対面営業・商談

協業の提案メール例文|一緒に仕事をしたい相手に、最初に送る一通

このシリーズの全体像 営業メールの例文集|場面別に、そのまま使える文面

協業の提案メールは「組みませんか」ではなく「一度お話しできませんか」で送る

下書きを書いては消す夜

相手のサイトや作品を見て、「この人と一緒にやれたら」と思う。メールを開いて、件名に「業務提携のご提案」と打つ。自己紹介を3段落書いたところで手が止まり、下書き保存のまま何日も経つ。

この場面で止まっている原因は、文章力ではありません。一通目で何をどこまで頼んでよいのか、線が引けていないことです。線さえ引ければ、メールは短く書けます。

一通目で頼む量が大きすぎると、頼むこと自体が重くなる

まだ一緒に仕事をしたことがない相手に「組みませんか」と送ったら、仕事に困っている人だと思われるのではないか。そう考えて手が止まる場面があります。

ただ、重くなっている理由は別のところにあると私は見ています。一通目で「協業する・しない」まで決めてもらおうとしているので、送る側も受ける側も重くなるのです。会ったこともない人から「組むか組まないか」の答えを求められたら、受け手は返事の書きようがありません。

まだ仕事をしたことのない相手に、仕事の話を切り出せない。教科書ではこれを「切り出せない型」と呼んでいます。抜け方は、話を切り出す量を小さくすることです。「協業しませんか」を「30分、お話しできませんか」に変えるだけで、送る側の肩の荷はかなり軽くなります。

一通目の役目は「30分話す約束」をもらうことだけ

協業の中身を決めるのは、会って話してからです。一通目の役目は、その30分をもらうことだけにします。先に結論を置くと、小さく頼めば立場は対等のままです。

大きく頼む一通小さく頼む一通
件名業務提携のご提案◯◯さんの△△を拝見し、一度お話しできればと思いご連絡しました
頼みごと協業の可否、取り分の話オンラインで30分、お互いの仕事の紹介だけ
自己紹介経歴と実績を長く自分ができることを1行
結びご検討のほどよろしくお願いしますお忙しければ返信は不要です
受け手の気持ち営業された、答えを迫られた会って話すくらいなら、と思える

小さく頼む一通は、仕事が欲しくて声をかけてきた人にも、上から頼んでいる人にも見えにくくなります。「一度、顔を合わせて話しませんか」という、対等な誘いだからです。

メール全般の型を先に確認したい方は、営業メール全般の型はこちらにまとめています。

そのまま使える協業の提案メール例文(基本形)

件名の例3本

件名は、開く前に用件が分かるものにします。

  • 「◯◯さんの△△を拝見し、一度お話しできればと思いご連絡しました」
  • 「(写真撮影の◯◯)制作の進め方について30分ほどお話しできませんか」
  • 「◯◯さんのお客様向けの制作で、お手伝いできることがあるかもしれません」

避けたいのは次の2つです。

  • 「業務提携のご提案」
  • 「協業のお願い」

どちらも大きく構えた言葉で、売り込みに見えやすく、開かれにくい件名です。

本文の全文例(◯◯は差し替え用)

デザイナーが、Web制作会社の代表に送る想定です。

件名:◯◯さんの△△を拝見し、一度お話しできればと思いご連絡しました

◯◯株式会社 ◯◯様

はじめてご連絡します。デザイナーの□□と申します。個人で、小規模な事業者さま向けにロゴとチラシの制作をしています。

◯◯様の制作事例のうち、△△のサイトが、更新のしやすさまで考えて作られているのが印象に残りました。

私にできるのは、ロゴやチラシなど、サイトの外で使う素材づくりです。

もし◯◯様のお客様で、サイトの制作に合わせてロゴやチラシも必要になる方がいれば、その部分をお任せいただける形があるかもしれないと考えています。

そこで、◯月中のどこかで30分ほど、オンラインでお互いの仕事の紹介だけさせていただけませんか。何かを決める場ではなく、お客様像が合うかどうかを話せればと思っています。

お忙しければ、このメールへの返信は不要です。

□□(氏名) 実績ページ:https://〜

スマホの画面1〜2枚で読み終わる長さです。実績は一覧にせず、ページへのリンク1本にとどめます。見たい人だけが見ればよいからです。

例文を6つの部品に分けた表

部品役目書く量の目安入れてはいけないもの
①名乗り誰からのメールかを伝える1〜2文経歴の年表、長い肩書き
②なぜこの人か数ある相手の中から選んだ理由1〜2文「いつも拝見しています」だけの一文
③自分ができること相手が役割をイメージできる1行実績一覧、取引先の羅列
④相手側に増えるもの相手のお客さんに何が増えるか1〜2文「Win-Win」「相乗効果」だけの一言
⑤小さな頼みごと返事の書き方を決める1文協業の可否、取り分、料金
⑥断りやすい一言相手の負担を下げる1文「ぜひ前向きにご検討を」のような押し

⑥の例は、「お忙しければ、このメールへの返信は不要です」です。ほかに「ご都合が合わなければ、そのままで大丈夫です」でも構いません。断りやすくしておくと、受け手は気負わずに返事を書けます。

相手別の書き換え例――同業・隣の業種・一度会っただけの人

基本形は同じまま、書き換える場所は一つに絞れます。

同業者に送る場合

忙しいときに仕事を回し合える関係を作りたい場面です。書き換えるのは「相手側に増えるもの」の部分だけです。

手が回らない時期の受け先として、お互いの名前を知っておけたらと思っています。

避けたい書き方は、次のような一文です。

案件をご紹介いただけませんか。

一通目で一方的に頼む形になり、受け手には「自分に何の得があるのか」が見えません。お互いの名前を知っておく、という置き方なら、頼みごとは30分話すことのままです。

隣の業種に送る場合

デザイナーとカメラマン、税理士と社労士のように、お客さんが重なる相手です。ここでは、相手のお客さんに何が増えるかを1文で書きます。

◯◯さんのお客様で、撮影のあとにチラシまで必要になる方がいれば、そこをお手伝いできます。

「うちと組むとあなたの売上が増えます」という書き方は避けます。増えるのは相手のお客さんの助かる場面である、という形のほうが、受け手は自分の仕事の延長として読めます。

交流会で名刺交換しただけの相手に送る場合

最初の1文に、どこで会ったかと、そのとき聞いた話を1つ入れます。

先日の◯◯交流会でお会いした□□です。◯◯様が、△△のお客様が多いとお話しされていたのが印象に残っています。

日が空いていても、空いたことを謝りすぎないのがコツです。「先日は」で始めて、言い訳は足しません。「ご連絡が遅くなり申し訳ありません」を長く書くほど、受け手はその分だけ読む手間が増えます。一度謝るなら一文で足ります。

受け取った側はここで読むのをやめる――よくあるNG3つと直し方

受け取る側の目で見ると、読むのをやめやすい場所があります。

NG1:自己紹介と実績から始まる

◯◯と申します。大学卒業後、△△社に入社し、長年デザイナーとして勤務したのち独立しました。主な取引先は□□社、◇◇社、☆☆社などです。

3行読んでも、受け手には自分に何の関係があるのか分かりません。直すときは、始まりを相手の話にします。

はじめてご連絡します。◯◯様の△△の事例を拝見し、一度お話しできればと思いご連絡しました。小規模な事業者さま向けにロゴとチラシを作っているデザイナーです。

経歴や取引先は、リンク先に置けば十分です。

NG2:「何か一緒にできれば」で終わっている

何か一緒にできることがあれば、ぜひよろしくお願いします。

何を頼まれているのか分からないので、受け手は返事の書きようがなく、後回しにしやすくなります。頼みごとは1つに決めて書きます。

◯月中のどこかで30分、オンラインでお話しできませんか。

NG3:相手のメリットが「Win-Winの関係」の一言だけ

言葉が大きいほど、中身がないように読まれます。具体的な一場面で書き直します。

◯◯様のお客様が、サイトの制作からチラシまで一度に頼めるようになります。

「なぜあなたに送ったのか」と「相手の得」の書き方

相手の発信や作品から、具体的に1つ拾う

手順は3つです。

  1. 相手のサイト、SNS、制作事例を見る
  2. いちばん引っかかった1点をメモする
  3. その1点だけを1文で書く

「いつも拝見しています」は、誰にでも書けるので伝わりません。次のように書き換えます。

◯◯の事例で、△△まで考えて作られていたのが印象に残りました。

たくさん褒める必要はありません。1点が具体的であれば、きちんと見てから送ったことは伝わります。

相手の得は「相手のお客さんに何が増えるか」で書く

自分が仕事を増やしたい話ではなく、相手のお客さんが助かる話として書くと、頼む立場にならずに済みます。

書き換え前書き換え後
仕事を紹介していただけると助かります◯◯様のお客様が、撮影のあとにチラシまで一度に頼めるようになります
一緒にやれば売上が伸びると思いますお客様から「ロゴも作れる人はいませんか」と聞かれたときの受け先になれます

できないこと・まだないものは書かない

盛った一通は、会って話す場で見抜かれやすくなります。盛らない分だけ、あとで気楽に話せます。実績が少ないなら、そのまま書きます。

まだ実績は多くありませんが、ロゴとチラシの制作ならお手伝いできます。

実績の量よりも、何ができるかが1行で分かること、そして相手のお客さんに何が増えるかが具体的であることのほうが、受け手には伝わります。

送ったあと――返事がないとき・断られたときの一通

返事がないときは、1〜2週間ほどあけて1回だけ送り直す

返事が来ないのは、断られたからとは限りません。忙しくて埋もれていることもあります。1〜2週間ほどあけて、短く1回だけ送り直します。

先日お送りしたメールが埋もれていたらと思い、もう一度だけお送りします。ご都合が合わなければ、そのままで大丈夫です。

何度も送りません。再送は1回で区切り、それ以降は相手からの動きを待ちます。

断られたときの返し方

お礼、断りを受け入れる一言、次につながる一文の順で書きます。

ご返信ありがとうございます。承知しました。お忙しい中、お読みいただきありがとうございました。また何か作ったときに、ご報告させてください。

言い訳や食い下がりは書きません。きれいに引くと、あとで別の形で声がかかることもあります。

頼まずに近況を伝えるだけでもいい

「協業の提案は、まだ早い」と感じる相手もいます。その場合は協業の話をいったん置き、新しく出した作品や仕事の報告を短く送るだけで十分です。

先日、◯◯の制作を担当しました。△△の点で工夫したので、よろしければご覧ください。お返事は不要です。

頼むのはまだ早いと感じる相手には、こちらから近況を伝え始めてもいい、というのが私の考えです。会ったあとの関係は、こうした小さなやりとりの積み重ねで作られます。

送る前のチェックリストと、今日やること

送信前チェックリスト(8項目)

  • ①件名で用件が分かる
  • ②最初の2文に「なぜあなたか」がある
  • ③自己紹介は3行以内
  • ④頼みごとは1つ(30分話す、など)
  • ⑤相手のお客さんに増えるものが具体的に書かれている
  • ⑥取り分・料金の話を一通目に入れていない
  • ⑦断りやすい一言がある
  • ⑧スマホの画面1〜2枚で読み終わる

取り分や契約、税金の扱いは、会って話してから決める内容です。個別の判断は、専門家に相談してください。

今日やることは1つ

一緒に仕事をしたい相手を1人だけ選びます。その人の作品や発信から、引っかかった1点をメモして、件名だけ書いてみてください。本文は、上の例文の穴埋めで構いません。今日は送らなくてもいいので、件名まで書いておくと、次に開いたときに続きから進められます。

よくある質問

面識のない相手に協業の提案メールを突然送るのは失礼ですか?

頼みごとを「30分話す」程度に小さくし、なぜその人に送ったのかを具体的に1文書き、断りやすい一言を添えれば、失礼にはなりにくいです。失礼に見えやすいのは、いきなり大きな頼みごとをする一通です。

協業の提案メールの件名は何と書けばいいですか?

「業務提携のご提案」より、相手の名前と用件が分かる件名にします。例:「◯◯さんの△△を拝見し、一度お話しできればと思いご連絡しました」。

最初のメールで報酬や取り分の話を書くべきですか?

書きません。一通目の役目は、話す約束をもらうことだけです。条件の話は、会ってお互いにやれることが分かってからにします。契約や税の個別判断は、専門家に相談してください。

協業の提案メールに返事が来ないときはどうすればいいですか?

1〜2週間ほどあけて、1回だけ短く送り直します。「ご都合が合わなければ、そのままで大丈夫です」と添え、それ以上は送りません。

実績が少なくても協業を提案していいですか?

いいです。できることを1行で正直に書き、ないものは盛りません。相手のお客さんに何が増えるかを具体的に書ければ、実績の量よりも伝わります。

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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