対面営業・商談
打ち合わせ場所の決め方|カフェで話すときに気をつけることと、場所を聞くメール
このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか
打ち合わせ場所は、相手の都合を聞いて候補を2つ出すと決まる
先に答え:相手の都合を聞いて、こちらから候補を2つ出す
検索で来た方のために、先に答えを書きます。
- 基本は相手に合わせる
- 相手の都合を聞きつつ、こちらから候補を2つ出す(例:①相手の事務所 ②相手の最寄り駅のカフェ)
- 聞くだけで終わらせない。相手に考える仕事を渡さない
カフェは、顔合わせや軽い相談には向いています。金額や他社の名前が出る話には向きません。その場合は相手の事務所か、貸し会議室にします。以下、材料の集め方から順に説明します。
場所ひとつで手が止まるとき、自分に言っていること
打ち合わせの日時は決まりました。あとは場所を伝えるだけなのに、メールの下書きを開いたまま半日たっている。独立したばかりの頃には、よくある場面です。
このとき「場所ひとつ決められない自分は、段取りが悪い」と考えてしまう人が多いようです。「会社勤めの経験が足りないからだ」と続ける人もいます。これは私の見方で、数字で確かめたわけではありません。ただ、営業の段取りを誰にも教わらずに始めた人ほど、小さな迷いを自分の評価に結びつけやすいと見ています。
先に言っておくと、場所で迷うことと、仕事の腕には関係がありません。迷いが出るのは、決めるための材料がまだ手元にないときです。材料の集め方を、この記事でそのまま使える形にします。
場所は会う前にする下調べの最初の1つ
場所決めで起きがちな流れがあります。相手のことを調べる時間は取らず、その場のやりとりで乗り切ろうとする。場所についても「どちらがよろしいですか」と相手に投げるか、自分が行き慣れた店を指定して終わる。これだと相手に考える手間を渡すことになり、自分の側も、相手の事情が分からないまま当日を迎えます。
場所を決める材料は3つです。相手がどこから来るか、何分取れるか、何を見せるか。この3つが分かれば、場所はほぼ自動で決まります。つまり場所決めは、会う前にする下調べの最初の1つです。メールの下書きが進まなかったのは、段取りの腕というより、この材料がまだ集まっていなかったからだと思います。
場所を決める前に確かめる4つのこと
① 相手はどこから来るか
相手の移動を最短にするのが第一です。手順は2つです。
- 相手の事務所の住所を、サイトや名刺で確かめる
- 最寄り駅を地図アプリで調べる
これで、相手が来やすい駅が分かります。自宅で仕事をしている相手で住所が分からないときは、聞いてしまってかまいません。「最寄りの駅を教えていただけますか」と一言添えるだけで、失礼にはなりません。
② 何時に次の予定があるか
次に、「◯時以降のご予定はありますか」と聞きます。終わりの時間が分かれば、長居しにくい店を避けられます。次の予定が詰まっている相手なら、駅から近いこと、すぐ席に座れることを優先します。
③ 何を広げるか(パソコン・紙の資料・見本)
見せる物で、必要な席の広さが変わります。
- 初回の顔合わせ30分:小さな2人席でも足ります
- 見積を見せる60分:A4の資料を2枚並べられる机が要ります
- 作品の見本を見せる:机の広さに加えて、明るさも要ります
見本の色や質感を見てもらう打ち合わせなのに、薄暗い店を選んでしまうと、話の中身が伝わりきりません。見せる物を先に決めておくと、こうした外れを減らせます。
④ 話の中に金額・社名・人の名前が出るか
出るなら、カフェは避けます。これが私の判断基準です。
これは調査に基づく話ではなく、私の経験からの見方です。隣の席の会話は案外聞こえます。自分に隣の話が聞こえるなら、こちらの話も聞かれていると考えたほうが安全です。金額や取引先の名前を出す場面では、その前提で場所を選びます。
場所の候補を比べる:カフェ・相手の事務所・会議室・オンライン
持ち帰れるように、表にまとめます。料金は店や施設で違うため、金額は書きません。
| 場所 | 向いている場面 | 気をつけること | 費用は誰が持つか |
|---|---|---|---|
| 相手の事務所 | 初めて会う/資料を広げる/金額の話 | 来客用の席が空いているか、先方の予定を聞く | 場所代はかからないことが多い |
| 自分の事務所・自宅の近く | 2回目以降/相手がこちらに来る用事があるとき | 初回に指定すると、相手の移動が長くなりやすい | 場所による |
| カフェ | 顔合わせ/軽い相談 | 隣の席との距離。金額や社名の話は避ける | 飲み物代。呼んだ側が持つことが多いと見ている |
| ホテルのラウンジ | 少し改まった顔合わせ | 席の条件や予約の可否は店による | 店によって違うので事前に確認 |
| 貸し会議室 | 金額の話/資料を広げる/1時間を超える | 予約が要る。地図URLを相手に送る | 施設によって違うので事前に確認 |
| オンライン | 画面共有で足りる確認/2回目以降 | 通信の状態。初回はできれば会いたい | 場所代はかからない |
初めて会うなら、相手の事務所がいちばん候補になりやすい
理由は2つあります。1つは、相手が移動しなくていいこと。もう1つは、相手の仕事場が見えること。どんな人が何人で働いているか、壁に何が貼ってあるか。それだけで、会う前にはつかめなかった情報が手に入ります。これ自体が下調べになります。
聞き方は、こうです。
もしよろしければ、御社に伺います。
この一文を添えるだけで、相手は「来てもらうのは悪い」と思わずに返事ができます。事務所に人を入れたくない会社もあるので、断られたら次の候補に進みます。
貸し会議室やラウンジに切り替えるとき
次の4つのどれかに当てはまったら、カフェや事務所から切り替えます。
- 金額の話をする
- 資料を広げる
- 1時間を超えそう
- 相手の事務所が使えない
貸し会議室の予約は3ステップです。
- 相手の最寄り駅から近い施設で、希望の日時の空きを確認する
- 予約する
- 住所と地図URLを、相手に送る
3つめまで終わって、はじめて場所が決まったことになります。地図URLを送り忘れると、相手は自分で調べることになります。
オンラインにした方がいいとき
次のようなときは、オンラインのほうが相手の負担が軽くなります。
- 相手の移動が片道1時間を超える
- 画面共有で足りる中身
- 2回目以降の確認だけ
ただし初回は、できれば会うのがこのメディアの立場です。顔を合わせたときの空気は、画面越しでは伝わりにくいところがあります。相手が遠方で難しいときに、オンラインを選ぶくらいがちょうどよいと考えています。
カフェで打ち合わせるときに気をつけること(チェックリスト)
会う前に、次の6項目を確かめます。印刷して使えます。
- □ 隣の席との間が空いている
- □ BGMや話し声が大きすぎない
- □ 電源がある(または、電源がなくても足りる)
- □ 1〜2時間いても嫌がられない
- □ 予約できる、または混む時間を外せる
- □ 相手の最寄り駅から歩いて5分以内
下見に行けないときは、地図アプリの写真で席の様子を見るだけでも違います。席の間隔と照明の明るさは、写真でも大まかに分かります。
当日の動き:先に着いて、相手が見つけやすい席を取る
10分前に着きます。入口が見える席に座ります。着いたら、相手にこう送ります。
着きました。入口から見て右奥の窓際にいます。
注文は、相手を待つか先に済ませるかで迷うところです。基本は、相手が着いてから一緒に頼む形をおすすめします。先に頼むと、相手だけが何も持たずに座ることになり、少し気まずい空気が出ます。
お会計はどうするか
決まりはありません。そう前置きしたうえで、呼んだ側・お願いする側が払う場面が多いと私は見ています。相手が払うと言ってくれたら、素直にお礼を言います。
迷ったときは、席を立つ前に「ここは私が」と一言で済ませます。レジの前で押し問答になると、せっかくよい雰囲気で終わった打ち合わせが、最後に締まりません。
NG例:やりがちな3つ
| やりがち | 直し方 |
|---|---|
| ① 見積の金額を声に出して読み上げる | 金額は紙を指で示す |
| ② 相手の取引先の名前を、そのまま口に出す | 「A社さん」と呼ぶ |
| ③ パソコンの画面が通路側を向いている | 壁を背にして座る |
3つとも、相手がどう受け取るかの目線で見ると分かりやすくなります。取引先の名前が隣の席に聞こえたとき、困るのは自分より相手です。相手の持ち物(社名や取引先)を預かる気持ちで話すと、自然に声の大きさも変わります。
場所を聞くメール・候補を出すメールの文面
相手に場所を聞くメール(相手の都合に合わせたいとき)
件名は、用件と日時を入れます。
件名:打ち合わせ場所のご相談(10月20日 14時)
◯◯株式会社 ◯◯様
お世話になっております。△△です。 10月20日(火)14時からの打ち合わせ、ありがとうございます。
伺う場所は、ご都合のよいところに合わせます。 御社に伺うか、◯◯駅近くのカフェなどいかがでしょうか。 ほかによい場所があれば、教えていただけますと幸いです。
また、打ち合わせは1時間ほどを予定しています。 当日、その後のご予定はございますか。
どうぞよろしくお願いいたします。 △△(電話番号)
順番は、日時の確認、場所は相手に合わせる、候補、ほかの案を聞く、です。聞くだけで終わらせず、候補を必ず添えます。そうすると、相手は「はい、それで」と返すだけで済みます。
こちらから候補を2つ出すメール
相手が「①で」と短く返せる形にします。
件名:打ち合わせ場所のご提案(10月20日 14時)
◯◯様
お世話になっております。△△です。 10月20日(火)14時の打ち合わせの場所について、2つご提案します。
① 御社に伺う ② ◯◯駅東口の「△△」(地図:https://〜) 席の間が広く、話しやすい店です。
ご都合のよいほうを、番号だけでお知らせいただければ手配します。 ほかによい場所があれば、そちらに合わせます。
どうぞよろしくお願いいたします。
店名には、地図URLと「席の間が広く、話しやすい店です」の一言を添えます。相手は店を知らないことが多いので、どんな店かが一言あるだけで、返事がしやすくなります。
前日の確認メール
「明日よろしくお願いします」だけのメールは、場所の情報がなく、当日に迷う原因になります。次の4つを1通にまとめます。日時、場所、目印、遅れる場合の連絡先です。
件名:【明日14時】打ち合わせのご確認
◯◯様
お世話になっております。△△です。 明日の打ち合わせについて、改めてご連絡します。
・日時:10月20日(火)14時〜15時ごろ(所要1時間ほど) ・場所:◯◯駅東口「△△」(地図:https://〜) ・目印:改札を出て右、1階に花屋のあるビルの2階です ・遅れる場合の連絡先:090-xxxx-xxxx(△△)
私は10分前に着いて、入口が見える席でお待ちしています。 どうぞよろしくお願いいたします。
当日うまくいかなかったときの立て直し方
店が満席・臨時休業だった
対策は、最初から近くの第2候補を1つ決めておくことです。店の前で慌てて探すと、相手を待たせる時間が増えます。相手には、次のように送ります。
申し訳ありません、◯◯が満席でした。 向かいの△△に席を取りました(地図:https://〜)。 入口の看板が目印です。
うるさくて話が聞き取れない
我慢して続けると、聞き返しが増えて、話が浅くなります。最初の5分で、こう伝えます。
少し声が聞き取りづらいので、場所を変えてもよろしいですか。
言い出すのが遅いほど、言いにくくなります。相手も同じように感じていることが多いので、先に言ったほうが場が軽くなります。
どちらかが遅れる
自分が遅れると分かった時点で、何分遅れるかを入れて連絡します。
電車の遅れで、10分ほど遅れそうです。先にお入りください。 着き次第、お席に伺います。
相手が遅れたときは、こう返します。
お気をつけてお越しください。奥の席でお待ちしています。
急かさず、場所を伝え直すのがコツです。
場所が決まったら、会う前の30分でやること
相手のサイトとSNSを見て、聞きたいことを3つ書いておく
場所決めで始めた下調べを、ここで仕上げます。たとえば次のような材料です。
- 最近の投稿で扱っていた新しいサービス
- 採用ページに出ている人数
- 事務所の移転
メモは3つまでにします。多いと、その場で全部聞こうとして、話が散らかります。持ち物も、ここで確かめます。名刺、紙の資料を1部、スマホの充電です。
話す順番を1枚に書いておく
最初の5分に何を聞くか、どこで自分の話をするかを、紙に書いておきます。そうすれば、その場で乗り切ろうとしなくて済みます。打ち合わせ全体の流れは、フリーランスの営業の進め方にまとめています。
帰り際に、次の場所まで決めてしまう
帰り際に一言、聞いてみてください。
次回も、今日と同じこちらでよろしいですか。
これで、次の場所決めのメールは要らなくなります。
今日やれる形に落とすなら、これです。いま予定している打ち合わせの相手の最寄り駅を調べて、候補を2つメモしてください。それが、場所のメールの下書きになります。
個別の契約や取引に関わる判断は、必要に応じて専門家に相談してください。
よくある質問
打ち合わせ場所はこちらから提案するべき?相手に聞くべき?
相手の都合を聞きつつ、こちらから候補を2つ添えるのがいちばん早く決まります。聞くだけだと、相手に考える手間を渡してしまいます。
カフェでの打ち合わせは失礼にあたる?
失礼かどうかより、話の中身に合っているかで決めます。顔合わせや軽い相談なら問題になりにくいです。金額や他社の名前が出る話なら、会議室か相手の事務所にします。
打ち合わせのカフェ代はどちらが払う?
決まりはありません。呼んだ側・お願いする側が払う場面が多いと筆者は見ています。相手が払うと言ってくれたら、素直にお礼を言えばいいです。
打ち合わせ場所を聞くメールの件名はどう書く?
「打ち合わせ場所のご相談(10月20日 14時)」のように、用件と日時を入れます。本文では候補に番号を付け、相手が「①で」と短く返せる形にします。
初めての相手に、自分の近くのカフェを指定してもいい?
先に相手がどこから来るかを聞きます。相手の移動が短くなる場所を第一候補にし、自分の近くは相手から希望されたときだけにします。
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