対面営業・商談
展示会のお礼メール例文|ブースで名刺をもらった人に、翌日までに送る
このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
展示会のお礼メールが書けないのは、文章力のせいではない
お礼メールは、①名乗り ②会話の具体的な一点 ③小さな次の一歩、の3つが入っていれば成立します。話した深さ別の全文は、このあとのH2に載せています。
名刺の束を前に手が止まる翌朝
展示会の翌朝、机の上に名刺が並んでいます。パソコンを開いて、書き出しを打っては消す。「仕事の話を書いたら、売り込みだと思われそう」と迷っているうちに昼になり、翌日になり、名刺は束のまま引き出しに戻ります。
ブースに立った疲れも残っています。会った日の熱があるうちに送りたいのに、手が動かない。
止まる理由は「頼んだら対等じゃなくなる」気がするから
切り出せない型かもしれません。まだ仕事をしたことのない相手に、仕事の話を切り出せない型です。
文章が下手だからではなく、お礼のついでに仕事の話を書いたら、売り込みだと思われて対等じゃなくなる気がするから止まっている。そういう場合があります。
先に許可を渡します。お礼メールは頼みごとではありません。会った日の話の続きを書くだけでいいのです。仕事の話を無理に入れなくても、お礼は成立します。
お礼メールは3つの要素でできている
長い定型文は要りません。次の3つが入っていれば、お礼メールとして働きます。
| 要素 | 役割 | 一行の例文 |
|---|---|---|
| ①名乗り | どのブースの誰かを思い出してもらう | 「◯◯展のブースでお話しした、デザイン事務所◯◯の△△です」 |
| ②会話の具体的な一点 | 一斉送信ではないと伝える | 「繁忙期に見積の作成が追いつかないというお話が印象に残っています」 |
| ③小さな次の一歩 | 頼みごとではなく、こちらから渡すもの | 「お話に出た件の参考例を、別便でお送りします」 |
①と②だけでも、定型文よりずっと届きます。③は相手との関係の深さに合わせて重さを変えます。次のH2で、話した深さ別に3通の全文を載せます。
そのまま使えるお礼メール例文(話した深さで3パターン)
件名の例文
件名は、開く前に誰からのメールか分かることが仕事です。展示会名・ブースで話したこと・自分の名前(屋号)を入れます。
- 【◯◯展】ブースでお話しした◯◯(屋号)の△△です
- 【◯◯展】見積の件でお話しした△△です(◯◯事務所)
- 【◯◯展】ご来場のお礼|◯◯(屋号)△△
悪い例はこちらです。
- 先日はありがとうございました
- ご来場のお礼
- お礼(◯◯株式会社)
展示会の翌日は、同じようなお礼が受信箱に並びます。誰のメールか分からない件名は、後回しになりやすいです。
話し込んだ相手への例文(全文)
相談内容が出た相手には、1通ずつ書きます。話に出た資料や事例を添え、最後に日程の候補を2つ出します。
件名:【◯◯展】見積の件でお話しした△△です(◯◯事務所)
◯◯株式会社 □□様
昨日、◯◯展のブースでお話しした、◯◯事務所の△△です。お時間をいただき、ありがとうございました。
お話しの中で、繁忙期に見積の作成が追いつかず、返事が遅れてしまうことがある、と伺いました。印象に残っています。
話に出た、見積の項目を先に分けておく方法について、実際に使っている書式を1つまとめました。添付しますので、ご覧ください。
もう少し詳しくお話しできればと思い、来週の火曜午後か木曜午前で、30分ほどいかがでしょうか。難しければ、別の日でも大丈夫です。
◯◯事務所 △△ (連絡先)
ポイントは、相手の言葉をそのまま拾うことと、日程に逃げ道を付けることです。
少し話しただけの相手への例文(全文)
会話の一点と、参考になりそうな情報を1つ。日程は聞きません。「何かあれば気軽に」で終えます。
件名:【◯◯展】ブースでお話しした◯◯(屋号)の△△です
◯◯株式会社 □□様
昨日、◯◯展のブースで少しお話しした、◯◯の△△です。お立ち寄りいただき、ありがとうございました。
パンフレットを手に取られたとき、名刺のデザインを見直したいとおっしゃっていたのが気になっていました。似た業種で作った例を、1つだけリンクでお送りします。
(リンク)
何かあれば、気軽にご連絡ください。
◯◯ △△
名刺だけ置いていった相手への例文(全文)
立ち寄りのお礼と、自分が何の仕事をしているかを1行で書きます。資料は1つだけです。
件名:【◯◯展】ご来場のお礼|◯◯(屋号)△△
◯◯株式会社 □□様
昨日、◯◯展のブースにお立ち寄りいただき、ありがとうございました。名刺を交換した、◯◯の△△です。
私は、小さな会社向けにチラシとパンフレットの制作をしています。実際に作ったものを1枚にまとめましたので、添付します。
またご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。
◯◯ △△
3通とも、本文は短くしています。スマホで1画面に収まる量が目安です。ただし、これは目安であり、規則ではありません。話し込んだ相手には、必要なら長くなっても構いません。
受け取る側から見ると、お礼メールはこう読まれている
同じようなお礼メールが並ぶ受信箱
展示会の翌日、出展者や来場者の受信箱には、お礼メールが何通も並びます。件名と1行目を見て、誰か分からないメールは後回しになりやすいと私は見ています。
NG例:定型文だけのメール
本日はご来場いただき誠にありがとうございました。弊社サービスの詳細は添付をご覧ください。今後ともよろしくお願い申し上げます。
どこがまずいかを3点で見ます。
- 誰に宛てても通る文面。 会話の中身が一つもなく、一斉送信に見える
- 誰が書いたのか分からない。 どのブースの誰かが書かれていない
- 相手が何をすればいいか不明。 「添付をご覧ください」は渡しているのではなく、読む手間を相手に預けている
覚えてもらえるのは「あの話をした人」
会社名より、話した内容のほうが相手の記憶に残りやすいと私は見ています。会話の一点の書き方を比べます。
| 文面 | |
|---|---|
| before | 「貴社の業務効率化に貢献できれば幸いです」 |
| after | 「お話しの中で出た、繁忙期に見積の作成が追いつかないという件」 |
beforeは誰にでも言えます。afterは、その人と話した人にしか書けません。afterを書くための材料は、名刺の裏のメモです。メモの付け方は次のH2で書きます。
送るタイミングと順番:翌日までに、話した深さの順で
翌日までを目安にする理由
翌日までを目安にするのは、相手の記憶に会話が残っているうちに届けるためです。厳密な日数に根拠があるわけではなく、私の目安です。
遅れたときも、送らないよりは、遅れてでも送るほうがいいです。書き出しの一文は、たとえばこうです。
御礼が遅くなり、申し訳ありません。◯◯展のブースでお話しした、◯◯の△△です。
遅れたことを一言添えれば足ります。長い言い訳は要りません。
その夜に、名刺を3つに分ける
展示会が終わった夜に、名刺を3つに分けます。
- A:話し込んだ(相談が出た)
- B:少し話した
- C:名刺だけ
Aから順に送ります。Aは1通ずつ書きます。Bも会話の一点を入れて個別に書きます。Cは文面を揃えてもいいですが、宛名と1行目は個別にします。
まとめて送る場合は、宛先が他の人に見えない送り方にします。
展示会の当日にやる準備
名刺を受け取ったら、その場か休憩中に、裏へ会話のメモを1行書きます。
- 繁忙期3月・見積遅れ
- 名刺を新しくしたい・予算未定
- 来期に外注先を探す
この1行が、翌日の「会話の一点」になります。次の展示会から、すぐ使えるやり方です。
売り込みにならない「次の一歩」の書き方
頼みごとではなく「渡すもの」を書く
売り込みに見えるのは、こちらが何かをもらおうとしているときです。逆に、こちらから渡すものを書けば、売り込みの形にはなりません。
渡せるものの例です。
- 話に出た事例の資料
- 料金の目安
- 参考になる記事
- 作例
書き方は、「お役に立てば」ではなく、具体的にします。
お話に出た見積の件で、似た例をまとめたものをお送りします。
会う約束を取りたいときは、日程の候補を2つ
会う約束を取りたいときは、候補を2つ出して、逃げ道を添えます。
来週の火曜午後か木曜午前で、30分ほどいかがでしょうか。難しければ、別の日でも大丈夫です。
「いつでも構いません」と丸投げすると、相手が考える手間が増えます。候補があるほうが、返事は楽です。
NG例を3つ、直した一文つきで
| NG | 直した一文 |
|---|---|
| ①パンフレットを添付しただけ | 「お話に出た件に近いページに印を付けた資料を添付します」 |
| ②会社案内の長文 | 「私がやっている仕事は、小さな会社のチラシ制作です。実例を1つだけ添付します」 |
| ③「ご検討ください」で終わり | 「見積の項目の分け方について、30分ほどお話しできればと思います」 |
③は、何を検討するのかが分からないのが問題です。検討してほしいことを、一文で言い切ります。
返事が来なくても、お礼メールで終わらせない
返事がないことを、断りと決めつけない
返事が来ないと、「断られた」と読みたくなります。ですが、展示会のあとは、相手も自社の対応に追われているのかもしれません。これは仮説ですが、仕事を断られたわけではありません。返事がないだけです。
2回目の連絡は、新しい情報を理由にする
目安として、1〜2週間後に、話に出たテーマの新しい事例や情報を1つ添えて送ります。
先日、◯◯展でお話しした△△です。見積の作成についてのお話が気になり、最近まとめた事例がありましたので、お送りします。ご返信は不要です。
NG例は、こちらです。
先日のメールはご覧いただけましたか。
催促の形になり、相手に負担をかけやすいです。新しい情報があれば、理由が相手のためになります。
返事が来たら、次に会う理由を1つ残す
返事が来たとき、お礼に対するお礼の往復で終えてしまいがちです。そこで終わらせず、次の約束を自分から一文で置きます。
◯◯の件、資料ができたら改めてお送りします。
次に連絡する理由が先にあれば、次の連絡も出しやすくなります。
送る前のチェックリストと、今日やること
送信前チェック表(7項目)
| チェック | 確認すること |
|---|---|
| □ 件名 | 展示会名と名前が入っているか |
| □ 1行目 | どのブースの誰か分かるか |
| □ 会話の一点 | 相手の言葉で一点書けているか |
| □ 次の一歩 | 頼みごとではなく「渡すもの」になっているか |
| □ 日程 | 聞くなら、候補が2つあるか |
| □ 添付 | 1つまでか |
| □ 宛名 | 会社名・役職・名前に間違いがないか |
今日やれる形にする
今日やることは、次の3つです。
- 名刺をA・B・Cの3つに分ける
- Aのうち、一番話し込んだ1人を選ぶ
- その1人にだけ、今日、1通送る
全員分を完璧にしようとして止まるより、1通出すほうが先です。1通出せば、次の1通は書きやすくなります。
見積を送ったあとのメールなど、ほかの場面の例文は営業メールの例文まとめに置いています。展示会のお礼のあとに、次の仕事へつなげたいときの参考にしてください。
よくある質問
展示会のお礼メールはいつまでに送ればいいですか?
相手の記憶に会話が残っているうちに、翌日(営業日)までを目安に送ります。遅れた場合も、送らないよりは送るほうがよく、遅れたことを一言添えれば十分です。
展示会のお礼メールは一斉送信でもいいですか?
名刺だけ交換した相手なら文面を揃えてもよいですが、宛名と1行目は個別に書きます。話し込んだ相手には会話の一点を入れて1通ずつ送ります。まとめて送る場合は、アドレスが他の人に見えない送り方にします。
名刺交換しただけで、ほとんど話していない相手にも送るべきですか?
送ってよいです。立ち寄りのお礼と、自分が何の仕事をしているかを1行で書き、資料は1つだけにします。日程は聞きません。
お礼メールに返信が来ないときはどうすればいいですか?
断られたとは限りません。1〜2週間後を目安に、話に出たテーマの新しい情報を理由に2回目を送ります。「ご覧いただけましたか」と催促する書き方は避けます。
展示会のお礼メールの件名はどう書けばいいですか?
展示会名・ブースで話したこと・自分の名前(屋号)を入れ、開く前に誰からのメールか分かるようにします。「先日はありがとうございました」だけの件名は埋もれやすいです。
本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。