対面営業・商談

プログラミング教室の集客|大手と比べられる前に、個人教室が選ばれる理由の伝え方

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

個人のプログラミング教室が大手に負けるのは、実績が少ないからではない

保護者は教室の実力ではなく「うちの子がここでどうなるか」を見ている

「プログラミング教室 集客」で検索する個人教室の先生の多くが、大手との実績差を埋めようとしています。検定合格者の数、対応言語の幅、講師の経歴。足りない部分を数字で補おうとする発想です。

ですが保護者が教室を選ぶときに見ているのは、教室の実力そのものではありません。「うちの子がここに通ったら、どうなるか」です。実績の一覧を読んでも、自分の子どもの姿は一つも浮かびません。

大手のカリキュラムがどれだけ整っていても、保護者が知りたいのは「うちの子」の話です。ここに答えられていないことが、個人教室が選ばれない一番の理由だと考えています。

実績並べ型かもしれません

分かってもらおうと実績や対応言語を足し続け、読む人が自分の子を重ねる場面が一つもない型です。

教室の紹介文が「Scratch・Python・Unity対応」「検定合格者◯名」「プロ講師が指導」の羅列になっていたら、この型に近いと思います。大手みたいな実績もカリキュラムもないんだから、うちが選ばれないのは仕方ない、と感じているかもしれません。ですが選ばれない理由は実績の量ではなく、保護者が自分の子を重ねる場面をどこにも渡していないことです。実力を証明しようとして、相手の話をしていないだけなんだと思います。

市場が広がるほど、比べられるのが当たり前になる

子ども向けプログラミング教育の市場規模は2024年に前年比14.5%増の253億8000万円となりました。18年から6年連続で拡大しています。GMOメディアと船井総研は、30年までに1000億円を超える市場へ急成長する可能性があるとみています。

市場が伸びるということは、それだけ教室の数も増えるということです。大手も新規出店を続けています。保護者が複数の教室を比べるのは、これからますます当たり前になります。

だからこの記事の方針は「比べられてから勝つ」ではなく「比べられる前に、比べる土俵を変える」です。大手と同じ土俵(実績・カリキュラムの量)で戦えば、個人教室は不利なままです。土俵そのものを変える必要があります。

大手と個人で保護者の判断材料が分かれる3点

大手が強いところは認めて、争わない

まず認めるところから始めます。カリキュラムの体系、教材の量、ブランドの安心感、振替のしやすさ。ここは大手が強い領域です。

「うちも教材は充実しています」「うちもカリキュラムはしっかりしています」と書いても、保護者には届きません。大手のほうが量で勝るのは事実だからです。ここで張り合おうとすると、また実績並べ型に戻ってしまいます。

大手が強い領域で戦わない。これが最初の判断です。

個人教室にしかない3つ

個人教室にあって、大手の仕組み上まねしにくいものが3つあります。

  1. 先生が変わらない — 毎回同じ人が、その子を見続けます。大手は講師のシフトや異動があり、担当が変わることがあります
  2. 進度を子ども一人に合わせられる — クラス人数が少ない分、その子のつまずきに合わせて進め方を変えられます
  3. 子どもの変化を一人の大人が続けて見て、言葉で返せる — 「先月と比べてここが変わりました」と、同じ人が具体的に伝えられます

この3つは、教室の規模を大きくするほど維持しにくくなります。大手が仕組みとして再現しづらい部分だからこそ、個人教室の強みになります。

NG:「大手より安い」「大手より丁寧」

比較の言葉を自分から使うと、保護者の頭の中で大手が基準になります。

NG例:「大手より月謝が安いです」「大手より丁寧に教えます」

この言い方をした瞬間、話の土俵は「大手 vs うち」になります。安さで比べれば、体力のある大手がいつでも追随できますし、丁寧さは目に見える数字がないので、言った者勝ちに見えてしまいます。値段の話しかできなくなるのが一番のリスクです。

OK例(大手の名前を出さず、3の「言葉で返す」を書く):「毎回同じ先生が見るので、『先月できなかったここが、今日は一人でできていました』とお伝えできます」

同じ強みでも、大手を主語にするか、自分の教室を主語にするかで受け取られ方が変わります。

書き方読者の受け取り方
大手より安いです値段の話としてしか記憶に残らない
大手より丁寧です根拠のない自己申告に見える
毎回同じ先生が、変化を言葉で伝えます具体的な場面として想像できる

選ばれる理由は、実績ではなく「一人の子どもの変化」を一つだけ書く

NG例:実績と対応言語の羅列

「◯◯検定合格者多数」「Scratch・Python・Unity対応」「プロ講師が指導」。こういう紹介文を、多くの個人教室のホームページで見かけます。

間違ってはいません。ですが保護者に何も残りません。理由は単純で、この文章のどこにも「子ども」が登場しないからです。読んだ保護者は、自分の子がここでどうなるかを一つも想像できません。

OK例:入る前→何が起きた→いま、を一場面で

代わりに、一人の子どもの変化を一場面で書きます。たとえばこういう形です(あくまで書き方の例で、実例ではありません)。

「入ったときはマウスの持ち方から教えていました。3か月後、自分でゲームのルールを変えて、弟に遊ばせていました」

この一文には、実績の数字は一つもありません。ですが読んだ保護者は、自分の子どもをこの子に重ねます。「うちの子も、こうなるかもしれない」と思える瞬間があるかどうかが、実績の数よりも効きます。

4行で書く手順

この一場面は、次の4行で組み立てられます。

  1. どんな子だったか — 年齢、入る前の様子(初心者かどうか、性格の一面)
  2. 最初の壁 — つまずいたこと、嫌がったこと
  3. 変わった出来事 — 具体的に何ができるようになったか、その場面
  4. いま何をしているか — 現在の様子

書く前に必ず本人と保護者の了解を取ってください。名前は出さず、「小学3年生の男の子」のように匿名にします。そして盛らないこと。実際に起きたこと以上に書かないでください。誇張は、いずれ他の保護者との会話で矛盾として出てきます。

体験授業で保護者が見ているのは、子どもの手元と先生の目

体験の順番:説明を後ろに回す

体験授業に来た保護者が本当に見たいのは、教室の説明ではなく、我が子がその場でどう動くかです。

NGは、最初の15分を教室説明・料金説明に使うことです。保護者は説明を聞いている間、子どもの様子を見ていません。子どもも手持ち無沙汰になります。

時間NGの流れOKの流れ
最初の5分教室・料金の説明子どもに触らせる
次の20分カリキュラムの説明保護者は横で見る
最後の5分質疑応答先生がその子について気づいたことを一つ伝える

子どもに触れさせるまでの時間を短くするほど、保護者が「見ている時間」が長くなります。説明は最後に回してください。

「うちの子、向いてますか?」への答え方

体験授業の最後、保護者からよく聞かれる質問です。ここで「向いています」「向いていないかもしれません」と断定すると、保護者は身構えます。向いていないと言われれば傷つきますし、向いていると言われても根拠のない社交辞令に聞こえます。

答え方は一つです。その日観察した事実だけを返します。

「分からないときに、すぐ聞かずに自分でボタンを押して試していましたね」 「途中で飽きるかと思いましたが、最後まで一人で作り切っていました」

向き不向きを判定せず、見たままを言葉にするだけです。これなら誇張にもならず、保護者にとっても具体的で信頼できる答えになります。

体験の翌日に送る一通

体験の翌日、売り込みではなく観察の共有として一通送ります。

「昨日はありがとうございました。◯◯くんが、ブロックの組み合わせがうまくいかないときに、何度も自分で並び替えていたのが印象に残りました。次回の体験枠は◯日と◯日に空きがあります」

観察したことを一文、次回の案内を最後に一行。これだけです。料金の話や「今なら」といった締切の言葉で押さないでください。押されるほど保護者は決めにくくなります。

個人教室の集客経路は、大手が取りにくい場所から順に

優先順位の表

大手が金額で勝ちやすい経路ほど、後ろに回します。

優先順位経路大手が取りにくい理由
①通っている家庭からのつながり(同じ学区・同じ学年)大手は個々の家庭関係を持っていない
②学区内の学童・児童館・他の習い事との顔つなぎ地域の顔が見える関係は本部では作れない
③Googleマップとホームページ検索結果は資本力だけで決まらない
④チラシ配布エリアが限定的な分、地域密着なら個人も戦える
⑤SNS広告費をかけられる大手が有利になりやすい

①②は、大手が仕組みとして取りにくい経路です。ここから手をつけてください。

マップ・ホームページに書く一文

書く順番は、実績欄より上に、個人教室にしかない3つを文にして置きます。

「◯◯小学校から徒歩◯分」 「先生一人が、全員を見ます」 「体験は保護者が横で見られます」

これらは大手の名前を一切出さずに、個人教室の強みをそのまま伝える文です。実績や対応言語の一覧は、その下に置いてかまいません。ただし一番上に来るのは、子どもと先生の関係が伝わる一文です。

チラシ・SNSで実績並べに戻らない確認

チラシやSNSの投稿を作っていると、配布・投稿の直前になって「対応言語を足したほうが安心では」という気持ちが出てくることがあります。実績並べ型に戻りかけているサインです。

出す前に、次の3点を確認してください。

  • 子どもの場面が一つあるか
  • 先生の名前が出ているか
  • 大手の名前を使っていないか

この3つが揃っていれば、実績並べには戻っていません。

通っている家庭から次の家庭へ、紹介を待たずにつなぐ

月に一度、子どもの作品を保護者に送る

いい授業をしていれば紹介は自然に出る、というのは思い込みです。紹介が出ないのは腕のせいではなく、思い出してもらう働きかけが足りないだけだと考えています。

月に一度、子どもが作った作品の写真と、「今日できたこと」を一行添えて保護者に送ります。長文にする必要はありません。「今日は自分でキャラクターを動かすところまでできました」で十分です。この一通が、保護者の中で教室を思い出すきっかけになります。

頼み方の文例

紹介を頼むとき、「紹介してください」とだけ言うと、保護者は借りを作る感覚になり、言い出しにくくなります。

頼むのではなく、体験の枠があることを伝える言い方にします。

「同じ学年で、ものづくりが好きそうなお子さんがいたら、体験だけでも声をかけてもらえると助かります」

NG例は「紹介キャンペーン実施中」とだけ伝えることです。これは条件の提示であって、頼み方ではありません。保護者が誰かの顔を思い浮かべられる言い方のほうが、実際に動いてもらいやすくなります。

紹介が来ない月があっても腕のせいではない

紹介が来ない月があっても、教え方が悪かったわけではありません。単に、思い出される場面がその月になかっただけです。

作品を共有した回数と、体験の申込があった月を、毎月記録に残してください。それだけで十分です。うまくいかなかった月を責める必要はありません。次の月にまた作品を送る、それだけを続けます。

今日やること:「うちの教室が選ばれる理由」を大手を出さずに一文にする

書き換えテンプレ

紹介文を、次の型で書き換えてください。

Before:「Scratch・Python対応/検定合格者◯名/プロ講師が指導」

After:「◯歳の子が、◯か月で◯◯できるようになった教室です。先生は毎回、私一人です」

穴埋めに入れるのは、実際に起きたことだけにしてください。まだ実例がなければ、無理に埋めず、体験に来た子の様子が貯まってから書きます。盛った数字を一つ入れるより、事実の一つのほうが強いです。

出す前の5項目チェック

紹介文・マップ・チラシ・SNS、どこに出す文章でも、公開前にこの5つを確認してください。

チェック項目確認すること
① 子どもの場面一つでも具体的な場面があるか
② 先生の名前・顔誰が教えているかが分かるか
③ 比較の言葉大手の名前や「〜より」を使っていないか
④ 重ねられるか保護者が自分の子を想像できるか
⑤ 体験の想像体験に行ったときの様子が思い浮かぶか

この5つが揃っていれば、実績並べ型から抜け出せています。

性格はそのままでいい

話し上手になる必要はありません。営業らしく振る舞う必要もありません。普段、子どもを見ているときのその目を、そのまま言葉にするだけです。

集客の型は、プログラミング教室に限った話ではありません。手に職を持って独立した人が営業を教わらないまま仕事を取っている状況は、他の職種でも同じです。営業の考え方を一通り整理したい方は、フリーランスの営業の仕方もあわせて読んでみてください。

よくある質問

プログラミング教室を個人で開いたら、集客は何から始めればいいですか?

チラシやSNSより先に、通っている(または体験に来た)一人の子どもの変化を一場面で書く。それを紹介文・マップ・体験案内の一番上に置き、学区内のつながりから順に広げる

大手のプログラミング教室と個人教室は、保護者から見て何が違いますか?

大手は教材・体系・ブランド、個人は「先生が変わらない」「進度を一人に合わせる」「子どもの変化を言葉で返せる」。後者を大手の名前を出さずに書くと比較の土俵が変わる

体験授業には来るのに、入会につながらないのはなぜですか?

最初の15分を教室説明に使い、子どもの手元を保護者に見せる時間が短いことが多い。5分以内に触らせ、最後にその子について気づいたことを一つ伝え、翌日に観察の共有を一通送る

プログラミング教室の集客に、講師の資格や実績は必要ですか?

あっても選ばれる決め手にはなりにくい。保護者は教室の実力より「うちの子がここでどうなるか」を見ている。実績欄より子どもの場面を上に置く

プログラミング教室の集客にチラシは効きますか?

効くかどうかより、中身が実績並べになっていないかで差が出る。子どもの場面が一つあるか、先生の名前が出ているか、大手との比較の言葉を使っていないか、の3点を出す前に確認する

参照した情報源

  1. プログラミング教育市場、6年連続で拡大 民間調査(日本経済新聞)・確認日 2026-09-19

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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