対面営業・商談

仕事が途切れたときに、まず動く先|新規より前に見る場所

仕事が途切れたときに、まず動く先|新規より前に見る場所のイメージイラスト

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

まず動く先は新規ではなく、もう自分の仕事ぶりを知っている人

仕事が途切れたときにまず動く先は、新規の募集や広告ではありません。もう自分の仕事ぶりを知っている、過去の取引先や知り合いです。

仕事が減っていく3段階の流れを示す矢印フロー図

フリーランス協会の「フリーランス白書2022」でも、仕事獲得につながった経路は「人脈(65.9%)」「過去・現在の取引先(58.3%)」が1位・2位で、自分自身の広告宣伝活動やエージェントサービスの利用、求人応募はその下に続きます。

「仕事がない」と検索する夜に、自分に言い渡していること

案件が終わって次の予定が入っていないと、夜に「フリーランス 仕事がない」と検索してしまうことがあります。そのときに自分へ言い渡している判決があります。「仕事が来なくなったのは、もう腕を見限られたということだ」という判決です。

これは紹介待ち型かもしれません。いい仕事をすれば紹介は出ると思っていて、思い出してもらう働きかけをしていない型です。

実際は、腕を見限られたわけではありません。相手の中で自分の出番が終わって、思い出してもらえなくなっただけです。

仕事が減る順番

仕事が減っていく順番は、実はいたって単純です。

  1. 案件が終わる
  2. 相手はその件を忘れる
  3. 次の案件が出たとき、目の前にいる別の人に頼む

腕が悪いから頼まれないのではありません。頼む瞬間に自分が頭に浮かんでいないから、頼まれないだけです。

ここでよくあるNG行動があります。「実績を増やせば戻ってくる」と考えて、勉強や作品づくりに時間を使う動きです。腕を磨くこと自体は悪くありませんが、その間、相手の頭にはこちらの顔が浮かびません。相手が思い出す機会を、こちらから作っていないからです。

担当者が異動したり、別の業者を紹介されたりすると、この流れはさらに早まります。呼ばれなかったことを責める前に、連絡の窓口を自分から開けておいたかを振り返ったほうが早いです。

新規を探す前に、見る場所があります。

新規探しから始めると、なぜ余計に苦しくなるか

募集サイト・求人に飛びつくと起きること

仕事が途切れてすぐ、募集サイトや求人に飛びつく人がいます。気持ちは分かりますが、ここから入ると比べられる基準が変わります。

相手は自分の仕事ぶりを知らないので、比べる材料が値段と実績の数だけになります。単価は言われた額になりやすく、断られても理由が分からないまま終わります。

見積を出しても、「他社はもっと安い」という一言だけが返ってくることがあります。相手の頭の中には仕事ぶりを裏付ける記憶がないので、比較の材料が数字だけに絞られてしまうからです。

これは「使うな」という話ではありません。順番があとになるという話です。フリーランス白書の順位でも、人脈と取引先が上位で、広告宣伝や求人応募はその下でした。募集サイトを使う日は来ますが、それは名簿を回し終えたあとです。

焦りが文面に出る

新規に急ぐと、文面にも焦りが出ます。よくあるNG文例がこれです。

「仕事が空いてしまって困っています。何かあればぜひお願いします」

この文面は、相手に「断る負担」を渡しています。相手は返事を書かなければいけない気持ちになり、かえって返しづらくなります。

この文面が返ってこないのは、腕のせいではありません。書き方の問題です。

動く順番の判断基準を1つ

動く順番は、1つの基準で分けられます。「相手が自分の仕事ぶりを知っているか」です。

相手のタイプ動く順番
納めた相手・相談を受けた相手(知っている)先
募集・求人・広告(知らない)あと

この基準さえ持っておけば、迷ったときに戻れます。名簿に載っている相手から連絡を始め、そこが尽きたときにはじめて表の下の段に進む、という使い方をします。

まず見る場所①:終わった案件の相手

名簿の作り方(手順)

終わった案件の相手に連絡する4つの手順を示すフロー図

最初にやることは、名簿を作ることです。直近2年で納めた相手を、思い出せるだけ全部書き出します。

列は4つだけです。

相手名納めたもの最後に連絡した日その後を聞いたか
(例)〇〇工務店チラシデザイン一式3月聞いていない

書いてみると、「その後を聞いたか」の列に「聞いていない」が並ぶはずです。これは普通のことです。そして、それがそのまま連絡の口実になります。

依頼主が法人でも個人でも、書き方は同じです。担当者が変わっている場合は、分かる範囲で新しい担当者の名前もメモ欄に足しておくと、連絡するときに迷いません。

送る文面「仕事をください」とは書かない

過去の取引先に送る文面は、「仕事をください」とは書きません。そのまま送れる文例はこれです。

「◯◯の件、その後どうなりましたか。納めたあとの様子を聞けていなかったので、気になっていました」

仕事の話は入れません。相手が答えやすい質問を1つだけ置きます。

ここでよくあるNG例が、末尾に「またお仕事があれば」を付けてしまうことです。これを付けた瞬間、近況を聞く文が営業文に変わり、相手は身構えます。

デザインやライティングなど、成果物の形が違う仕事でも文面の骨格は同じです。「◯◯の記事、その後の反響はいかがでしたか」のように、納品物の名前を主語にして聞くだけで十分です。

返事が来たときの次の一言

返事が来たら、次の一言を添えます。

「もし◯◯(相手の困りごとの場面)があれば、また声をかけてください。◯月は手が空いています」

空きの時期を1つ添えるだけです。

返事が来なかった相手には、催促しません。読まれた時点で、「思い出してもらう」という目的はもう済んでいる、という判断基準を持っておきます。何度も送るより、名簿の次の行に進むほうが、時間の使い方として合っています。

まず見る場所②:仕事にならなかった知り合い

名簿の第2枠に入れる人

紹介を頼む範囲を『誰か』から『この人』に絞る効果を示す比較図

名簿には、もう1枠作ります。仕事にならなかった相手の枠です。

  • 相談だけで終わった人
  • 見積を出して断られた人
  • 名刺交換だけの人
  • 前の会社の同僚・取引先

仕事にならなかった、イコール縁が切れた、ではありません。そのときの予算や時期で止まっただけの相手が多いです。前の会社の同僚や取引先も同じ枠に入ります。会社を離れると連絡が途切れがちですが、相手からすれば、いまどんな仕事をしているのか知らないだけということも多いです。

頼まずに近況を伝える文面

この枠に送る文面は、頼む文ではなく、知らせる文にします。

「ご無沙汰しています。最近は◯◯の仕事が多くて、◯月はまとまって動ける時間があります」

相手は、この文を読んで「困っている人がいたら教える」かどうかを自分で選べます。

NG例はこちらです。

「どなたかご紹介いただけないでしょうか」

これは相手に宿題を渡す文です。相手は「誰かいたかな」と考える負担を背負うことになります。

紹介を頼むなら場面を限定する

紹介を頼む場面がどうしても必要なときは、範囲を絞ります。

NG例:「誰か困っている人がいたら」→広すぎて、相手は誰も思い浮かべられません。

修正例:「◯◯で困っている社長さんがいたら」「◯◯を自分でやって手が回っていない人がいたら」。

場面を1つに絞ると、相手の頭に具体的な顔が浮かびます。人は「誰か」を探すのが苦手ですが、「この人」を思い浮かべるのは得意です。場面を絞ることは、相手の記憶の中から該当者を探しやすくする作業だと考えてください。

「頼むのが気が引ける」を軽くする言い方

「頼む」と「知らせる」は別のこと

空いている時期を知らせるのは、相手が誰かに頼みたくなったときに役立つ情報を渡す行為です。頭を下げる行為ではありません。

この言い換えを持っておくだけで、送る前の抵抗が下がります。性格を変える必要はありません。

「連絡すること自体が迷惑ではないか」と考えて手が止まる人もいますが、近況を知らせる連絡は相手の時間をほとんど奪いません。読むかどうかも、返すかどうかも、相手が決められる形になっているからです。

返事がなくても関係は減らない

近況を聞くだけ、空きを知らせるだけの連絡は、返事がなくても相手に借りを作りません。

「返事がない=嫌がられた」ではなく、「今は用がない」というだけです。ここは判断基準として持っておき、相手の人格や本心には踏み込みません。

やたの基準

私は仕事が空いたとき、新しい相手を探すより先に、過去に納めた相手へ連絡を送ります。理由は単純で、相手はもう自分の仕事のクセを知っているからです。説明する手間がない分、話が早いと感じています。

送る相手の順番は、直近で一番やり取りが濃かった相手から決めています。記憶が新しいうちのほうが、相手も自分のことを思い出しやすいと感じているからです。

新規に動くのはいつか、どこからか

名簿を回し終えてから

自分を中心に新規開拓の近さを同心円で示した構造図

新規に動く判断基準は1つです。「過去の取引先と知り合いへの連絡を出し切ったら、新規に移る」。

出し切る前に新規へ行くと、返事が来るのを待つ間に焦りが出て、安い仕事を受けてしまうことがあります。これはNG例として覚えておきます。

新規は「知っている人の隣」から探す

新規に動くときも、いきなり見知らぬ相手には行きません。取引先の同業、取引先の取引先、紹介の先という順番です。募集サイトや求人、広告はその後です。

取引先の同業とは、いま取引している会社と同じ業界で、まだ縁のない会社です。取引先の取引先とは、いまの相手がさらに取引している会社です。紹介の先とは、名簿に載っている相手から名前をもらった、まだ会ったことのない相手です。どれも、間に「知っている人」が1人挟まっている点が共通しています。

フリーランス白書でも、人脈と取引先が上位で、広告宣伝や求人応募はその下という順位でした。

独立してからの営業は、知り合う場面から仕事を切らさない場面まで、いくつもの工程でつながっています。全体像は独立してからの営業の全体像にまとめています。

途切れてから動くのではなく、終わる日に次を決める

一番いいのは、途切れてから動くことではありません。案件を納めた日に、「◯週間後にその後を聞く」と連絡日をカレンダーに入れておくことです。

これを毎回やると、仕事が途切れる前に名簿が自然と回ります。途切れてから慌てて名簿を作るのと、途切れる前から回しておくのとでは、送る文面の落ち着き方も変わります。

今日やること:仕事が途切れた日の動き方

順番を決めても、実際に手を動かせなければ意味がありません。ここでは1日ごとにやることを絞ります。

1日目:名簿を書く

4列の表(相手名/納めたもの/最後に連絡した日/その後を聞いたか)を、過去の取引先と知り合いの2枠で埋めます。完成させなくて構いません。思い出せた人から順に書きます。

2〜3日目:上から順に送る

過去の取引先には「その後どうなりましたか」の文例、知り合いには「◯月は動けます」の文例を送ります。1日に送るのは数通で十分です。同じ文面のコピペにせず、納めたものの名前を必ず入れます。

1週間後:返事の有無で次を決める

状態次の動き
返事あり空きの時期を添えて次の一言を送る
返事なしそのまま置く(催促しない)
全員に送り終えた新規(知っている人の隣)へ

仕事が途切れたのは、腕を見限られたからではありません。相手の中で出番が終わって、思い出してもらえなくなっただけです。まず動く先を1つ間違えないだけで、次の連絡は変わります。

よくある質問

フリーランスで仕事がないとき、まず何をすればいいですか?

新規の募集を探す前に、過去の取引先と知り合いに「その後どうなりましたか」の連絡を出します。フリーランス白書でも仕事獲得経路は人脈と過去・現在の取引先が1位・2位で、広告や求人応募はその下でした。

過去の取引先に連絡するとき、何と書けばいいですか?

「仕事をください」とは書きません。納めたものの「その後」を聞く1文と、空いている時期を一言添えるだけにします。相手が返しやすい質問を1つに絞ります。

仕事が途切れてから、どのくらいで動けばいいですか?

途切れた日に名簿を書きます。日が空くほど連絡が出しづらくなるので、完成を待たず思い出せた人から順に送ります。

クラウドソーシングや求人サイトは使わないほうがいいですか?

使ってよいですが、順番はあとです。相手が自分の仕事ぶりを知らない場所では値段と実績の数だけで比べられます。知っている相手を回し終えてから使います。

一度断られた相手にも連絡していいですか?

していいです。断られた理由がそのときの予算や時期なら、時期が変われば状況も変わります。仕事を頼むのではなく近況を聞くだけの連絡なら、相手の負担も小さくなります。

参照した情報源

  1. フリーランス白書2022(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会)・確認日 2026-09-13

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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