対面営業・商談
Zoom商談のコツ|画面越しでも相手が話し出す入り方
このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか
Zoom商談のコツは話術ではなく、最初の3分で「相手が話す番」を作ること
入室から20分、うなずかれるだけで終わる打ち合わせ

Zoomに入って「聞こえてますか」「本日はよろしくお願いします」と挨拶したあと、そのまま画面共有を開いて自分の説明を始める。よくある流れです。相手は小さくうなずくだけで、こちらの話が10分、20分と続きます。質問を挟む隙がないまま終盤になり、最後に「検討します」で切れる。次の連絡が来るかどうかは分かりません。
対面の打ち合わせでも同じことは起きますが、画面越しだとこの流れがそのまま固まりやすくなります。相手の表情や姿勢の変化が画面の枠に収まってしまい、「そろそろ質問したそうだ」という空気を読み取りにくいからです。
口下手だからではない。何を先に聞くか決めずに入っているからだ
画面越しで相手が乗ってこないのは、話すのが下手だからではありません。沈黙が怖くて自分の説明で場を埋めてしまい、相手が話す番を取っているだけ、ということがよくあります。入室してから何を先に聞くか、順番を決めずに入っているからです。話し方がうまいかどうかより、聞く順番を先に決めているかどうかで、相手が話す時間は変わります。「自分は口下手だから商談が苦手」と思っている人ほど、実はこの順番を決めずに入っているだけ、ということが多いです。
画面越しでは「説明で埋める」が倍効く理由
対面なら相手の身振りや目線で「そろそろ話を切り替えよう」というタイミングが分かります。相手が少し身を乗り出せば「話したいことがある」と分かりますし、腕を組めば「まだ聞く体勢」と分かります。
Zoomではこの情報のほとんどが消えます。相槌は小さく映り、マイク越しには声が届かないこともあります。だから沈黙が実際より長く感じられます。その沈黙を埋めようとして説明を足すほど、相手は「聞く側」に固定され、話し出す場面がなくなっていきます。対面よりオンラインのほうが「しゃべりすぎ」が起きやすいのは、この構造のせいです。
同じ相手でも、入り方を変えるだけで最初の3分はこう変わります。
説明から入る場合 「聞こえてますか」「よろしくお願いします」→ そのまま画面共有 →「弊社のサービスは〜」と5分説明 → 相手「はい」「なるほど」だけ
聞く準備で入る場合 「聞こえてますか」「画面見えてますか」→ 名前と今日の目的を一文 →「まず今の状況を教えてください」→ 相手が話し始める
違いは話術ではなく、最初にどちらが口を開くかを決めているかどうかだけです。
この記事で渡す方法は1つだけです。入室から3分の順番を、先に決めておくこと。独立してから営業の全体の流れを見直したい場合は、独立後の営業の型も合わせて読んでみてください。
オンライン商談の挨拶は3手で終える(入室から30秒の台本)
冒頭で何を話すかを決めていないと、その場で言葉を探すことになり、結果として説明で埋めがちになります。挨拶は3手で終わらせる、と決めておくと迷いません。
1手目:音と画面の確認をひと言で済ませる
「音声、届いてますか」「画面、見えてますか」の2問で終えます。
NG例:「すみません、ちょっと接続が…あれ、聞こえます? もう一回…」と機材の話だけで1分かかる形です。ここで相手の熱が先に冷めます。返事が来たらすぐ次に進んでください。
2手目:名乗りは肩書きより「今日の目的」を一文で
例:「〇〇の田中です。今日は御社の△△の状況を伺って、お手伝いできるところがあるか確認させてください」
NG例:経歴・実績・会社説明を最初に並べる形です。「弊社は〇〇年設立で、これまで〇〇件の実績が…」と続けると、相手は「営業が始まった」と身構え、聞く側に回ってしまいます。名乗りは名前と今日の目的だけで十分です。
3手目:挨拶の最後を質問で締める。ここで相手の番になる
「まず、今どんな状況か教えていただけますか」「この打ち合わせで、ここだけは聞きたいという点はありますか」
挨拶の最後が「よろしくお願いします」で終わると、次に話すのは自分になります。最後を質問にすると、相手が口を開きます。3手あわせて30秒が目安です。覚えるのが不安なら、台本を文字にして手元に置いたまま話しても構いません。
相手が複数人いるときは、質問を投げる相手を決めておく
複数人が参加する打ち合わせでは、質問を全体に投げると誰も答えず沈黙が続くことがあります。「〇〇様、まず今の状況を教えていただけますか」と、聞く相手を名指しにしてください。役職が上の人に自動的に振るのではなく、事前に「今日は主にどなたに伺えばいいですか」と幹事役に確認しておくと、当日迷いません。
3手を続けて書くとこうなります。
「音声、届いてますか」「画面、見えてますか」 「〇〇の田中です。今日は御社の△△の状況を伺って、お手伝いできるところがあるか確認させてください」 「まず、今どんな状況か教えていただけますか」
ここまでで相手が話し始めれば、挨拶としては成功です。この続きに何を話すかは、相手が話した内容によって変わるので、無理に台本を先まで作り込む必要はありません。
雑談は1〜3分。ネタを用意するより、相手のことを1つ聞く
雑談の長さは1〜3分。長引く前に切り上げる

目安は1〜3分程度。それより長いと本題に入る空気を作りにくくなり、短すぎると「いきなり売り込み」に見えてしまいます。切り上げのひと言は「ありがとうございます。では本題に入らせてください」で十分です。時計を見なくても、話が一段落したところで切り上げれば大きくずれません。
天気や近況より、画面に映っているものと相手の仕事から1つ
例:「後ろに見えているのは事務所ですか」「先日サイトで〇〇を拝見して、あれは反応どうでしたか」
NG例:自分の近況を長々と話す、天気の話だけで終わり本題に橋がかからない、というパターンです。雑談ネタを何個も用意する必要はありません。相手のことを1つ聞ければ足ります。
雑談から本題へ橋をかける一文
雑談で出た相手の言葉を拾って、本題につなげます。「さっきの〇〇の話、まさに今日伺いたかった点なので、もう少し聞かせてください」。雑談は「消化する時間」ではなく、「最初の質問を見つける時間」として使ってください。
相手が雑談に乗ってこないときは、すぐ本題に切り替える
こちらが話題を振っても「そうですね」で終わり、広がらないこともあります。無理に別のネタを探す必要はありません。「では早速本題に入らせてください」と切り替えてしまって大丈夫です。雑談が苦手な人、時間を気にしている人もいます。雑談は「必ず盛り上げるもの」ではなく、「反応を見て、合わなければすぐやめてよいもの」として扱ってください。
会う前10分の下調べ表(見る場所は3か所だけ)
見るのは3か所だけです。全部調べようとすると時間が溶けて、本題の準備が手薄になります。
| 調べる場所 | 見るポイント | 質問への変え方 |
|---|---|---|
| 相手のサイトの「お知らせ」 | 新しい取り組みがあるか | 「〇〇を始められたと拝見しましたが、今どんな段階ですか」 |
| SNSや直近の発信 | 最近何を気にしているか | 「△△について書かれていて気になりました」 |
| 紹介者や過去のやりとり | なぜ今回会うことになったか | 「〇〇さんからはどんな形で聞かれていますか」 |
10分で終わる範囲に絞ってください。この3か所だけで、雑談のネタと最初の質問の両方がそろいます。サイトが更新されていない、SNSも動いていない、紹介者からも特に情報がない、ということもあります。その場合は無理に何かひねり出さず、「今日は状況を伺うところから始めさせてください」と正直に伝えれば十分です。
「最初の質問」を1つだけ書いて臨む
調べたことを全部聞こうとしなくて大丈夫です。質問は1つ書けば足ります。
NG例:調べた内容をそのまま披露する形です。「御社は〇〇年創業で従業員〇名で…」と話し始めると、相手は自分の会社の説明を聞かされるだけになり、話し出しません。調べたことは、聞くために使ってください。
下調べを口に出す言い方
「サイトを拝見して、〇〇が気になったんですが」という型です。相手は「調べてきてくれた」と感じ、説明の手間が省けるぶん話が早くなります。下調べゼロで入ると、相手が最初の5分を自社説明に使うことになり、こちらが本当に聞きたいことにたどり着く前に時間が溶けてしまいます。
2回目以降の打ち合わせは、下調べの対象を「前回の議事録」に変える
初回以降も、同じ3か所ルールがそのまま使えます。見る場所を「相手のサイト」から「前回の議事録やメモ」に変えるだけです。前回「検討します」と言われた点がどうなったかを、最初の質問にしてください。「前回お話しされていた〇〇の件、その後いかがですか」の一言があるだけで、相手は「前回の続きだ」と分かり、説明から入り直す必要がなくなります。
画面共有は相手が話したあとに出す(順番の落とし穴)
冒頭で資料を出すと相手は黙る
画面共有が始まった瞬間、相手の画面は資料で埋まり、こちらの顔は小さくなります。相手は「読む側」「聞く側」になり、口を挟みにくくなります。
NG例:入室して1分以内に「では資料を共有しますね」と切り出す形です。相手の状況を聞く前に資料を出すと、その資料が相手に合っているかどうかも分からないまま説明を始めることになります。
出す前に確認するひと言
「資料もあるんですが、先に状況を伺ってからでいいですか」
相手が5分話したあとに出すと、どのページを見せるべきかも分かります。結果として、説明そのものが短くなります。使わないページを飛ばせるので、相手にとっても時間が短く感じられます。
共有中も2〜3枚に1回は画面を戻して顔を見る
手順はこうです。1枚見せる→共有を止める→「ここまでで気になる点ありますか」→再開。共有しっぱなしで20枚めくるのが、一番相手が黙る形です。枚数の多さより、途中で戻す回数のほうが、相手が話す量を左右します。
資料が多い商談ほど、この「戻す回数」を先に決めておくと安心です。10枚の資料なら3回、20枚なら5回、というように区切りを先に決めておけば、話しながら「そろそろ聞いたほうがいいかな」と迷わずに済みます。
沈黙が怖くなったときの3つの逃げ道
沈黙を「相手が考えている時間」として扱う言い方

黙られて3秒たったら「今の点、少し考えていただいて大丈夫です」と先に言ってください。自分が言葉を足すより、相手に時間を渡すほうが話し出しやすくなります。画面越しは対面より沈黙が長く感じられるので、実際は3秒でも10秒くらいに感じるものだと、先に知っておくと落ち着いて待てます。
説明を足しそうになったら質問に変換する
「この機能は〜で〜で…」と続けそうになったら、「御社だとこの部分、今はどうされていますか」に言い換えてください。説明1つにつき質問1つ、を目安にすると、話す量が自然と半分になります。
聞き返しの定型を2つ手元に置く
「今の点、もう少し詳しく聞かせてください」「それはいつ頃からですか」。この2つがあれば、説明で埋めなくても場がつながります。
NG例:相手が話し終える前にかぶせて補足する形です。マイク越しは声が重なると両方消えて、結局何も伝わりません。相手の言葉が止まってから話し始めてください。
3つとも、やることは「自分が話す」ではなく「相手に話す余地を渡す」という一点で共通しています。沈黙を埋めるための言葉を増やすのではなく、沈黙のままにしておくための言葉を1つ持っておく、という発想に近いです。
今日やること:次のZoomの冒頭3分を紙に書く
書くのは4行だけ

①音と画面の確認のひと言 ②今日の目的の一文 ③最初の質問1つ ④雑談で聞くこと1つ。この4行を紙かメモに書くだけで、次のZoom商談の台本になります。所要10分です。作った台本は次回もそのまま使えるので、毎回一から考える必要はありません。
終わったら「相手が何分話したか」だけ振り返る
上手く話せたかどうかではなく、相手が話した時間で振り返ってください。30分の打ち合わせで相手が10分以上話していれば、入り方は合っています。5分に満たない場合は、冒頭で自分が説明から入っている可能性が高いです。
うまくいった入り方を残す
相手が話し出したときの質問や切り出しの言葉をメモに残し、次の打ち合わせでそのまま使ってください。毎回いちから考え直す必要はありません。うまくいった言い回しは、業種や相手が変わってもそのまま流用できることが多いです。手元に3つ、5つとたまっていくと、次の商談の準備が10分よりさらに短くなります。
性格を変える必要も、話術を身につける必要もありません。順番を先に決めておくだけでいいんです。
よくある質問
Zoom商談の最初の挨拶は何を言えばいいですか?
音と画面の確認をひと言、今日の目的を一文、最後を質問で締める、の3手で30秒。肩書きや実績の説明は最初に入れない。挨拶の最後を「よろしくお願いします」ではなく「まず今の状況を教えてください」にすると相手が話し出す
オンライン商談で雑談はどのくらいすればいいですか?
目安は1〜3分程度。ネタを用意するより、相手の仕事や画面に映っているものについて1つ聞けば足りる。雑談で出た相手の言葉を拾って本題につなぐと切り替えが自然になる
画面共有はいつ出すのがいいですか?
相手が状況を話したあと。冒頭で出すと相手は読む側・聞く側になって黙る。「先に状況を伺ってからでいいですか」と断ってから出し、2〜3枚に1回は共有を止めて相手の顔を見る
Zoomで相手が黙ってしまったらどうすればいいですか?
説明を足さずに「少し考えていただいて大丈夫です」と時間を渡す。画面越しは沈黙が実際より長く感じる。それでも続くなら「今の点、御社では今どうされていますか」と質問に変える
オンライン商談の前に何を準備すればいいですか?
相手のサイト・直近の発信・自分との接点の3か所を10分で見て、最初の質問を1つだけ書く。調べたことを披露するのではなく、聞くために使う。「サイトを拝見して〇〇が気になったのですが」の形で口に出す
参照した情報源
- 営業のアイスブレイク完全ガイド|雑談ネタ11選と商談成功のコツ(Salesforce Japan(公式ブログ))・確認日 2026-09-16
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