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このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
体験のあと「考えます」と帰った人に送るのは、入会のお願いではなく「決めるための材料」
体験レッスンのあとに送る入会の案内は、お願いの文ではなく、相手が決めるための材料を渡す文にします。入れるのは次の3つです。

- 当日の具体的な一場面を入れたお礼
- 決めるのに要る情報(料金・通える曜日と時間・始め方の手順)
- 返事の目安の日と、次の一歩
この3つがそろえば、相手は返事を書きやすくなります。メール全般の型は営業メール例文まとめにまとめてあるので、この記事は「体験のあと」の場面に絞って、そのまま使える文面で書きます。
「考えます」は断りの言葉とは限らない
体験のあとにその場で入会しなかった人がいると、講師や施術者は「中身がよくなかったんだ」「料金表を見て引かれた」と受け取りがちです。体験で満足してもらえなかったから、「考えます」と言って帰ったのだろう、と。
ただ、そうでない人も多いと私は見ています(あくまで仮説です)。家族に相談したい。通える曜日を確かめたい。続けられるか不安。ほかの教室とも比べたい。決めるのに必要なものが、その場でそろっていなかっただけ、という人です。体験の満足度と、その場で決めるかどうかは、別の話になっていることもあります。
返事を待つだけのメールでは止まる
「本日はありがとうございました。ご入会をお待ちしております」。そう1通だけ送って、あとは相手が決めるのを待つ。日が空いて、次に何を送ればいいのか分からなくなる。出したあとに何をすればいいかを習っていないので、こういう止まり方になります。私はこれを『相手の番型』と呼んでいます。「あとは相手の番」で手が止まる状態のことです。
返事が来ないのがつらいのではなく、料金を伝えたあとに黙られたのがつらい。そう感じている人は多いと思います。ただ、高いと思われたのではなく、決められないだけかもしれません。そう見ると、次に送るものが「お願い」から「材料」に変わります。
送るメールに入れるのは3つ
冒頭の3つを、もう少し具体的に書きます。
- ①当日の具体的な一場面を入れたお礼:「本日はありがとうございました」だけでは、誰に送っても同じ文です。その人の体験中の様子を1行入れます。
- ②決めるのに要る情報:料金、通える曜日と時間、始め方の手順。添付ファイルに任せず、本文に書きます。
- ③返事の目安の日と次の一歩:「いつまでに、何をすればいいか」が分かると、相手は後回しにしにくくなります。
そのまま使える入会案内メールの例文(体験の当日か翌日に送る1通目)
例文:件名と本文

送るのは、体験の当日か翌日です。これは出典のある数字ではなく、私の目安です。体験の印象が残っているうちに届くほうが、一場面を書いたときに相手が思い出しやすいからです。【】の部分を自分の教室の言葉に差し替えて使ってください。
件名:本日の体験レッスンのお礼と、始め方のご案内(【教室名】)
【お名前】様
本日は【教室名】の体験レッスンにお越しいただき、ありがとうございました。 【後半は肩の力が抜けて、呼吸が楽そうでしたね。】
始めるかどうかを決めるときに必要になりそうなことを、下にまとめました。
■料金:月【◯◯円】(【月◯回のレッスン・教材費を含みます】) ■曜日と時間:【火曜19時】か【土曜10時】から選べます ■そのほかにかかるもの:【入会金・道具代など。なければ「ありません」】
始めるときの手順は次のとおりです。
- 【このメールへの返信/申込フォーム】でお申し込みください
- 初回の持ち物は【動きやすい服装と飲み物】です
- 【初回日】から始まります
◯日ごろまでにお返事いただければ、◯月◯日のクラスから準備できます。見送る場合も、ひと言いただけると助かります。
ご不明な点は、このメールにそのままご返信ください。
【署名:教室名・名前・連絡先】
料金・曜日・そのほかの3行は、箇条書きにしておくと、家族にそのまま転送してもらえます。
当日の一場面を1行入れると、使い回しのメールに見えなくなる
一場面の例を挙げます。
- 「後半は肩の力が抜けて、呼吸が楽そうでしたね」
- 「最初の一枚より、三枚目の線のほうがのびのびしていました」
- 「帰りがけに『もう一回やってみたい』とおっしゃっていたのが印象に残っています」
体験の最中に、相手ごとにひと言メモしておくと、あとで探さずに済みます。私は、体験が終わった直後にスマホのメモに1行だけ残す手順にしています。
| 誰にでも送れる文面 | 一場面を入れた文面 | |
|---|---|---|
| お礼 | 本日はありがとうございました | 本日はありがとうございました。後半は肩の力が抜けていましたね |
| 受け取った側の印象 | 一斉送信かなと感じる | 自分のことを見ていたと分かる |
| 返事 | 読んで閉じてしまいやすい | 続きを読む理由ができる |
NG例:送らないほうがいい1通目
- 「ご入会をお待ちしております」だけで、料金も始め方も書いていない。 受け取った人は、返事をしたくても何を聞けばいいのか分からず、結局そのままになります。
- 料金表のPDFを添付しただけで、本文がない。 開く手間がかかるうえ、体験の話も出てこないので、事務連絡に見えてしまいます。
- 教室への思いを長く書いて、案内が最後の1行にしかない。 熱意は伝わっても、スマホで読む人は途中で止まりやすく、肝心の始め方まで届きません。
決めなかった理由に合わせて、1文だけ差し替える
理由別・差し替える1文の表
1通目の本文は変えずに、「決めなかった理由」に合わせて1文と添えるものだけを差し替えます。
| 決めなかった理由 | 差し替える1文 | 添えるもの |
|---|---|---|
| ①家族に相談したい | ご家族にそのまま見せられるよう、料金と曜日を下にまとめました | 転送しやすい短い案内 |
| ②通える曜日が分からない | 火曜と土曜のどちらでも、同じ内容で始められます | 時間割 |
| ③続けられるか不安 | 最初の1か月は、いまの体験と同じ内容から始めます | 初月の流れ |
| ④ほかの教室と比べたい | 比べていただいて大丈夫です。気になる点があればお答えします | 質問の受け口 |
| ⑤料金が気になる | 月の総額と、何が含まれているかを下に分けて書きました | 総額と内訳 |
表の1文は例です。曜日や初月の内容は、自分の教室で実際にそうなっているときだけ使い、違えば事実に合わせて書き換えてください。
理由を聞けていないときは、当てにいかずに並べる
理由が分からないまま1つに決めつけると、外れたときに「見当違いの案内」になります。そのときは、2つまで並べます。
もし曜日の都合が気になっていれば、火曜と土曜のどちらでも同じ内容で始められます。もしご家族との相談が必要でしたら、下の料金と曜日をそのままお見せください。
3つ以上並べると、読む側が自分のことを探す作業になるので、2つで止めます。
料金が理由に見えても、先に値引きを書かない
「入会金はいただきません」「初月は半額で」と、聞かれる前に書いてしまうのは避けます。安さを理由に入会した人は、あとで続けることの値打ちを感じにくくなることがあります。また、迷っていた理由が料金ではなかった場合は、何も解決しません。
値段を下げる前に、何が含まれているかを分けて見せます。「月の料金にレッスン、教材、振替が含まれます」のように、中身を見える形にするだけで、決めやすくなる人がいます。料金の考え方は一般論にとどめ、金額は教室ごとの事情で決めてください。
返事の期限は「急かす言葉」ではなく「相手が決めやすくなる日付」
期限を書けないまま、返事を待ち続けてしまう

急かしていると思われたくなくて、最後を「いつでもご連絡ください」で締める。やさしい文ですが、相手は後回しにできてしまいます。こちらも、次の連絡を出す理由がなくなります。気づくと、体験から2週間たって、いまさら何と送ればいいのか分からない。この流れは、期限を書かなかったところから始まっているのかもしれません。
期限に理由をつける例文
期限は、相手のためにある理由をつけて書くと、急かす文になりません。
- 「◯月◯日のクラスから始める場合は、◯日までにお返事いただければ、教材をそろえておけます」
- 「土曜の枠は少人数で組んでいるので、◯日までにお返事いただけると席を確保できます」
2つ目は、実際に少人数で組んでいるときだけ書いてください。事実でない理由は、書かないほうがいいです。
NG例:根拠のない圧をかける言葉
「お早めに」「残りわずか」「期間限定」を、実際の枠の数や事情がないのに書くのは避けます。受け取る側には、そういう言葉は見抜かれやすいものです。信頼を削るだけで、決める材料にはなりません。期限を書くなら、日付と理由をセットにします。
返事がないときの2通目と、区切りの3通目
2通目の例文(1通目から数日後が目安)

間隔は、私は1通目から4〜5日あけています。出典のある数字ではなく、私の実務上のやり方です。中身は催促ではなく、追加の材料を1つと、返事しやすい問いかけを1つ入れます。
件名:体験レッスンのあと、初回の流れをお送りします(【教室名】)
【お名前】様
先日はお越しいただきありがとうございました。 体験のあとによくいただくご質問が、初回の流れでしたので、下にまとめました。
【初回の流れ:受付→着替え→基本の動きの確認→帰りの10分で次回の予定を決める】
曜日だけでも、合いそうなほうを教えていただけますか。 火曜か土曜か、ひと言いただければ、そこから先はこちらで進めます。
【署名】
「入会しますか」と聞かずに、曜日という答えやすい問いにしているのがポイントです。
3通目で区切る例文
件名:体験レッスンのご案内は、これで最後にします(【教室名】)
【お名前】様
先日の体験のあと、何度かご案内を送りました。 今回は見送りでも、まったく問題ありません。 またやってみたくなったときは、このメールに返信いただければご案内します。
【署名】
断りの返事を出しやすくすると、かえって返事が来ることがある、というのが私の見方です(仮説です)。返事がなくても、こちらで区切りがつきます。待ち続けて止まる状態から、抜けられます。
区切ったあとは、案内の種類を変える
4通目以降に、入会の案内を続けることはしません。切り替えるのは、季節の講座や発表会の知らせなど、年に数回の案内です。切り替える前に、一度だけ確かめます。
季節の講座や発表会のお知らせを、年に数回お送りしてもよろしいでしょうか。不要でしたら、そのままで大丈夫です。
体験の最後の5分で聞いておくと、メールが書きやすくなる
帰り際に聞くひと言
- 「もし始めるとしたら、いちばん気になるのはどこですか」
- 「ご家族と相談されますか」
答えを聞けば、先の表のどの1文を使うかが決まります。これは売り込みではなく、あとで送る案内を相手に合わせるための質問です。
次の日程の候補を、その場で1つだけ出す
「始めるなら、来月の第1火曜のクラスがちょうど区切りがいいです」と、候補を1つだけ口に出しておきます。メールでは、その日付をくり返すだけで済みます。いくつも並べると選ぶ負担が増えるので、1つにします。
NG例:最後の5分でやりがちなこと
- その場で入会の書類を出す。 決めるための材料がそろっていない人には重く、断る側の気まずさだけが残ります。
- 何も聞かずに「また連絡します」で送り出す。 メールに書くことが、お礼以外になくなります。
送る前のチェックリストと、今日やること
送る前の7項目
- □ 当日の一場面が1行入っている
- □ 料金・曜日・始め方の3つが本文に書いてある(添付だけにしていない)
- □ 決めなかった理由に合わせた1文が入っている
- □ 返事の目安の日と、その日にした理由がある
- □ 見送りの返事を出しやすいひと言がある
- □ 値引きや、根拠のない「残りわずか」を書いていない
- □ スマホで読んで、1画面半におさまる
今日やること
直近の体験者を1人だけ思い出し、その人の当日の一場面を1行書いてください。そこに先ほどの例文をつなげて、1通目を送ります。体験者がまだいない場合は、例文の【】を自分の教室の言葉で埋めて保存しておくだけでも、次に体験者が来た日に慌てません。
よくある質問
体験レッスンのあと、入会案内のメールはいつ送ればいいですか?
私の目安は、当日か翌日です。体験の印象が残っているうちに、当日の一場面を入れて送ります。根拠のある数字ではなく、実務上の目安です。
体験のあと返事がない人に、何回まで連絡していいですか?
私は3通で区切っています。3通目は「見送りでも問題ありません」と書いて返事しやすくし、そのあとは季節の案内などに切り替えます。
入会を迷っている人に、割引や入会金無料を伝えたほうがいいですか?
聞かれる前には書きません。迷う理由は料金とは限らないので、まず料金に何が含まれているかと始め方を分けて伝えます。
「考えます」と言われたら、脈なしということですか?
そうとは限りません。家族への相談や曜日の確認など、決める材料がその場でそろっていなかっただけの人も多いと私は見ています(仮説です)。材料を渡すメールを1通送ります。
入会案内はメールとLINEのどちらで送るべきですか?
体験の申し込みで相手が使った連絡手段に合わせます。LINEの場合は1通目を短くし、料金と曜日だけ先に送ります。
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