるお礼・見えないお礼(NG例と直し方)
お礼のつもりで書いたのに、売り込みに読まれてしまう。そんな書き方には型があります。
クーポンやキャンペーンを先頭に置く
お礼の一通目が割引の案内に読まれます。「ご来店ありがとうございました。次回使える10%オフクーポンをお送りします」と始まると、受け取る側は「お礼の形をした宣伝」と受け取ります。
直し方は、割引を書くなら最後に1行だけ。あるいは、一通目には入れず、2通目以降に回す選択肢もあります。
長い・質問が多い
「いかがでしたか?」「ご感想をお聞かせください」「次回のご希望はありますか?」と質問を重ねると、返事を書く手間を相手に押しつけることになります。
直し方は、質問を0〜1個にして、「返信は不要です」と添えること。私は、返事を求めない一通のほうが、結果として返事が来やすいと見ています。
お礼を送るのは気が引ける、という人へ
「お礼を送ると、売り込みに思われそうで」と、送らずに済ませる人がいます。気持ちは分かります。
ただ、来てくれた人に、その日の話の続きを届けるのは、押しつけではありません。会話の延長です。右肩の話をしたなら、右肩の続きを一言伝える。それだけです。
性格を変える必要はありません。引っ込み思案のままで構いません。変えるのは文の順番だけです。宣伝から入らず、その人の話から入る。この順番なら、気が引ける人でも書けます。
お礼のあとに宣伝を定期的に送る場合
お礼のあとで、新メニューやお知らせを定期的に送るなら、お礼とは別に、メールなどでの宣伝について法律上のルールがあります。送る相手の同意の取り方や、受け取りを止める手段の用意などが関わります。細かい条件はここでは扱いません。個別のケースは専門家に相談してください。
次の予約が入らないときの2通目
1通目を送っても、予約が入らないことはあります。そのときの2通目の考え方です。
2通目を出す時期の目安
2通目は、1通目で伝えた「次の目安」の時期に合わせて出します。1通目で「3週間後くらい」と書いたなら、そのあたりです。
何週間で何割戻る、といった数字は、ここでは書きません。大事なのは、目安を自分で決めておくことです。決めていないと、忙しさに紛れて出しそびれます。カレンダーやスマホのリマインダーに、お客さんの名前と日付を入れておくのが確実です。
2通目の例文
予約を求めない文面にします。
【名前】です。前回お話しした【右肩の張り】、その後いかがですか。 【お風呂で温めるだけでも】違うことがあるので、よければ試してみてください。 返信は不要です。また近くに来られたときに、顔を見せてもらえたらうれしいです。
差し替える場所:【名前】【前回の話題】【自宅でできること】
相手に返事を求めない終わり方にします。予約の催促が入ると、2通目が「やっぱり売り込み」に変わってしまいます。
送らないほうがいい場面
次のような場合は、2通目を送りません。
- はっきり断られた
- 不満があって帰った
- 連絡しないでほしいと言われた
2通目を出さないと決めるのも、判断の一つです。相手の意思に反して送ると、お礼の積み重ねが一度で崩れます。
送る前のチェックリストと、自分の例文の作り方
送る前の7項目チェック
| 確認項目 | OK |
|---|---|
| ①名前(個人名)が入っている | □ |
| ②その日の一言が、その人だけの内容になっている | □ |
| ③次の目安と、その理由がある | □ |
| ④連絡方法が1つに絞られている | □ |
| ⑤クーポンや宣伝が先頭にない | □ |
| ⑥質問は1個まで | □ |
| ⑦「返信は不要です」の一言がある | □ |
送る前に、この表で1回確認するだけで、売り込みに見える一通はかなり減らせると私は見ています。
自分の例文を1本作って残す
この記事の例文の【】を自分の仕事に置き換えて、1本作ってみてください。作ったらスマホのメモか、LINEの定型文に保存します。
手順は次のとおりです。
- 基本の例文をコピーする
- 【】を自分の仕事の言葉に置き換える
- 次の目安の時期と理由を、自分の仕事に合わせて決める
- 保存する
保存しておくと、毎回いちから考えずに済みます。送るたびに書くのは、②の一言だけです。①と③は、ほぼそのまま使い回せます。
お礼以外のメール文例も見たいとき
見積もりの送付や日程調整など、来店のお礼以外の場面の文例は、営業メールの例文をまとめた記事で場面ごとに見られます。
お礼は、仕事の終わりではなく、次の仕事の入口です。帰ったあとの一通を、「また来てください」から「次はこれ」に変える。まずは、今日来た人のメモを1行残すところから始めてみてください。
よくある質問
来店のお礼はいつ送るのがいいですか?
私は当日の夜〜翌日の午前がいいと見ています。その日の会話がまだ相手の記憶にあるので、「その日の一言」が伝わりやすいからです。効果を測った数字があるわけではなく、私の見解です。
来店のお礼はLINEとメールのどちらで送るべきですか?
相手が普段使っている連絡手段に合わせるのが基本です。施術や教室ならLINE、法人の人や士業への相談ならメール、単価の高い店や年配の人が多い店ならはがきも選択肢です。迷ったら、来店時にどちらが見やすいかを聞いてしまうのが早いです。
来店のお礼にクーポンを付けてもいいですか?
付けても構いませんが、先頭には置きません。一通目は宣伝に読まれやすいので、入れるなら最後に1行だけにします。一通目には入れず、2通目以降に回す方法もあります。
お礼のメッセージに返信が来ないのは脈なしですか?
そうとは限りません。お礼に返信しない人は少なくないと私は見ています。「返信は不要です」と添えておき、一通目で伝えた次の目安の時期に2通目を出せば十分です。
買わずに帰ったお客さんにもお礼は送っていいですか?
送って構いません。相談に来てくれたことへのお礼と、考えるのに役立つ情報を1つだけ添えます。決めてほしい気持ちは文面に出さないのがコツです。
本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。