対面営業・商談
紹介された相手への初回メール例文|紹介者の顔を立てる書き方
このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
紹介された相手への初回メールは、自分の説明を短くするほど通る
「ちゃんとした人だと証明しなきゃ」で長くなる(実績並べ型かもしれません)

紹介をもらった直後、メールがどんどん長くなることがあります。実績並べ型かもしれません。分かってもらおうと実績や経歴を足し続け、読む人が自分を重ねる場面がない書き方です。
長くなるのは、礼儀を尽くそうとしているからではありません。「紹介してもらった以上、ちゃんとした人だと証明しないと、紹介者の顔をつぶしてしまう」——そう感じている人もいるかもしれません。
相手が見ているのは、紹介者を大事にしているかと、返事の書きやすさ
最初のメールで相手が見ているのは、実績の量ではありません。紹介者を大事にしているかどうかと、返事が書きやすいかどうかの2つです。長い自己紹介は、後者を確実に損ないます。何から返信すればいいか分からないメールに、人はすぐ返事を書けません。
初回メールの中身は「誰の紹介か・短い名乗り・次の一手」の3つで足りる
初回メールの中身は、次の3つで足ります。
- 誰の紹介か(紹介者名と経緯)
- 短い名乗り(2〜3行)
- 次の一手(会う提案や質問ひとつ)
実績は書きません。詰め込むほど、相手は自分を重ねられなくなります。実績を書きたくなったときの置き換え方は、後の章で扱います。
NG例:肩書と実績が7行続いたあと、最後の1行に紹介者の名前が出てくるメール。相手は紹介者との関係にたどり着く前に、7行の自己PRを読まされることになります。
直し例はこうなります。1行目に「田中様よりご紹介いただきました」、2〜4行目に短い名乗り、5行目以降に会う提案を書くだけです。実績欄はまるごと削ります。同じ人物・同じ経歴でも、出す順番を変えるだけで、相手が最初に受け取る印象は大きく変わります。
特に独立してから日が浅い人ほど、「変な人を紹介した」と紹介者に思われたくない気持ちが強く、経歴を厚くしがちです。気持ちとしては自然なものですが、相手に伝わるのは経歴の厚さではなく、返信のしやすさです。
そのまま使える初回メール例文(状況別3パターン)
件名は「◯◯様よりご紹介いただき、ご連絡いたしました【屋号・氏名】」の型が基本です。1行目に紹介者名と経緯を置き、「ご縁を頂戴し感謝」の一文は短く添えます。本文は10行以内。1通目で売り込み・料金・実績一覧は書きません。

以下の例文の「田中様」「◯◯(屋号)」「△△」「□□」はすべて仮の名前・仮の業種です。自分の状況に合わせて置き換えて使ってください。
紹介者から相手に話が通っている場合
件名:田中様よりご紹介いただき、ご連絡いたしました【屋号・氏名】
田中様
はじめまして。◯◯(屋号)の△△と申します。 田中様よりご紹介いただき、ご連絡いたしました。このようなご縁をいただき、ありがたく思っております。
普段は□□の仕事をしております。
もしよろしければ、一度30分ほどお時間をいただき、ご挨拶を兼ねてお話しできればと思います。来週でご都合のよい日はございますでしょうか。
何卒よろしくお願いいたします。
紹介者に「連絡していいよ」と言われただけで、相手はまだ知らない場合
話が通っていない場合は、1行目に経緯を一文足します。
田中様
はじめまして。◯◯(屋号)の△△と申します。 田中様より、ご連絡してみてはとお声がけいただきました。突然のご連絡となり失礼いたします。
普段は□□の仕事をしております。
ご迷惑でなければ、一度ご挨拶させていただけないでしょうか。お手すきのタイミングで結構です。
相手から先に連絡が来て、こちらが返信する場合
田中様
ご連絡いただきありがとうございます。◯◯(屋号)の△△です。 田中様からもお話をうかがっておりました。ご連絡いただき嬉しく思います。
◯◯様のお話、ぜひ詳しくうかがいたいです。今週か来週で、30分ほどお時間をいただけるタイミングはございますか。
いずれのパターンも、実績の列挙はありません。次の一手(会う提案・質問)で終えています。3つのパターンの違いは、経緯の書き方だけです。
| パターン | 経緯の書き方 | 相手に伝わること |
|---|---|---|
| 話が通っている | 「ご紹介いただき、ご連絡いたしました」 | もう了承済みだと分かる |
| 話が通っていない | 「お声がけいただきました」 | まだ承諾段階だと分かる |
| 相手から先に連絡 | 「ご連絡いただきありがとうございます」 | 話がすでに進んでいる前提だと分かる |
3つのパターンに共通しているのは、名乗りが「屋号名+仕事の分野」の2〜3行で止まっていることです。詳しい経歴は、聞かれてから話せば足ります。また、話が通っている場合は「ご紹介いただき、ご連絡いたしました」で経緯が伝わりますが、話が通っていない場合に同じ言い方をすると、相手は「もう了承した前提なのか」と戸惑います。まだ承諾段階であることが伝わるよう、「お声がけいただきました」のような言い方に変えるのがポイントです。ここを混同すると、相手は誰から何を聞いている前提で返信すればいいのか分からなくなります。
件名と最初の3行で決まる:紹介者の名前をどこに置くか
件名に紹介者名を入れる理由(知らない差出人でも開かれる)

件名の型は大きく2種類あります。
| 型 | 件名例 | 出典 |
|---|---|---|
| ご挨拶型 | お取引に際してのご挨拶【屋号・氏名】 | |
| 紹介明記型 | ◯◯社からのご紹介です【屋号・氏名】 |
相手の受信箱では、知らない差出人のメールは後回しにされがちです。件名に紹介者の名前が入っていれば、「知り合いの紹介」だと分かり、開かれる理由になります。
使い分けの目安は、相手の業種や普段のやり取りの雰囲気です。士業や中小企業の経営者など、紹介という言葉に慣れている相手には紹介明記型がまっすぐ伝わります。デザイナーやライター同士のようにカジュアルなやり取りが多い相手には、ご挨拶型のほうが柔らかい印象になります。どちらか迷ったら、紹介明記型を選んでおけば大きく外すことはありません。
1行目は「誰から」「なぜ」を先に。自己紹介は2番目
| 順番 | 内容 |
|---|---|
| 1行目 | 紹介者の名前 |
| 2行目 | 紹介を受けた経緯 |
| 3行目 | 自分の名乗り |
NG例:自分の肩書から入り、紹介者が5行目に出てくる
◯◯株式会社の△△と申します。◇◇の分野で長く実績を積んでまいりました。……(中略)……田中様よりご紹介いただきました。
直し例:
田中様よりご紹介いただきました、◯◯(屋号)の△△と申します。◇◇の仕事をしております。もしよろしければ、一度ご挨拶を兼ねてお話しできればと思います。
紹介者を1行目に出すだけで、相手は「知り合いの紹介だ」と分かった状態で残りを読めます。読む前の身構え方が変わるので、同じ文章量でも受け取られ方が変わります。営業メール全般の型は営業メールの書き方にまとめています。
紹介者の顔を立てる3つの手当ては、メールの外にある
紹介は2人ではなく3人の関係です。メールは、紹介者にも読まれている前提で書きます。顔を立てるとは、相手を持ち上げることではありません。送る前の一報、本文の順番、送った後の報告——この3か所で、紹介者が「紹介してよかった」と思える動きを作ることです。

送る前:紹介者に「◯日に連絡します」と一報を入れる
送る前の一報で、話が通っているか、相手が何を期待しているかを確認できます。「田中様、ご紹介いただいた◯◯様に、明日ご連絡してみます」の一文で足ります。
話がまだ通っていない場合は、一報の内容も変わります。「田中様、先日お話しいただいた◯◯様に、来週ご連絡してみようと思います。差し支えなければ、簡単にで結構ですので、どんな状況かだけ教えていただけますか」のように、相手の状況を先に聞いておくと、本文の書き方も合わせやすくなります。
本文中:紹介者の呼び方と、紹介者から聞いた話の扱い方
本文で紹介者を呼び捨てにしません。「◯◯さん」で統一し、紹介者と自分だけに分かる内輪ネタは書きません。
NG例:本文中に「田中さんとはよく飲みに行く仲で」のような、紹介者との関係性を強調する一文を入れてしまうケース。相手からすると、自分の用件より紹介者との関係の話をされている印象になります。
送った後:紹介者に「連絡しました」と報告する
NG例:紹介者に何も言わず送り、相手から紹介者に「連絡来たよ」と伝わって気まずくなるケース。
報告の一文例:「ご紹介ありがとうございました。本日ご連絡いたしました。」
実績を書きたくなったときの置き換え方
書いていいのは「紹介者から聞いた相手の状況」に関係することだけ
判断表:
| 内容 | 扱い |
|---|---|
| 紹介の経緯に関係する実績1件 | 残す |
| 関係のない実績・受賞歴 | 削る |
| 料金・詳細な提案内容 | 会ってから |
NG例:自己紹介で受賞歴・取引先を列挙し、相手の話が一文もないメール。証明したい気持ちの置き場は、会ったときです。1通目は会う口実を作るだけで十分です。
実績の代わりに「相手の状況への一言」を置く
「◯◯の実績があります」ではなく、「田中様から、△△でお困りと伺いました」に置き換えます。相手は自分の状況の話をされる方が、次の返信を書きやすくなります。残す実績1件も、証明する書き方ではなく、相手の話につなげる書き方に変えます。「◯◯の実績があります」ではなく「以前オフィス移転に関わった経験があり、今回のようなご相談にも慣れております」のように、あくまで相手の状況に触れる形にします。
URLを貼るなら1本まで。添付ファイルは1通目に付けません。
たとえば、紹介の経緯が「オフィスを移転するので、内装を頼める人を探している」だった場合、残していい実績は「オフィス移転に関わった経験がある」の1件だけです。それ以外の、店舗改装や個人宅の実績は、この場面では削ります。会う前に見せる情報は、相手が探している用件に関係するものだけに絞ります。
送った後の動き方:返事が来ないとき・来たとき
返事が来なくても、紹介者経由で催促しない
数日待って、それでも無ければ自分から短い再送を送ります。紹介者に「返事が来ないんですが」と伝えるのは避けます。紹介者に借りを作る形になります。
田中様よりご紹介いただいた◯◯(屋号)の△△です。先日ご連絡させていただいたのですが、お忙しいところかと思い、念のため再度ご連絡いたしました。お手すきの際にご返信いただけますと幸いです。
返事が来たら、次の一手は「会う日程」を1つだけ出す
候補日を2〜3つ出し、場所・所要時間を先に書きます。決めるのは相手なので、選択肢を増やしすぎないことがポイントです。
断り気味の返事への締め方(紹介者に迷惑をかけない)
断られたら「ご縁があればまた」で締めます。
このたびはご丁寧にご返信いただきありがとうございました。またの機会がございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
紹介者にも結果を一言伝えます。返事が来ない=嫌われた、ではなく、忙しいだけの場合が多いと置いておいて構いません。
送る前の7項目チェック
送信ボタンを押す前に、次の7項目を上から順に確認します。時間にして1分もかかりません。
件名と1〜3行目の確認(紹介者名・経緯・名乗り)
| チェック項目 | NG例 |
|---|---|
| 件名に紹介者名が入っている | 件名が「はじめまして」だけ |
| 1行目に紹介の経緯がある | いきなり自己紹介から始まる |
| 名乗りは2〜3行に収めている | 経歴が延々と続く |
長さと中身の確認(10行以内・実績なし・次の一手あり)
| チェック項目 | NG例 |
|---|---|
| 本文は10行以内 | 画面いっぱいに文章が続く |
| 実績の列挙がない | 受賞歴・取引先を並べている |
| 次の一手が1つ明記されている | 「よろしくお願いします」で終わる |
紹介者への一報と報告の確認
| チェック項目 | NG例 |
|---|---|
| 紹介者への一報が済んでいる | 送った後に紹介者から連絡が来て気づく |
チェックが終わったら、今日やる最小行動はひとつです。紹介者に「◯日に連絡します」と一報を入れることから始めてください。この一報さえ入れておけば、あとの文面が多少ぎこちなくても、紹介者との関係は壊れません。
実績を削ることは、自分を安く見せることではありません。紹介者の顔は、経歴の厚さではなく、送る前の一報・本文の順番・送った後の報告という、送り方の丁寧さで立ちます。
よくある質問
紹介された相手に初めてメールを送るとき、件名はどう書けばいいですか?
件名に紹介者名を入れる。「◯◯様よりご紹介いただき、ご連絡いたしました【屋号・氏名】」の型が基本
紹介者から相手にまだ話が通っていない場合は、どう書き出せばいいですか?
1行目に「◯◯さんから連絡を勧められた」と経緯を一文足す。相手が状況を知らない前提で、用件は会う口実だけに絞る
紹介された相手にメールを送ったあと、紹介者にも連絡したほうがいいですか?
送る前に「◯日に連絡します」、送った後に「連絡しました」の2回。紹介者が状況を把握できる状態を作るのが顔を立てること
初回メールに実績やポートフォリオのURLを付けてもいいですか?
紹介の経緯に関係する1件だけ。URLは1本まで、添付は付けない。実績の証明は会ったときに回す
紹介された相手から返事が来ないとき、催促してもいいですか?
自分から短い再送は可。紹介者経由の催促はしない。それでも無ければ紹介者にお礼だけ報告して締める
参照した情報源
- 「初めまして」の挨拶メール、ビジネスでの書き方・文例とマナー(メールワイズ式 お役立ちコラム(サイボウズ株式会社))・確認日 2026-09-11
- 【例文】初めての相手に送る挨拶メールの書き方!マナーや注意点、言い換え例(CANVAS(マイナビ))・確認日 2026-09-11
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