対面営業・商談
「今回は見送り」と言われた瞬間の返し方|対面・電話のとっさの一言とチャット即レス
このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか
「今回は見送り」と言われたら、まずこの一言で十分
商談の最後、資料を片付けながら「検討させていただきましたが、今回は見送らせていただきます」と言われたら、返す言葉は一つで足ります。
「承知いたしました。ご検討いただき、ありがとうございました。またぜひよろしくお願いいたします。」
これを、相手の目を見て言い切ってください。理由を問い詰めたり、その場で言い訳を挟んだりする必要はありません。長い言葉を探そうとするほど間が空いて、かえって気まずさが増します。
この記事では、対面・電話・チャットそれぞれの場面での返し方と、その場でやってはいけない振る舞いをまとめます。見積を出したあとに届く正式な失注メールへの返信の書き方は別に扱っていて、失注メールの例文にまとめてあります。対面・電話でその場に見送りと言われたあと、当日〜翌営業日に送るフォローメールの文例は仕事を断られたときの返信例文にまとめてあります。ここで扱うのは、その手前、口頭で言われた瞬間にその場でどう返すかだけです。
なぜ、その場で言葉に詰まるのか
「今回は見送り」と言われた瞬間に言葉に詰まるのは、言い方を知らないからではありません。心の中で「今回はダメだったか」と結論を急いで出してしまい、その動揺が声のトーンや表情にそのまま出るからです。
相手はその変化を見て、こちらの機嫌を伺うように気を使い始めます。断られた事実そのものより、この一瞬の動揺のほうが、相手との距離を作っているのかもしれません。
「見送り」は「今回」の判断であって、あなたの値打ちの点数ではありません。相手も「今回は」と言っています。その言葉は、そのまま受け取っていいはずです。次回の商談や、別の案件で声がかかる余地は、この一言の返し方次第で変わります。
営業まで一人でこなしていると、見送りの返事を「自分の伝え方が悪かった」と直結させてしまいがちです。ですが実際には、予算のタイミングや社内の決裁順といった、話し方とは関係のない理由で決まっていることも少なくありません。
ありがちなのは、「見送り」を聞いた瞬間に頭の中で「どこが悪かったのか」を探し始めてしまうパターンです。原因探しは大事な作業ですが、それはその場でやることではありません。その場で考え込むと、返事が遅れて沈黙が生まれ、相手はますます気を使います。原因を振り返るのは、商談が終わって一人になってからで十分です。
理由がはっきりしている場合は「他社にお願いすることにしました」への返信、返事そのものが来ないまま終わった商談には返事がないまま音信不通になった商談へのお礼メール例文も参考にしてください。見送りへの対応は、断られたあとに起きる営業の一工程です。仕事を切らさない営業の全体設計は対面営業の始め方にまとめています。
場面ごとの返し方の目安
対面・電話・チャットでは、返す言葉の長さもタイミングも変わります。まず全体の目安です。
| 場面 | 返す一言の目安 | タイミング |
|---|---|---|
| 対面 | 「承知いたしました。ご検討いただき、ありがとうございました。」 | その場ですぐ |
| 電話 | 同じ一言を、いつもの声のトーンで | 通話中にすぐ |
| オンライン商談(画面越し) | 対面と同じ一言。表情が伝わりにくい分、口角を上げて言い切る | その場ですぐ |
| チャット・LINE | 「ご検討いただきありがとうございました。承知いたしました。」 | 数十分〜数時間以内 |
画面越しの商談は、対面よりも一瞬の間が気まずく感じられがちです。返答までの沈黙の扱い方はオンライン打ち合わせの進め方でも扱っていますので、あわせて見ておくと安心です。
チャット・LINEだけ時間の幅が広いのは、その場で声を出す必要がないからです。届いた直後に長文を打とうとすると、かえって不自然に力の入った文面になります。少し間を置いて、短く返すほうが自然に読まれます。
対面・電話でそのまま言える一言
対面や電話で言われたときは、書き言葉のような長さは要りません。3秒で言い切れる長さが目安です。
基本形
「承知いたしました。ご検討いただき、ありがとうございました。またぜひよろしくお願いいたします。」
これだけで十分です。資料をしまいながらでも、相手の目を見て言い切ってください。
理由を伝えられた場合
「〇〇の点、承知いたしました。またお声がけいただけると嬉しいです。」
理由を伝えられなかった場合
「承知いたしました。ありがとうございました。」
一言のあとに、軽く会釈をするだけで十分です。無理に言葉を足す必要はありません。
複数人が同席している場合
決裁者以外の担当者も同席している商談では、決裁者だけでなく同席者にも目を向けて一言添えると、次回の窓口が残ります。「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。またの機会にぜひよろしくお願いいたします。」
長い付き合いのある取引先の場合
初対面の見込み客とは違い、これまで何度もやり取りしている相手なら、少し砕けた一言でも構いません。「今回は残念でしたが、また次の機会にぜひ声をかけてください。」
初めて商談した見込み客の場合
面識の浅い相手には、次につながる含みを残しすぎないほうが自然です。基本形の一言だけで十分で、無理に「また声をかけてください」と付け加える必要はありません。丁寧に区切りをつけることが、かえって次の印象を良くします。
紹介で来た相手の場合
誰かの紹介で始まった商談なら、一言に加えて「ご紹介いただいた〇〇さんにもお礼をお伝えします」と添えておくと、紹介してくれた相手との関係も保てます。
言葉が一瞬出てこなかったとき
先に言葉が出てこなくても、慌てる必要はありません。「あ、」と声が漏れても、そのまま「承知いたしました」と続ければ、不自然には聞こえません。無言の間が2〜3秒空いても、相手はそこまで気にしていません。
電話の場合は表情が伝わらない分、いつもの声のトーンを保つことだけを意識してください。語尾を落としすぎると、不満に受け取られることがあります。
「承知いたしました。今回はありがとうございました。また機会がありましたら、ぜひよろしくお願いいたします。」
チャット・LINEで届いたときの即レス
チャットやLINEで「今回は見送らせていただきます」と届いた場合、メールのような長い構成は要りません。1〜2行で、届いてから数十分から数時間以内に返すのが自然です。
基本形
「ご検討いただきありがとうございました。承知いたしました。またよろしくお願いいたします。」
理由が添えられていた場合
「〇〇の点、承知いたしました。またタイミングが合えばぜひよろしくお願いいたします。」
返信が遅れた場合
その日のうちに気づかず、翌日になってしまったときは、遅れたことに触れず、そのまま返して構いません。「ご連絡ありがとうございました。承知いたしました。またよろしくお願いいたします。」と、届いたときと同じ調子で返せば十分です。
スタンプだけで済ませたくなる相手でも、一言だけ文字で返しておくと、次に連絡しやすくなります。
その場でやってはいけない振る舞い
文面のNGフレーズと言い換えは失注メールの例文の言い換え表にまとめてあります。ここでは、その場の振る舞いで避けたいものを挙げます。
- 沈黙を埋めようと早口で謝り続ける。一呼吸置いて短く返すほうが落ち着いて見えます
- 目をそらして小さい声で「あ、はい…」とだけ言う。一言でいいので相手の目を見て言い切ってください
- その場で理由を問い詰める。相手を困らせるだけでなく、その場の空気も重くなります。聞きたい場合は日を改めて短く聞きます
- その場で値下げを口にする。「今の金額でよければ」と口が滑ると、その場の判断を覆すことになり、相手も困ります
- 「次は絶対に」と先の約束を言い切る。守れるか分からない約束は、次に会うときの負担になります
- 見送りの返事を受けて、その場で表情を曇らせたまま次の話題に移る。区切りをつけてから話を切り替えてください
- 同席者がいる前で、決裁者だけに向けて不満げな態度を見せる。同席者は次回以降の窓口になる相手でもあります
- 帰り際に「またお願いします」を何度も繰り返す。一度伝えれば十分で、繰り返すとかえって必死な印象になります
見送られたあとに、次へつなげておきたいこと
一言を返して終わりではなく、次の機会のために手元に残しておきたいことが三つあります。
一つ目は、見送りの理由です。理由を教えてもらえた場合は、商談の記録やメモに一行でいいので書き残してください。次に同じ相手に会うとき、この一行が話のきっかけになります。
二つ目は、次に連絡していいタイミングの見立てです。予算の都合であれば次の期の頭、担当者の異動であれば新しい担当者が落ち着いた頃など、相手の事情に合わせて大まかな時期を頭に置いておきます。これは相手との約束ではなく、自分の中でのメモです。無理に相手へ伝える必要はありません。
三つ目は、記録の残し方です。専用のツールを用意する必要はありません。スプレッドシートやメモアプリに、相手の名前・見送りの理由・次に連絡する時期の三つを一行で残しておくだけで十分です。
「今回は見送り」は関係の終わりではなく、次のタイミングを待つ状態です。この一手間が、半年後や一年後の再提案につながります。
次の時期を残したい人へ
その場で終えたあと、日を置いてから「次の時期」を一言残すメールを送りたい場合もあります。その書き方とタイミングは失注メールの例文で扱っています。この記事で決めるのは、その手前、言われた瞬間にどう返すか、だけです。
よくある質問
対面や電話で「今回は見送り」と言われたら、その場で何を言えばいいですか?
「承知いたしました。ご検討いただき、ありがとうございました。」の一言で十分です。理由を聞いたり、その場で言い訳を挟んだりする必要はありません。
チャットやLINEで見送りの連絡が来たら、いつまでに返せばいいですか?
届いてから数十分から数時間以内が目安です。メールのような長い文章は不要で、1〜2行で「承知いたしました」と伝えるだけで足ります。
その場で見送りの理由を聞いてもいいですか?
その場で問い詰めるのは避けたほうがいいです。相手を困らせてしまいます。聞きたい場合は日を改めて、短く一問だけ聞きます。
対面で言われて言葉が出てこなかった場合、あとからフォローは必要ですか?
必要であれば、日を改めて短いメールで補えば十分です。文面での書き方は失注メールの例文の記事を参考にしてください。
電話で見送りを伝えられたとき、声のトーンで気をつけることはありますか?
表情が伝わらない分、いつもの声のトーンを保つことだけを意識すれば十分です。語尾を落としすぎると、不満に受け取られることがあります。
参照した情報源
- 【文例】ビジネスメールの正しい返信、マナーと書き方(サイボウズ株式会社(メールワイズ式))・確認日 2026-09-20
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