対面営業・商談

担当が変わるときの挨拶メール例文|引き継ぎで関係を切らさない

担当が変わるときの挨拶メール例文|引き継ぎで関係を切らさないのイメージイラスト

このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面

担当が変わると仕事が止まるのは、腕のせいではない

「担当が変わった途端に声がかからなくなった。結局あの人個人に気に入られていただけで、会社には自分の仕事が何も残っていなかった」——そう感じたことがあるなら、紹介待ち型かもしれません。

紹介待ち型がなぜ声がかからなくなるかを示す悪循環の因果関係図

紹介待ち型とは、いい仕事をすれば紹介は出ると思い込んでいる状態です。思い出してもらうための働きかけを、自分からはしていません。

腕が落ちたわけではありません。引き継ぎメモに自分の名前が残っていないだけです。新しい担当者は、渡された資料に載っていない取引先を「優先度不明」として後回しにしやすいです。

悪意はありません。単に、知らないから判断できないだけです。

だとすれば、切られたのではなく、まだ知られていないだけです。新しい担当者から見れば、記録の残っていない相手は実績ゼロの相手のように見えることがあります。同じ腕でも、記録に残っている相手のほうが安心して次の仕事を任せられます。

この記事でやることは一つです。担当が変わるタイミングで、一通のメールを出すこと。それだけです。

担当変更の挨拶メールは「前任者が先、後任があと」

担当変更のメールは、必ず前任者となる現在の担当者が送るのが原則です。後任がいきなり単独で最初のメールを送ると、相手は「知らない人から急に連絡が来た」と身構えます。前任者が先に一報を入れ、そのあとに後任が挨拶する。この順番を守るだけで、その違和感は消えます。

前任者が先に連絡し後任があとに続く正しい順番と後任単独送信のNG例を対比した図

送るタイミングも、思いつきで決めないほうがいいです。担当変更を伝えるタイミングをあらかじめ決めている会社もあるので、まずは上司に相談しましょう。会社に所属していれば、切替日・送付順・CCの範囲は事前にすり合わせておく話です。

会社に所属していて、担当変更の連絡がまだ来ていないのに取引先とのやり取りだけが止まっている、ということもあります。その場合は自己判断で先に動かず、まず自分の上司に「いつ・誰が連絡するか」を確認します。社内の手順と食い違う形で先に動くと、あとで調整が余計に増えます。

一人で仕事をしている場合は、自分自身が前任者にあたります。誰かに確認する必要はありませんが、「いつ・誰に・何を伝えるか」を決めてから送る、という手順自体は同じです。

後任がまだ決まっていない場合は、決まってから送ります。「後日あらためてご連絡いたします」と一言添えるだけにとどめ、後任の名前が未定のまま憶測で書かないようにします。

よくあるNG例は、後任が前置きなしに単独で初回メールを送ることです。前任者から一言もないまま、後任だけから「このたび担当になりました」と連絡が来ると、相手は戸惑います。前任者に何があったのか分からないまま、新しい相手と話すことになるからです。順番を守るだけで、この気まずさは避けられます。

迷ったときの判断基準はシンプルです。「この相手と最後にやり取りしたのは前任者か、後任か」を先に確認します。前任者が最後の窓口だったなら、次に動くのも前任者の番です。

そのまま使える例文3通(自分が引き継ぐ/後任が挨拶する/相手の担当が変わった)

角かっこの部分だけ差し替えれば、そのまま使える形にしています。3通の違いは、誰の信用を誰に渡すかだけです。

3通の例文がそれぞれ誰から誰に送るメールかを3列で比較した図

長く取引のある相手には、定型文をそのまま送るより一文添えるのがコツです。進行中の案件や過去のやり取りに触れると、事務連絡ではなく挨拶として受け取ってもらいやすくなります。初めて連絡する相手には、逆に前置きを短くして、いつ・誰が・何をするかを先に書きます。

例文① 自分が前任者として送る担当変更メール

件名:担当変更のご連絡([月]月[日]日より)

[取引先名] [担当者名]様

いつもお世話になっております。[自社名]の[自分の名前]です。

このたび[月]月[日]日をもちまして、[取引先名]様のご担当を[後任の名前]に引き継ぐこととなりましたのでご連絡いたします。

これまで大変お世話になり、ありがとうございました。(退職の場合は「在職中は」に置き換えると自然です) 後任の[後任の名前]より、あらためてご挨拶のご連絡をいたします。

進行中の[案件名]につきましては、[進捗の状態]まで進んでおり、引き継ぎ済みです。 ご不明な点がございましたら、切替日までは私までご連絡ください。

[自社名] [自分の名前] [連絡先]

例文② 後任が送る初回挨拶メール

件名:担当を引き継ぎました後任の名前

[取引先名] [担当者名]様

はじめまして。[自社名]の[後任の名前]と申します。 [前任者の名前]より、[取引先名]様のご担当を引き継ぎました。

[月]月[日]日以降のご連絡は私が窓口となります。 進行中の[案件名]につきましては、[前任者の名前]より[進捗の状態]まで引き継いでおります。

まずはご挨拶とご連絡まで。あらためて[方法]でご都合を伺えますと幸いです。

[自社名] [後任の名前] [連絡先]

例文③ 取引先の担当が変わったと知ったときに自分から出す一通

件名:ご担当変更の件、よろしくお願いいたします

[取引先名] [新担当者名]様

初めてご連絡いたします。[自社名]の[自分の名前]と申します。 [前任者名]様よりご担当が変わられたと伺い、ご連絡いたしました。

これまで[前任者名]様とは[取引内容・期間]でお取引をさせていただいておりました。 簡単ではございますが、これまでの経緯を下記にまとめております。

・これまでの納品:[件数・内容] ・対応できる範囲:[内容] ・ご連絡方法:[希望]

お手すきの際に、ご担当の範囲や進行中の案件について伺えますと幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。

[自社名] [自分の名前] [連絡先]

この例文③の返信をもっと詳しく知りたい方は、相手の担当者が変わったときのメール例文にまとめています。初回返信の書き方から、後任者に渡す引き継ぎ補助メモ、初回の顔合わせで聞くことまで、受け取る側の動き方だけを深掘りしています。

3通とも、角かっこを埋めたら一度声に出して読んでみます。長すぎる一文がないか、日付や名前の抜けがないかを確認できます。特に例文③は初めて連絡する相手宛てなので、丁寧さと簡潔さのバランスを崩さないようにします。書き出しは「初めてご連絡いたします」で十分で、長い自己紹介や会社案内を並べる必要はありません。

引き継ぎメールに必ず入れる6項目

例文①②のような前任者・後任からの引き継ぎメールには、次の6項目を入れておけば抜け漏れがありません。

  1. 変更日 — いつから窓口が変わるか
  2. 理由を一行 — 詳しく書かない(後述)
  3. 後任の名前と連絡先 — メール・電話の両方
  4. 進行中の案件 — 案件名といまどこまで進んでいるか
  5. 窓口の切替時期 — 「即日」か「◯月◯日まで並走」か
  6. お礼 — これまでの取引への一言

後任の名前と連絡先は、署名だけに頼らず本文中にも一度書きます。署名は他のメールと似た形式になりやすく、忙しい相手には読み飛ばされることがあるためです。

6項目を書く順番に決まりはありません。ただし、変更日→後任の名前→進行中の案件→窓口の切替時期→理由→お礼、の順に並べると読みやすくなります。相手は読みながら「いつ・誰が・何を」の疑問を順番に解消できるからです。

進行中の案件は、「案件名+いまどこまで」の形で書くと、後任も相手も状況をつかみやすくなります。「A社様向け提案資料、先方確認待ち」のように、名詞ではなく状態で書くということです。

窓口の切替時期は、「即日切替」と「一定期間の並走」のどちらかで決めます。並走期間を置く場合は、いつまで前任者に確認が取れるかを一行添えておくと、後任も相手も安心して連絡できます。

理由は一行で十分です。異動や退職の事情を詳しく書く必要はありません。「組織変更に伴い」「一身上の都合により」で足ります。詳しく書くほど、相手は事情を詮索したくなります。

NG例は、「今後ともよろしくお願いいたします」だけで終わる一通です。これでは誰が・いつから・何を引き継いだのか相手に伝わりません。

もう一つのNG例は、金額や条件の変更を同じメールに混ぜることです。担当変更の連絡と条件変更の連絡は、目的が違います。分けて送ったほうが、どちらも正確に伝わります。

取引先の担当が変わったとき、自分から出す一通

ここまでは自分が担当を渡す側の話でした。ですが、仕事が実際に切れやすいのは逆のケース、つまり取引先の担当が変わったときです。ここでは、取引先の担当が変わったときに自分から動く方法を解説します。

前任者からの引き継ぎを待っていると、声がかからなくなることがあります。新しい担当者は資料に載っていない取引先を「優先度不明」として後回しにしやすいです。だとすれば、待つのではなく、資料の代わりになるものを自分で作って渡すという手があります(例文③)。

取引先の担当が変わったと気づくきっかけはさまざまです。名刺交換の場だったり、自動返信メールの一文だったり、共通の知人からの一言だったりします。気づいた時点が、そのまま連絡を出すタイミングです。日を空けるほど、こちらの存在は新しい担当者の頭の中から遠くなります。

添えるとよいのは次の3点です。

  • 過去の納品一覧(件数・時期・内容)
  • 対応できる範囲(できること・できないこと)
  • 連絡方法の希望(メール中心か、電話も可か)

同時に、新担当に聞いておきたいことも3つあります。

  • 担当範囲(どこまでを一人で見ているか)
  • 進行中の案件(前任者から何を引き継いでいるか)
  • 連絡手段(どの方法を優先するか)

NG例は、前任者との思い出話を長く書いて本題が消えることです。感謝の一言は書いてかまいませんが、主役は「これから」の話です。思い出話が長いと、新担当は「で、結局何をお願いすればいいのか」が分からないまま読み終えることになります。迷ったときの判断基準は、「この一通を読み終えたあと、相手が次に何をすればいいか分かるか」です。

同じ時期に複数の取引先で担当が変わることもあります。その場合も一件ずつ、その取引先とのやり取りに合わせて内容を変えます。まとめて一斉送信すると、それ自体がやってはいけないことの一つになってしまいます。

送る前に決める3つと、やってはいけない4つ

送信ボタンを押す前に、次の3つを決めておきます。

  1. いつ出すか(切替日の何日前か)
  2. 誰の名前で出すか(前任者か、後任か、連名か)
  3. どこまで書くか(理由・案件名・金額をそれぞれ書くか)

連名で出す場合は、前任者の名前を先に、後任の名前をあとに書きます。名前を書く順番も、実は「誰が先に動くか」を表しています。

メール1通で済ませないほうがいい相手もいます。長く取引のある相手には、メールに加えて会う口実を一つ作っておくと、関係が切れにくくなります。

CCには後任を必ず入れておきます。ただし相手側の宛先を勝手に増やすのは避けます。相手の社内事情はこちらには分からないためです。

宛先とCCの書き分けにも意味があります。本文の宛先には当事者を、CCには社内の関係者を入れます。関係のない人まで一律にCCへ入れると、当事者に「他の人にも見られている」という圧力を与えてしまいます。

金額や納期の条件は、変更がなければあえて書きません。何も変わっていないなら、その旨を一言添えるだけで十分です。条件変更の相談は、担当変更の連絡が落ち着いてから、別のメールで行います。

やってはいけないことは4つです。

  • 一斉送信(BCCの一括送信で済ませる)
  • 理由の詳述(異動・退職の事情を長く書く)
  • 謝り続ける(「申し訳ございません」を何度も重ねる)
  • 日付をぼかす(「近日中に後任からご連絡いたします」ではなく「[月]月[日]日までに後任の[名前]よりご連絡いたします」のように書く)

どれも、相手を気遣っているつもりで、実際には相手を戸惑わせる書き方です。

送ったあとにやること(目安2週間〜)

メールを送って終わりにすると、そこでまた止まります。送ったあとの数週間で、次の4つをやっておきます。

メール送信後2週間で行う4つの行動を時系列で示したタイムライン図

  1. 後任と一度話す場を作る(15分でよい。オンラインでも可)
  2. 最初の依頼は小さく頼む(いきなり元の規模には戻さない)
  3. 返信がなければ、2週間後に一行だけ送る
  4. 顧客ごとに引き継ぎメモを残す(次に同じ場面で使い回せる)

15分でも声だけ話しておくと、メールだけのやり取りより次の依頼がしやすくなります。顔が見えない相手には頼みごとをしにくいと感じることがあるためです。

最初の依頼をいきなり元の規模に戻そうとすると、新しい担当者もこちらも様子見のまま時間が過ぎやすいです。小さく一度動いてから広げるほうが、結果として次につながりやすいという印象があります。

返信がないからといって何度も催促する必要はありません。2週間後に「その後いかがでしょうか。お手すきの際に一報いただけますと幸いです」のような一行で十分です。

2週間という区切りに厳密な意味があるわけではありません。ただ、月をまたぐ前に一度動いておくと、次の依頼のタイミングを逃しにくくなります。

引き継ぎメモは、凝った形式にする必要はありません。取引先名・担当が変わった日付・伝えた内容をメモ帳に一行残しておくだけでも、次に同じ場面が来たときに読み返せます。

顧客ごとに残す引き継ぎメモの考え方は、営業メールの例文集にまとめている型と同じです。

一度作れば、次の担当変更でも使い回せます。担当が変わるたびにいちから考える必要がなくなります。

よくある質問

担当変更の挨拶メールは前任者と後任のどちらが送りますか

前任者が先に送るのが原則。後任はそのあとに挨拶を出す

担当変更の連絡はいつ送ればいいですか

切替日より前。タイミングは先に決めておく。会社なら上司に相談する

担当変更の理由はどこまで書きますか

一行で十分。異動・退職の事情や社内の都合は書かない

取引先の担当者が変わったとき、こちらから連絡してもいいですか

出してよい。前任者の退任を知った時点で、過去の取引と対応範囲を添えて一通出す

一人で仕事をしていて後任がいない場合はどう書きますか

自分が前任者。窓口は変わらないことと、進行中の案件の状態を明記する

参照した情報源

  1. 担当変更の旨をメールで連絡する際の伝え方【メール文例付き】(サイボウズ株式会社(メールワイズ式 お役立ちコラム))・確認日 2026-09-11

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

無料プレゼント 対面営業の教科書