対面営業・商談

商工会に入るメリットとデメリット|入ったあと、仕事の相談が来るまでの動き方

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

商工会に入るメリットは「仕事が来ること」ではなく「会う理由が続くこと」

入会しただけで相談が来る、とは言い切れません

例会で名刺を配ったのに、半年たっても相談は一件も来ない。そんな場面を想像してみてください。会費は払っている。顔も出している。それなのに、仕事の話は一度も来ない。

「入れば仕事が回ってくるか」と考えて調べている人に、先に答えます。入会しただけで相談が来るとは言い切れません。私は、来るかどうかは入ったあとの動き方で分かれると見ています。

相談が来ないのは、営業が下手だからではありません

切り出せない型かもしれません。まだ仕事をしたことのない相手に、仕事の話を切り出せない型です。

会に入ってまで仕事の話をしたら、仕事欲しさに来た人だと思われる。そう感じて黙っている人が多いのではないか、というのが私の仮説です。営業が下手だからではありません。仕事の話をすると対等じゃなくなる気がして、自分が何をしている人かを伝える場面を作っていないからです。

頼まなくていい。近況を伝えるだけでいい

仕事を頼む必要はありません。近況を伝えるだけで足ります。

商工会のよいところは、売り込まなくても、同じ顔ぶれと何度も会う理由があることだ、と私は見ています。これは評価であって、制度の説明ではありません。会の仕組みや支援内容は地域で違うので、後の章で確認の仕方を書きます。

最初に、やりがちな2つのNG例を挙げておきます。

  • 入会初日に全員へチラシを配る。 相手の話を何も聞かないまま、仕事の話だけが先に届きます
  • 例会で聞き役に徹して、自分の仕事を一度も言わない。 感じはよくても、何を頼める人なのかが相手に残りません

この記事では、この2つの間にある動き方を書きます。頼まない。でも、伝える。その順番です。フリーランスの仕事の取り方を地元以外も含めて見たい人は、フリーランスの営業の仕方の全体像も合わせて読んでみてください。

入る前に比べたいメリットとデメリット(判断表)

メリット候補

入会前に考えられるメリットは、次のようなものです。

  • 地元の経営者と何度も顔を合わせられる
  • 紹介が地元の中で回りやすい(私はそう見ています)
  • 経営の相談先ができる可能性がある

相談窓口、共済、融資のあっせんなどの支援内容は、地域によって違います。ここでは断定しません。地元の商工会の公式ページで確認してください。

デメリット候補

  • 会費がかかる。金額は書きません。公式ページで確認してください
  • 例会や行事に時間を取られる
  • 役や手伝いを頼まれる場合がある(要確認)
  • 仕事目的が見えすぎると、距離を置かれることがある

最後の1つは、入会の仕組みではなく、入ったあとの動き方の問題です。後の章で扱います。

入る・様子見・入らないを決める4問

「入るべきか」は一般論では決まりません。自分の状況で決めます。次の4問に答えてみてください。

問い入る寄り様子見寄り入らない寄り
月に何回出られるか例会や行事に出る時間を決められる月によって出られないほぼ出られない
自分の客は地元の事業者か地元の事業者が客になる一部は地元全国やネット中心
同業者が会の中に多いか少ない、またはいない何人かいる同じ仕事の人ばかり
1年は続けるつもりがあるか続けるつもりがある迷っている半年で成果が出なければやめる

3問以上が「入る寄り」なら、入る方向で考えてよいと私は思います。これは私の目安であり、統計に基づく基準ではありません。「入らない寄り」が2つ以上あるなら、先に説明会や行事の見学ができるか、問い合わせてみるのがよいです。見学の可否は地域で違うので、要確認です。

なお、商工会と商工会議所の違いは、公式の根拠を確認していないので、ここでは説明しません。地域によって窓口が違うので、自分の事業所がある地域がどちらの管轄か、先に確認してください。

入ったのに相談が来ない人に共通する3つの動き

人格の話ではありません。いまの動き方がそうなっている、という話です。

名刺を配って終わっている

名刺を交換した翌日に何も送らない。すると次に会うまで、相手の中で自分が何屋か残りません。

よくあるのは、自己紹介が「デザインをしています」で止まっているケースです。聞いた側は、何を頼める人なのかが分かりません。「デザイン」は広すぎて、自分の困りごとと結びつかないからです。

行事に出るだけで、話の中身が毎回同じになっている

天気と景気の話で終わる。懇親会では聞き役になって、自分の仕事の近況を一度も言っていない。何度会っても、相手が知っている情報が増えません。

売り込みと思われたくなくて、相手の困りごとも聞かずに帰っている

売り込まないことと、何も伝えないことは別です。

「売り込みに見えるのが嫌」という気持ちが先に立つと、自分の話もしないし、相手の話も聞かないまま帰ることになります。礼儀正しくて、感じもいい。でも記憶に残らない。これが、相談が来ない場面の多くで起きていることだと私は見ています。

3つとも、営業の才能とは関係がありません。習っていないだけです。順番を渡せば動けます。

入ったあと最初の3か月の動き方(相談が来るまでの順番)

最初の3か月は、仕事を取りにいく期間ではありません。何を頼める人かを、少しずつ覚えてもらう期間です。

時期やること言う一文やらないこと
1か月目顔と仕事を一致させてもらう「お店のチラシやメニューを、開店や値上げのときに作り直す仕事をしています」チラシを全員に配る。見積の話を出す
2か月目交換した相手に翌日ひと言送る「昨日の◯◯のお話、参考になりました」送った文面にサービス紹介を長く付ける
3か月目例会で近況を1つだけ話す「最近、こういう相談が多いんです」実績を並べる。実在しない事例を作る

1か月目:顔と仕事を一致させてもらう

自己紹介は、「誰の」「どんな困りごとを」「どう手伝っているか」を一文にします。

例文です。

お店のチラシやメニューを、開店や値上げのときに作り直す仕事をしています。

自分の職種に置き換えるときは、仕事名より、相手が困る場面から書きます。「デザイナーです」より、「値上げのときに、お客さんへの伝え方で困る店主さんの手伝いをしています」のほうが、聞いた人の頭に場面が浮かびます。

1か月目に目指すのは、これを何度か口にして、「あの人は◯◯の人」と覚えてもらうことだけです。

2か月目:交換した相手に翌日ひと言送る

売り込みの文面ではなく、短い感想です。そのまま使える形で置きます。

昨日はありがとうございました。◯◯のお話、参考になりました。うちも同じようなことで悩んだことがあります。また次回、続きを聞かせてください。

これで十分です。仕事の話は入れません。入れないことで、次に会う理由が残ります。相手が返信をくれたら、それは顔と名前が一致した合図だと私は見ています。

3か月目:例会で近況を1つだけ話す

「最近こういう相談が多いんです」と、相談の種類だけを伝えます。

最近、開店前のお店から、メニューの値付けの見せ方について聞かれることが多いんです。

注意があります。実際になかった相談や実績は、絶対に作らないでください。 事実だけを言います。言えることが少ないなら、「最近、こういう勉強をしています」でも近況になります。盛った話は、同じ顔ぶれに何度も会う場では、ばれやすいです。

商工会の場で「仕事の話」を切り出すときの言い方

頼まずに伝える言い方(文例3つ)

頼む言葉を使わない文例です。

  1. 「最近、こういうのを手伝っています」
  2. 「◯◯で困っている人がいたら、話だけでも聞きます」
  3. 「いま、◯◯の相談が増えていて、いろいろ見ているところです」

どれも、相手に何も求めていません。聞いた側は、断る必要がありません。だから空気が重くなりにくいです。

相手の話から入る順番

切り出すときは、自分の話の前に、この3つを順に踏みます。

  1. 最近忙しいかを聞く
  2. 何に手が回っていないかを聞く
  3. 自分の仕事と重なるときだけ、一言添える

重ならないときは、何も言わなくて構いません。聞いたこと自体が、次に話すきっかけになります。

NG例とOK例

NGOK理由
「何か仕事ありませんか」「◯◯のとき、困りませんか」前者は相手に探す作業を渡す。後者は答えるだけでいい
「安くしますよ」「一度見て、できるかだけお伝えします」値引きから入ると、値段の話しかできなくなる
「うちは何でもやります」「◯◯の場面だけなら得意です」範囲が広いと、何を頼めるか残らない
「よかったら名刺のデザイン見直しますよ」「名刺、先月から変えたんです。見ます?」相手に直す必要があると言わず、自分の話から入る

話がうまい必要はありません。聞く順番があればいいです。口下手を理由にあきらめている人ほど、順番を知るだけで動けるようになると私は見ています。

会費のもとを取ろうとしない方がうまくいく理由

回収を急ぐと、初回から仕事の話をしてしまう

「会費分は回収しないと」と思うのは自然です。ただ、その焦りが出ると、入会後まもない例会で見積の話を出してしまう、といったことが起きます。場の空気が変わり、相手が距離を取りやすくなります。

これは、仕事の話をしたことが悪いのではなく、まだ相手が自分を知らない段階で出したことが原因です。

先に役に立つ側に回る

仕事の話を出す前にできることがあります。

  • 行事の手伝いをする
  • 他の会員を、困っている人に紹介する
  • 自分の得意分野で、小さな助言をする

ただし、無料で仕事を請け負うこととは分けてください。線引きの例です。

続けてよい断ってよい
短い時間で答えられる質問に答える実際の制作や作業を、無料で引き受ける
知っている人を紹介する時間のかかる見積や提案書を、頼まれて無料で作る
行事の受付や準備を手伝う毎回、決まった作業を頼まれる

助言と作業は別物です。作業になりそうなときは、「それは仕事としてお受けしますね。一度条件を整理してお伝えします」と返して構いません。これは断りではなく、条件の話に移る言い方です。

続けるかやめるかの目安

1年たったら、次の2つを自分で確認してみてください。

  • 名前で呼んでくれる相手が何人いるか
  • 近況を聞かれることがあるか

これは私の推奨する目安であり、統計に基づいた数字ではありません。名前で呼ばれる相手が増えていれば、仕事が来る前の土台はできていると私は見ています。増えていなければ、動き方を変えるか、様子見に戻る判断もあります。

今日やること:入会前・入会後のチェックリスト

入会前

  • 地元の商工会の公式ページで、会費・行事・支援内容を確認する
  • 自分の客が地元にいるかを書き出す
  • 月に出られる回数を決める

入会後すぐ

  • 自己紹介の一文を作る
  • 名刺を交換したら、翌日に一言送る
  • 次の例会で聞く質問を1つ決めておく

3か月後

近況を伝えた相手の数を数えてみてください。相談がまだ一件も来ていなくても、名前で呼ばれる相手が増えていれば、進んでいます。

商工会は、仕事を取る場所というより、頼まなくても会える理由が続く場所です。そこで何を伝えるか。その準備を今日から始めてください。個別の会の規約や制度は地域で違うので、最終的には地元の商工会に直接確認してください。

よくある質問

商工会に入ると仕事は増えますか?

入会しただけで増えるとは言えません。何度も会う中で、何を頼める人か覚えてもらえたときに相談が来ると私は見ています。入会後の動き方次第です。

商工会のデメリットは何ですか?

会費、例会や行事にかかる時間、役や手伝いを頼まれる場合があることです。金額や負担は地域で違うので、地元の商工会の公式ページで確認してください。

フリーランスや一人社長でも商工会に入る意味はありますか?

客が地元の事業者なら意味が出やすいと私は見ています。客が全国やネット中心なら、出られる回数と目的を決めてから判断してください。

商工会で営業すると嫌われますか?

初回から仕事を頼むと距離を置かれやすいです。頼まずに近況を伝え、相手の困りごとを先に聞く順番なら、売り込みにはなりにくいと私は見ています。

商工会と商工会議所はどちらに入ればいいですか?

地域によって窓口が違います。自分の事業所がある地域がどちらの管轄か、公式ページで確認してから選んでください。

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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