対面営業・商談
名刺交換のお礼に返信が来たら|返信の返信を送る基準とNGパターン
このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面
返信の返信は「続けたい相手にだけ、1回・短く」送る
名刺交換のお礼メールを送ったら、相手から返信が来た。ここまでは多くの人がうまくやれています。迷うのはそのあとです。もう一度返すべきか、それとも「ご丁寧にありがとうございます」で終わったものとして扱っていいのか。

お礼メールの書き方自体や件名・送るタイミングは名刺交換のお礼メールの例文と返信を参照していただくとして、本記事は返信が来た後、返信の返信をすべきかどうかの判断基準に絞ります。
結論はシンプルです。関係を続けたい相手であれば、返信の返信は1回だけ、短く送ります。「ご返信には及びません」と添えて往復を閉じます(候補日を尋ねる場合はこの結び方をしません。理由は後述します)。続けなくてよい相手であれば、無理に返す必要はありません。
名刺止まり型かもしれません。交換したところで終わっていて、次に会う口実の作り方を知らない型です。返信するかどうかで迷うのは、マナーを知らないからではなく、ここで動かなければ名刺止まり型のまま終わる自分を、また一つ証明してしまう気がするからかもしれません。もう一度短い返信を送ったところで、名刺止まり型が確定するわけではありません。続けたいと思ったその一歩が、名刺止まり型から抜ける動きです。
相手の返信の中身によって対応が変わるのに、それを整理せずに毎回一から考えているから、迷いが生まれます。次の章で、相手の返信の中身ごとに機械的に判断できる基準を示します。
送るか・送らないかは相手の返信の中身で決める(判断表)
返信の返信を送るかどうかは、感覚で決めなくて大丈夫です。相手の返信に何が書かれていたかで、機械的に決まります。
| 相手の返信の中身 | 送る/送らない | 何を書くか |
|---|---|---|
| 「ご丁寧にありがとうございます」だけ | 送らなくてもよい | 続けたいなら1回だけ送り、次の話を1つ入れる |
| 質問が入っている | 必ず送る | お礼は一言、すぐ答えを書く |
| 「今度ぜひ」「また機会があれば」がある | 必ず送る | 具体的な候補日を出す |
| 「返信不要です」とある | 送らない | 次の連絡は別の用件で出す |
この4パターンのどれに当たるかを最初に確認するだけで、書くかどうかで悩む時間がなくなります。
質問が入っている場合は、お礼は一言、すぐ答える
相手が「御社の対応エリアはどちらまでですか」のように何か聞いてきたら、必ず返します。このとき、お礼は一言にとどめ、すぐに答えを書きます。「ありがとうございます。〇〇についてですが、〇〇です」の順です。答えを後回しにすると、相手は自分の質問がどこにあるのか探すことになり、読みにくくなります。
文面にすると、次のような形になります。
〇〇様
ご返信ありがとうございます。ご質問いただいた対応エリアについてですが、現在は都内近郊に対応しております。
またお目にかかれる機会がありましたら幸いです。
お礼の言葉を挟んでから答えに入るまでを2行以内に収めるのが目安です。
「ご丁寧に」だけの返信にはどうするか
送らなくても失礼にはなりません。ただ、何もしないと、ここでやりとりが止まります。続けたい相手であれば、送るときは短く、相手の返信で出てきた言葉を1つ拾って書くだけで十分です。長い文章にする必要はありません。
文例はこうです。
〇〇様
ご丁寧なご返信をありがとうございます。ご返信にあった〇〇のお話、大変勉強になりました。
またどこかでお目にかかれるのを楽しみにしております。
相手の返信にあった言葉を1つ拾って返すだけで、定型文らしさが消えます。
「今度ぜひ」は社交辞令かどうか見分けなくていい
社交辞令なのか本気なのか、見分けようとして手が止まる人が多いですが、見分ける必要はありません。候補日を2つ出して、相手に選んでもらえばいいだけです。都合が合わなければ相手がそう返すだけで、こちらが失うものは何もありません。「もし社交辞令だったら気まずい」と考えて何も送らないより、候補日を出して確かめるほうが、結局は早く進みます。
ここで1つ例外があります。候補日を尋ねる文面は、相手からの回答が必要な内容です。「ご返信には及びません」では締めず、「ご都合のよい日をお知らせいただけますと幸いです」のように、回答を促す一言で結びます。
候補日を出す文面はこうです。
〇〇様
「今度ぜひ」とのお言葉、うれしく思います。もしよろしければ、来月〇〇日か〇〇日で30分ほどお時間をいただけないでしょうか。
ご都合のよい日をお知らせいただけますと幸いです。
候補日は2つで十分です。3つ以上出すと、相手が選ぶ手間が増えます。
相手が「返信不要」と書いてきたら、そこで止める
無理に返すと、相手に「また返さないと」という手間をかけさせてしまいます。ここは素直に受け取って、往復を止めます。次の連絡は2〜4週間ほどあけて、別の用件(相手に関係する情報や近況)で出します。「返信不要です」は、相手が忙しい、あるいはこのやりとりをここで区切りたいという意思表示です。ここで無理に食い下がっても、印象にはつながりにくいです。
返信の返信は「気づいたその日」に送る
返信の返信は、時間が経つほど書きにくくなります。相手の返信を読んだ日のうちに、短くてもいいので返すのがやりやすい進め方です。

一晩置くと「今さら返すのも変だろうか」というためらいが出てきます。そのためらいのまま数日が過ぎ、結局送らないまま終わるパターンが多いと感じます。迷う時間があるなら、その時間で1〜2行の返信を書いたほうが早く片づきます。
もし出しそびれて日が空いてしまっても、送らないよりは送るほうがいい。この場合は「先日はご返信ありがとうございました」から書き始めれば、間が空いたことに触れなくても不自然にはなりません。
件名は変えなくていい。変えるのは話が日程に進んだとき
返信の返信では、件名を変える必要はありません。「Re:」がついたままで自然です。件名を変えると、相手が受信トレイでスレッドを見つけにくくなることがあります。

例外は、候補日のやりとりが進んで、日程調整そのものが本題になったときです。「Re: 名刺交換のお礼」のまま日程の話を続けると、あとで見返すときに探しにくくなります。日程がある程度固まってきたら、「〇〇様とのお打ち合わせ日程について」のように件名を変えたほうが、双方にとって管理しやすくなります。件名を変えるときは、本文の書き出しに「件名を変更してご連絡しております」と一言添えると、相手が受信トレイで見失いません。
やりがちなNG:往復が止まらない・逆に終わらせすぎる
| NG文 | 何がまずいか | 直した文 |
|---|---|---|
| 「いえいえこちらこそ」と返し続ける | 何度も続くと相手の負担になりやすい | 「ご返信には及びません」で自分の番で閉じる |
| 料金表や資料を添付する | 相手との温度差が出る | 資料は相手が聞いてきてから送る |
| 「今後ともよろしくお願いいたします」だけで締める | 次の話が何もなく、そこで切れる | 次に会う話を1行だけ加える |
往復が止まらないNG
「こちらこそありがとうございます」に対して「いえいえこちらこそ」と返し続けるパターンです。何度も続くと、相手にとっては負担になりやすいです。自分が送る返信の返信に「ご返信には及びません」の一文を入れて、そこで閉じます。相手より先に閉じる側になったほうが、印象はよくなりやすいです。ただし、候補日を尋ねるなど相手の回答が必要な内容を書いた場合は「ご返信には及びません」は使いません。回答を促す一言に差し替えます。
直す前と直した後を並べると、違いがはっきりします。
| 直す前 | 直した後 |
|---|---|
| 「いえいえ、こちらこそありがとうございます」 | 「ご丁寧に恐れ入ります。ご返信には及びませんので、どうぞお気遣いなく」 |
「ご返信には及びません」の一言があるだけで、相手は返す義務から解放されます。
いきなり売り込むNG
返信の返信に料金表や資料を添付したり、長い自己紹介を書き込んだりするパターンです。相手はまだ「名刺交換のお礼」のつもりでいるので、そこで温度差が生まれます。相手が「お仕事の内容、詳しく教えてください」と書いてもいないのに資料を送ると、急に距離が近づいたように感じさせてしまいます。「弊社のサービス資料を添付いたします。ぜひご検討ください」といった一文を返信の返信に入れるのはやりすぎです。資料や料金の話は、相手が聞いてきてから送れば十分です。
終わらせすぎるNG
「今後ともよろしくお願いいたします」だけで締めて、次の話が何もないパターンです。感じは悪くありませんが、ここでやりとりが切れます。名刺交換のあと関係が止まるよくある形は、これだと思います。次の話を1行足すだけで、この文面は変わります。丁寧さを削る必要はなく、最後に1行付け加えるだけで十分です。
同じ文面を複数の相手に使い回してもいいか
名刺交換のお礼が重なった週は、返信の返信も何通か重なります。骨格を使い回すこと自体は問題ありません。挨拶と結びの型は同じでかまいません。

ただし、相手の返信で拾った言葉の部分だけは、必ずその人の文面に合わせて差し替えます。「勉強になりました」「対応エリア」「〇〇日のご提案」といった、相手固有の言葉が入っていない返信は、コピペだと一目で伝わってしまいます。骨格は共通でよくても、拾う言葉は毎回変える。これだけ守れば、まとめて処理しても雑には見えません。
差し替える箇所を先に洗い出してから書き始めると、抜け漏れが減ります。相手の名前、拾う言葉、候補日を出す場合はその日付。この3つを最初にメモしておき、型に当てはめる順番で書くと、まとめて処理していても1通ずつ丁寧に見えます。
まとめ:迷ったら判断表とNGだけ見直す
返信の返信で悩む場面はそれほど多くありません。相手の返信が「質問」「今度ぜひ」「ご丁寧に」「返信不要」のどれに当たるかを確認し、NGの3パターンに当てはまっていないかを見直せば十分です。
出しそびれて日が空いてしまった場合も、送らないより送るほうがいい。「先日はご返信ありがとうございました」から始めれば不自然にはなりません。
そのまま使える例文や、お礼メールを送るタイミング・件名の書き方まで含めた全体像は、名刺交換のお礼メールの例文と返信にまとめています。営業メール全体の型は営業メール例文のまとめを参照してください。
よくある質問
名刺交換のお礼メールに返信が来たら、さらに返信するべきですか?
必須ではないが、関係を続けたい相手なら1回だけ短く返す。「ご返信には及びません」と添えて往復を閉じ、次に会う話を1つ入れる。
返信の返信はどこでやめればいいですか?
自分が送る返信の返信で終える。「ご返信には及びません」と一文入れれば、相手も返さなくてよいと分かる。何度も続けると相手の負担になりやすい。
相手が「今度ぜひ」と書いてきたのは社交辞令ですか?
見分ける必要はない。候補日を2つ出して相手に選んでもらえばよい。都合が合わなければ相手がそう返すだけで、失うものはない。
返信の返信で仕事の話や資料を送ってもいいですか?
資料や料金の話は相手が聞いてきてから。返信の返信では相手の話題を1つ拾い、次に会う口実を軽く置く程度にとどめる。
返信の返信を出しそびれて日が空いてしまいました。今から送っても大丈夫ですか?
送ってよい。「先日はご返信ありがとうございました」から始めれば不自然にならない。短い文面で今日出すほうが、何もしないより関係は続く。
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