対面営業・商談

工務店の集客方法|施主が友人に話したくなる場面をつくり、OB施主宅を見せてもらう

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

工務店の集客は、施主が「話したくなる場面」をつくることから始まる

引き渡しから1年、2年が経った家。点検の連絡以外、施主から電話が来ない。以前は親戚や知り合いのつてで仕事が回っていたのに、最近はその流れが細ってきた。夜、事務所で一人パソコンを開き「工務店 集客 方法」と検索窓に打ち込んでいる社長もいるはずです。

紹介が減ったのは、建てた家の質が落ちたからとは限りません。施主がうちの話をする場面がなくなっただけ、ということが多いです。施主は忘れたのではなく、話す出来事がないのです。

施主との接点が引き渡しの日で切れていれば、話す場面もそこで止まります。逆に言えば、接点をひとつ増やすだけで、話す場面は作り直せます。特別な広告費も、目新しい仕掛けも要りません。

広告費をかけて新規の問い合わせを増やす前に、足元にある「話したくなる場面」を仕込むほうが早いことが多いです。広告はゼロから信頼をつくりますが、紹介は施主が持っている信頼を渡すだけだからです。

名簿の作り方や、引き渡し後の連絡の型、広告に回すタイミングは工務店・リフォーム会社の営業|チラシより先にやることにまとめています。この記事では、施主が友人に話したくなる場面のつくり方と、OB施主宅を見学してもらうやり方に絞って解説します。

施主が話す場面は、工務店側からは見えない

施主が友人に工務店の話をするのは、思い出したときではなく、話すきっかけがあったときです。友人が家を考え始めた、家に人を招いた、工務店と何かやりとりがあった。このどれかが起きたときだけ、話題になります。引き渡し後に何も起きていなければ、話題にならないのは当然の流れです。

工務店側でできるのは、その出来事が起きる確率を上げることと、起きたときに話しやすい材料を渡しておくことの2つだけです。どちらも日々の対応の積み重ねでできることです。

施主が工務店の話をするのは、いつ・誰に・何をきっかけにか

工務店が何を発信するかではなく、施主が友人に話す場面から逆算して考えます。

施主が工務店の話をする4つの場面

場面施主が言う言葉工務店ができる仕込み
友人が家を検討し始めた「うちは◯◯工務店で建てたよ」施主が友人に見せられる写真や資料を渡しておく
家に人を招いた「この棚、大工さんが現場で作ってくれたんだ」施主が話したくなる工夫を現場に残しておく
不具合や手入れでやりとりした「頼んでないのに台風のあと見に来てくれた」頼まれる前に動く、を実際にやる
子どもの入学や親との同居で生活が変わった「増築もあそこに相談できるよ」生活の変化を聞く連絡を続けておく

この4つの場面は、工務店側からは見えません。友人が家を考え始めたタイミングも、家に人を招いた日も、施主の生活の中で起きることです。工務店にできるのは、その場面が来たときに施主が話せる材料を、前もって渡しておくことだけです。

4つの場面で、実際に渡しておくもの

友人が家を検討し始めたとき――施主は「うちは◯◯工務店で建てたよ」としか言えません。そこで会話が止まらないように、外観・内観の写真を数枚と、住んでからの感想を一言添えた資料を渡しておきます。SNSで公開する前提ではなく、施主が友人にその場で見せる前提の1枚で十分です。

家に人を招いたとき――「この棚、大工さんが現場で作ってくれたんだ」と言えるのは、現場で何かひと手間かけた記憶が残っているからです。標準仕様のままでは話のきっかけになりません。打ち合わせの中で、施主が語れる工夫をひとつ残す意識を持ちます。

不具合や手入れでやりとりしたとき――「頼んでないのに台風のあと見に来てくれた」という言葉は、対応の速さより先回りの姿勢から生まれます。連絡が来る前に動く、を一度でも実行すると、その出来事は長く語られます。

子どもの入学や親との同居で生活が変わったとき――生活が変わるタイミングは、施主から連絡が来るとは限りません。年に1回程度、点検とは別に「その後、暮らしはどうですか」と聞く連絡を入れておくと、増築や二世帯化の相談が自然に出てきます。この連絡自体が、施主にとっては「まだ気にかけてもらえている」という出来事になり、友人に話す材料にもなります。

「いい工務店だよ」では紹介にならない理由──話せる出来事があるか

施主が言えるのは、自分が体験した出来事だけです。「いい工務店だよ」は感想なので、聞いた側はそれ以上動けません。「去年の梅雨前に雨どいを見に来てくれた」は出来事なので、聞いた側は「そういう会社がいいな」と思えます。

感想出来事
例いい工務店です台風のあと、頼んでないのに見に来てくれた
聞いた側の反応そうなんだ、で終わる自分もそういう会社に頼みたい、と思う
工務店が作れるか作れない(施主の感覚次第)作れる(現場に残す工夫と対応の積み重ね)

上の4つの場面で渡す材料は、すべて感想を出来事に変えるためのものです。出来事に変える工夫がないまま「紹介してください」と頼んでも、施主は語る中身を持っていません。

NG例: 引き渡しの日に「お知り合いをご紹介ください」とだけ言う

施主は「はい」と答えますが、その後に話す出来事が何もないので紹介は起きません。引き渡しの日は、施主にとって工務店との関係が終わる日に見えています。その場で頼むのではなく、住んでからの出来事が生まれたあと、話の流れで一言添えるくらいで十分です。

建てた施主の家を「見学できる家」にする──完成見学会より効く形

住んでからの家を見せる価値

完成見学会は工務店が案内し、暮らしの跡がありません。住んで1〜3年の施主宅は、施主本人が「住んでどうか」を答えられます。検討中の人が一番聞きたいのは、工務店の説明ではなく先に建てた人の本音です。同じ「収納が使いやすい」という言葉でも、営業担当が言うのと、実際に3年暮らした施主が言うのとでは、検討者に伝わる重みがまったく違います。

完成見学会OB施主宅見学
案内する人工務店施主本人
見える物建てたばかりの状態住んでからの暮らし
検討者が聞けること工務店の説明住んでどうか、という本音
工務店の手間会場運営施主への依頼と日程調整

施主への頼み方と、断られたときの引き方

頼むのは、点検や手入れの対応で「住んでよかった」と話してくれた施主からにします。タイミングも大事です。引き渡し直後は生活が落ち着いていないので、最低でも半年、できれば1年以上住んでからのほうが、施主自身も暮らしの感想を言葉にしやすくなります。

「家を考えている人に、◯◯さんの家を1時間だけ見せてもらうことはできますか。日程はそちらに合わせます」

小さな子どもがいる家庭には「お子さんの生活リズムに合わせるので、無理のない時間だけで大丈夫です」と一言添えると、頼みやすさが変わります。

断られたら理由を聞かずに引きます。家を見せたくない事情は必ずあります。お礼はお金ではなく、点検や手入れを優先する、次の工事の相談に乗るなど、関係の中で返す考え方でいいはずです。一度断られたからといって、その施主との関係が悪くなるわけではないので、次の点検や連絡はいつも通り続けます。

当日、工務店は補足役に回る

施主に話させて、自分は「ここは施主さんの希望で棚を現場で作りました」のような補足だけにします。工務店が説明を始めると、検討者は営業されている感覚になり、施主も口をつぐんでしまいます。

NG例: 見学の場で見積の話を始める。検討者が「間取りで悩んでいる」と話しかけても、その場では相槌だけにして、詳しい相談は後日会社で受ける約束にします。見学の主役は施主と検討者の会話で、工務店は最後に「今日はありがとうございました。何か聞きたいことがあれば、あとで会社にご連絡ください」と締めるだけで十分です。

見学のあと、検討者へのつなぎ方

見学を終えたその場で連絡先交換や次回アポを急ぐと、検討者は身構えます。「今日はありがとうございました」で締めて、検討者から連絡が来るのを待つくらいでちょうどいいはずです。もし施主から後日「あの人、真剣に考えているみたいだったよ」と連絡があれば、それを機に会社から一言添える程度で十分です。見学の場を営業の場に変えないことが、次にまた別の施主に頼みやすくなることにもつながります。

OB施主宅見学を、1件で終わらせない仕組みにする

見学に協力してくれる施主が1人見つかったら、そこで終わらせずに、協力してくれそうな施主を数件確保しておきます。同じ施主に何度も頼むと負担が偏りますし、検討者の家族構成や予算に近い施主宅を選べたほうが、見学の効果も上がります。だれに声をかけやすいかは、点検や手入れの会話の中で「今度、家を見せてもらえそうですか」と軽く聞いておくだけで把握できます。年に何件も頼む必要はなく、検討者が出てきたタイミングで声をかけられる相手が1〜2件あれば十分に機能します。

今日やることひとつ

一番最近引き渡した施主に、住んでから困っていることを聞く電話を1本かけてみてください。紹介は頼みません。出来事をひとつ作るだけでいいはずです。性格を変える必要はなく、話せる場面を先に渡しておくだけです。電話をかけたら、そこで出た話の中身をメモに残しておくと、次にOB施主宅見学を頼むときの候補選びにもそのまま使えます。

名簿の作り方や引き渡し後の連絡の型、広告に回すタイミングまで整えたい場合は、工務店・リフォーム会社の営業|チラシより先にやることを合わせて読んでみてください。そもそもの営業の型を工程ごとに知りたい場合は、独立した人の営業の順番も参考にしてください。

よくある質問

工務店の集客で、施主からの紹介を増やすにはどうすればいいですか?

待っていても紹介は出ません。友人が家を検討し始めた、家に人を招いた、工務店とやりとりがあった――施主が話す場面はこの4つに絞られるので、その場面で施主が話せる出来事や材料を先に渡しておくことが先です。名簿づくりや引き渡し後の連絡の型は別記事にまとめています。

施主に紹介を頼むのは失礼になりませんか?

引き渡しの日に「紹介してください」とだけ言っても、話す出来事がなく紹介は起きません。友人が家を検討し始めた、家に人を招いた、といった場面で施主が話せる材料を先に渡しておき、出来事が生まれたあとに軽く一言添える順番なら負担になりません。

完成見学会とOB施主の家の見学は、どちらがいいですか?

検討中の人に刺さるのは、住んでからの暮らしを施主本人が語るOB施主宅見学です。完成見学会は工務店の説明で終わりやすいためです。ただし施主の負担を最優先し、断られたら理由を聞かずに引きます。

OB施主に見学をお願いして断られたら、どうすればいいですか?

理由を聞かずに引きます。家を見せたくない事情は必ずあります。お礼はお金ではなく、点検や手入れを優先する、次の工事の相談に乗るなど、関係の中で返す形にします。

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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