対面営業・商談
催促メールの2通目|1通目に返事がないときの書き方
このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
返事がないのは、断られたからではない
期日を過ぎて3日。返信も反応もない画面を、もう何度も開いています。「送り方が悪かったのか」「もっと丁寧に書けばよかったのか」と、文面を読み返してしまう時間です。
でも、返事が来ないのは、送り方が失礼だったからではありません。多くの場合、相手の受信箱の中で1通目が下に流れただけです。受信量の多い相手ほど下に流れやすく、見落としだったというケースもあります。
このとき頭の中で起きているのは、「催促していいのか分からない」という迷いではなく、「催促した自分が図々しく見えるのが嫌だ」という判決かもしれません。高いと思われたのではなく、まだ決められないだけかもしれないのに、です。相手の番型(出したあとに何をすればいいか習っていないので、「あとは相手の番」で止まってしまう型)に近い状態です。
たとえば「催促したら、この人とはもう仕事がやりづらくなるかもしれない」と考えて、結局もう1日待ってしまう。これも同じ型の中で起きていることです。
この型から抜ける最初の一歩はシンプルです。2通目を「催促」ではなく「情報の再送」として送ること。相手を責める文章ではなく、相手が見落としていた1通目をもう一度、見える場所に置き直すだけの文章にする。この記事はその書き方を、送る側の作法ではなく受け手の受信箱の中から組み立てます。
2通目を送るタイミング(期日の3日後の午前中)
催促には段階があります。期日を過ぎたら、まず期日の翌日に1通目の催促を送ります。この記事が扱う2通目は、その1通目にも反応がなかったときに送る、いわば催促としては2回目のメールです。

1通目の催促に反応がなかった場合は期日の3日後の午前中、再設定した期日を過ぎてしまった場合はその翌日午前中を目安に、2通目を送るとよいとされています。
なぜ午前中なのか。相手が受信箱を上から順に処理する時間帯に、自分のメールを上に載せるためです。夕方に送ると、翌朝には他のメールに埋もれて、また下から数えたほうが早い場所にいます。
1通目の催促を出した当日や翌日に2通目を重ねるのは避けます。相手が動くための時間を確保していないと、催促ではなく監視になってしまいます。相手からすれば「まだ1日しか経ってないのに」という反応になり、関係が悪くなるリスクのほうが大きいです。
逆に1週間空けるのもよくありません。案件が相手の中で「終わった話」になってしまい、2通目が蒸し返しとして届きます。期日から3日という間隔は、忘れられる前に、かつ急かしすぎない、そのちょうど真ん中です。
よくあるNG行動は、期日から3日待てずに電話をかけ、その日のうちにメールも送り、翌日にはチャットでも聞いてしまうパターンです。送っている本人は「念のため複数のルートで」のつもりでも、相手には3倍の督促に見えます。窓口を増やすほど催促は強くなる、と覚えておくとブレません。
送る曜日にも注意します。金曜の夕方に送ると、相手が確認できるのは週明けの月曜、しかも週明けは他のメールも溜まっています。期日から3日後の午前中を計算するときは、間に土日が挟まらない日を選ぶと、狙った効果が出やすくなります。
件名を変える(同じ件名で送ると2通目も埋まる)
タイミングを合わせても、件名が「Re:Re:」のままだと意味がありません。相手の受信箱では1通目と同じ見た目になり、同じように読み飛ばされます。
件名に入れるのは3つです。用件、期日、アクション。たとえば「【9/17まで】お見積書のご確認のお願い(再送)」。これだけで、開かなくても何をすればいいかが分かります。
「再送」「再度のご連絡」という言葉を件名に入れる効果は、相手に「1通目を見落としていた」と気づかせられることです。責める言葉を使わずに、事実だけを伝えられます。
やってしまいがちなNG例は、「【至急】」「【重要】」だけを件名につけるパターンです。これは相手の優先順位を、こちらが勝手に決めてしまう形になります。しかも件名だけでは何の用件か分からないので、開くまでの心理的なハードルはむしろ上がります。
本文の冒頭には、1通目を送った日付を書いておきます。「9/10にお送りした件で」の一文があるだけで、相手は検索窓に日付を入れて元のメールをすぐ引けます。探させないことが、返信までの時間を短くします。
2通目の本文テンプレート(そのまま使える3パターン)
骨格は共通です。①行き違いのお詫び ②1通目の要約(1〜2文で再掲) ③期日 ④相手の手間を減らす一文。この4つを順番に並べるだけで、どの場面でも組み立てられます。

パターンA 見積・提案の返事待ち
件名:【9/17まで】お見積書のご確認のお願い(再送)
○○様
お世話になっております。○○の△△です。 9/10にお送りしたお見積書について、9/14にも一度ご連絡した件、行き違いでしたら申し訳ありません。念のため再度ご連絡いたします。
ご検討にあたって、金額や仕様面で不明点や気になる点がございましたら、いつでもご一報ください。判断材料が足りない場合はすぐに追加でご用意いたします。
恐れ入りますが、9/17までにご意向だけでもお聞かせいただけますと幸いです。
ポイントは「返事をください」ではなく「判断に足りない情報はないか」を聞く形にしていることです。返事がないのは金額への迷いではなく、比較材料が足りていないだけの場合もあります。
パターンB 資料・書類の提出待ち
件名:【9/17まで】ご提出書類のお願い(再送・資料添付)
○○様
お世話になっております。9/10にお送りした書類の件、ご多用のところ恐れ入りますが、念のため資料を添付のうえ再度ご連絡いたします。
ご確認いただき、9/17までにご返送いただけますでしょうか。ご不明点があれば、その部分だけお知らせいただければ対応いたします。
添付ファイルは1通目に付けていても、2通目にも必ず付け直します。相手にメールを探させないことのほうが、返信の早さに直結します。
パターンC 日程調整の返事待ち
件名:【候補日再送】○○の打ち合わせ日程について
○○様
お世話になっております。9/10にご案内した日程の件、行き違いでしたら申し訳ありません。
恐れ入りますが、下記いずれかでご都合はいかがでしょうか。 ・9/17(木)10:00〜 ・9/18(金)14:00〜 ・9/24(木)終日
上記でご都合が合わない場合は、ご都合のよい候補日を1つお知らせいただけますと幸いです。
1通目で出した候補日は、たいてい2通目を送る頃には過ぎています。同じ候補日を使い回さず、新しい日程を出し直します。
クッション言葉は場面で使い分けます。「行き違いでしたら申し訳ありません」は相手の落ち度を前提にしないための一言、「ご多用のところ恐れ入りますが」は依頼そのものへの一言、「念のためご連絡いたしました」は催促色を薄めるための一言です。3つとも入れると重くなるので、1通に1〜2個までにします。
受け手はこう読んでいる(送る側が見えていないこと)
催促メールを受け取った側の頭の中は、送った側が想像しているものとだいぶ違います。「催促された」ではなく、「あ、忘れてた」がいちばん多い反応だと私は思います。

相手が返信できていない理由として、次の3つがよくあります。
- 社内で決めきれていない
- 担当が変わっていて引き継ぎが済んでいない
- 内容には問題ないが、返信の優先順位が下がって後回しになっている
社内で決めきれていない場合は、担当者一人の判断ではなく上司や他部署の確認待ちになっていることが多く、担当者自身も「催促されても困る」状態です。担当が変わっている場合は、引き継ぎのメールを読み返す時間が必要で、返信が遅れて当然の状況です。優先順位が下がっているだけの場合は、内容に不満があるわけではなく、単に目の前の別件が先に処理されているだけです。
どれも、送り手の失礼が原因ではありません。だから、謝りすぎた2通目は逆効果になることがあります。
「たびたび申し訳ございません。お忙しいところ本当に恐縮ですが、何度もご連絡してしまい申し訳ございません」と3行も謝ると、相手は「そんなに大ごとにする話だったのか」と身構えて、かえって返しにくくなります。これは1行で十分です。「行き違いでしたら申し訳ありません。」
返信のハードルを下げる工夫もあります。
- 「はい/いいえ」で答えられる形にする
- 選択肢は2つまでに絞る
- 「一言だけいただければ大丈夫です」と書き添える
相手が返信にかけなければいけない時間を、頭の中で1分以内に見積もれる形にすることが目的です。
2通目で書いてはいけない5つ
送信前に、この5つが入っていないか読み返してください。どれも一つひとつは小さな言葉ですが、積み重なると「この人は急いでいる」「この人は自信がなさそう」という印象を相手に与えてしまいます。
①「まだでしょうか」 相手の落ち度を前提にした言い方です。「ご確認いただけますでしょうか」に置き換えます。
②値下げや条件の譲歩を自分から足す 返事がないのは金額のせいだと決めつけた形になります。聞かれてもいないのに自分から下げるのは、下げることが誠実さだと思い込んでいるだけかもしれません。返事がない理由はまだ分かっていません。
③「今週中にお返事がなければ、この件は見送りとさせていただきます」 期限を切ること自体は悪くありません。ただ、この切り方は最後通告に近く、相手を追い詰めます。「今週中にご都合が分かりましたら幸いです。難しければ来週以降でも構いません」くらいの余白を残すほうが、結果的に返信は早く来ます。
④1通目の文面をそのままコピペ 相手には同じ文章が2回届き、それがまた読み飛ばす理由になります。1通目の要約は1〜2文に圧縮し、新しい情報(添付の再送、候補日の更新など)を必ず1つ足します。
⑤感情の混入 「残念ですが」「がっかりしています」といった言葉は、事実と依頼だけで組むべき文章にノイズを混ぜます。2通目は感情を伝える場ではなく、情報を届け直す場です。
3通目まで来たら、メールを離れる
2通目にも返事がない場合は、経験上は3日〜1週間ほど間を空けて、3通目を送ります。ただしここで内容を切り替えます。催促ではなく、クローズの確認にします。
文面はこうです。「本件、いったん止めておきます。再開のご予定が立ちましたら、いつでもご連絡ください。」相手が返しやすい形で、いったん終わらせるための一文です。
電話に切り替えるかどうかの基準は、納期・支払い・契約など、期日が動かせないものかどうかです。返事待ちの提案や見積もりを電話で追いかけるのはおすすめしません。書面で判断したい相手のペースを崩すことになります。
窓口を担当者から上長に変える判断も同じで、期日が過ぎたことによる実害が出ている場合に限ります。単なる返事待ちの段階でこれをやると、担当者との関係そのものが切れてしまうことがあります。
返事が来ないまま終わった相手を、「終わり」にする必要はありません。3か月後に近況の連絡を送るだけで、また案件が動き出すこともあります。ここで関係を切ってしまうと、断られたらその相手は終わりだと思い込み、次の接点を作れないままになってしまいます。
3通目を送った案件は、いつ誰に何を送ったかを一覧にしておくと、3か月後の近況連絡を送るタイミングを逃しません。エクセルやメモアプリに1行残すだけで十分です。
次から1通目で終わらせるための書き方
2通目が必要になる1通目には、共通点があります。

- 期日が書いていない
- 依頼が複数まとまっている
- 相手が何をすればいいか、一文で分からない
依頼が複数まとまっている1通目もよくあります。「見積もりのご確認と、次回打ち合わせの日程調整をお願いします」と1通に2つ入れると、相手はどちらから手をつければいいか迷い、結局どちらも後回しになります。依頼は1通に1つ、が基本です。
1通目に入れておきたいのは次の4点です。
- 期日(日付と曜日)
- 依頼は1つに絞る
- 所要時間の目安(「5分ほどでご確認いただけます」)
- 返信方法の指定(メール返信でよいのか、フォームなのか)
悪い1通目は、こう書きがちです。「先日お伝えした件、いくつか確認いただきたい点がございますので、ご都合のよいときにご確認いただけますと幸いです。」何を、いつまでに、どう返せばいいのか、どれも分かりません。
良い1通目は、こう書きます。「添付のお見積書について、9/11(金)までにご意向をお聞かせください。ご確認は5分ほどで完了します。本メールへの返信で構いません。」期日、所要時間、返信方法の3つが入っています。
送りっぱなしにしない仕組みも作っておきます。送信と同時に、期日から3日後の午前中にカレンダーで確認予定を入れておく。忘れないための仕組みを自分の外に置くことで、連絡が後ろに回るのを防げます。
この習慣は、目の前の仕事に押されて連絡が後ろに回り、日が空くほど出しづらくなる事態の予防にもなります。日が空くほど送りづらくなる構造そのものを、最初から断っておく形です。
営業のメール文面をどう組み立てるかは、対面営業のメール文例集にまとめています。催促メール以外の場面でも、同じ考え方(期日・依頼を1つに・所要時間・返信方法)が使えます。
よくある質問
催促メールの2回目はいつ送ればいいですか?
1回目の催促に反応がなかった場合は期日の3日後の午前中、再設定した期日を過ぎた場合はその翌日午前中が目安です。相手が受信箱を上から処理する時間帯に載せるため、夕方ではなく午前中に送ります。
2回目の催促メールの件名はどう書きますか?
Re:のまま送ると1通目と同じ見た目になり、また埋もれます。用件+期日+「再送」を入れた件名に変えます。「【至急】」だけの件名は内容が分からず逆効果です。
催促メールで「まだでしょうか」と書いてもいいですか?
避けたほうがいい言い方です。相手の落ち度を前提にした言い方になります。「ご確認いただけますでしょうか」「行き違いでしたら申し訳ありません」と、事実と依頼だけで組みます。
2回目にも返事がないときはどうしますか?
3通目は催促ではなくクローズの確認に切り替えます。「いったん止めておきます。再開のご予定が立ちましたらご連絡ください」と相手が返しやすい形で終わらせます。電話に切り替えるのは納期・支払い・契約など期日が動かせない場合に限ります。
催促メールに添付ファイルは付け直すべきですか?
付け直します。1通目に付けていても、相手にメールを探させない方が返信は早くなります。本文には1通目を送った日付も書き、相手が経緯をすぐ追えるようにします。
参照した情報源
- 催促メールの上手な書き方(サイボウズ株式会社(メールワイズ式 お役立ちコラム))・確認日 2026-09-10
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