対面営業・商談

請求書を送るタイミング|納品のどの時点で出すか決めておく

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

請求書は「納品が完了した日」に出すのが基本。迷うのはタイミングを知らないからではない

答えは、納品完了と同時か、その直後

請求書をいつ送ればいいか迷ったら、まずルールを確認しておきます。請求書の発行日は、『あらかじめ定めた締め日』または『商品・サービスの納品が完了した日』に合わせるのが一般的です。

納品するたびに請求する「都度方式」を選ぶなら、その納品完了日が発行日になります。逆に、一定期間(基本1ヶ月)の取引をまとめて請求する「掛売方式」を選ぶなら、あらかじめ決めた締め日が発行日になります。送るタイミングも同じ考え方で、都度方式なら納品と同時か納品後、掛売方式なら締め日以降に送ります。

これは法律で統一されたルールではなく、一般的な商慣習です。取引先の業界や契約によって扱いが変わることもあるため、個別の判断は税理士など専門家に相談してください。

「値段が言えない型」かもしれません

ここまで読んでも、まだ「いつ送ればいいか分からない」という感覚が残っているなら、値段が言えない型かもしれません。金額を言うことが自分の値打ちを言うことになっていて、口に出せない型です。

いつ送るか分からないからではありません。納品してすぐお金の話をするのが図々しい気がして、出せずにいるから、という人が多いです。

請求書は、自分の価値の点数ではありません。仕事の条件を確認する書類です。納品とひと続きの手順だと思えば、出すタイミングで迷うことは減ります。この記事の後半で、受注のときに先に伝えておく一文と、そのまま使える送付文例を渡します。

遅らせるほど出しづらくなる

納品した当日に請求書を出せば、やることは「納品しました、あわせて請求書です」のひと言だけです。ここに迷いは入りません。

ところが1週間空くと、「今さら送るのは催促しているように見えないか」という気が回り始めます。2週間空くと、今度は文面を考える時間そのものが増えて、さらに送るのが遅れます。日が空くほど、請求書は「事務作業」から「お金の話を切り出す行為」に変わっていきます。

だからこそ、結論は先に決めておきます。「請求書は納品と同時に出す」。ここを決め打ちにしてしまえば、送るたびに考え直す必要がなくなります。

「納品完了」がいつかは仕事によって違う。自分の完了日を先に決める

職種別に「完了」の候補を表にする

「納品完了」がいつかは、実は職種によって候補が3つほどあります。自分がどれを選ぶかを決めていないと、そのたびに迷うことになります。

職種完了の候補①完了の候補②完了の候補③
デザイナーデータを送った日修正が終わった日相手が確認した日
エンジニア納品した日本番環境に反映した日検収が終わった日
ライター原稿を送った日修正を終えた日記事が公開された日
カメラマンデータを渡した日セレクトが終わった日ー
施術者・講師その日の施術・講座が終わった日ーー

同じ「納品」という言葉でも、候補が3つある職種が多いことが分かります。これを決めずに進めると、請求書を出すたびに「まだ確認中かもしれない」と考え直すことになります。

決め方の基準は「自分の手が離れた時点」

候補が複数あるとき、選ぶ基準はひとつです。相手の作業(確認・公開・検収)に依存する時点を完了にすると、相手が動かない限り請求書が出せなくなります。相手待ちの請求書は、自分でコントロールできません。

そこで、「修正対応を含めて自分の手が離れた日」を完了と決めます。確認や公開は相手側の予定として切り離します。手順はこの3つです。

  1. 自分の作業の最後の工程を書き出す
  2. その工程が終わった日を「納品完了日」と決める
  3. 見積もりに「納品完了=◯◯の時点」と一行書いておく

たとえばライターなら、「原稿を送った日」ではなく「修正対応を終えて確定稿を送った日」を完了にします。「記事が公開された日」は媒体側の編集スケジュール次第で動くため、完了の基準には使いません。自分の作業が終わった時点で線を引く、と覚えておくと迷いません。

NG例:「お客様の確認が済んでから」と待って1か月

よくあるのが、納品データを送ったあと、相手からの「確認しました」の返事を請求の条件にしてしまう例です。返事を待っているうちに1か月が過ぎ、いよいよ送りづらくなります。

相手にとっては、データを受け取った時点でその仕事はもう終わっています。わざわざ「確認しました」と返す理由がないことも多く、返事自体が来ないケースも珍しくありません。「確認待ち」を請求書を出す条件にしないと決めておきます。

受注のときに請求のタイミングを一言伝えておく。送る瞬間に迷わない順番

見積もり・受注時に添える一文

請求のタイミングは、納品してから考えるのではなく、受注のときに先に伝えておきます。見積もりや受注のやりとりに、この一文を添えます。

請求書は納品と同時にお送りします。お支払いは翌月末でお願いしています。 納品完了は、修正対応まで終わってデータをお渡しした時点とさせてください。

先に言っておけば、納品の日に「いま出していいのか」と考え直す必要がなくなります。これは頭を下げて頼む文ではなく、条件を並べる文です。

分割・長い案件は区切りを先に決める

3か月以上かかる案件は、着手時・中間・納品時のように区切りを先に決めておきます。

着手時に半額、納品時に残りをご請求します。

区切りを決めないまま進めると、終わったときにまとめて全額を言うことになり、そこで一番言いづらさが大きくなります。都度方式(納品ごとに請求する)にするか、締め日方式(一定期間をまとめて請求する)にするかも、案件の始めに決めておきます。

区切りを提案しづらいと感じるなら、金額の交渉ではなく事務手続きとして伝えます。「経理上、着手時と納品時で分けて発行させてください」という言い方であれば、値引きや条件交渉の話にはなりません。

伝えていない案件でも、納品連絡で先に言えばいい

すでに走っている案件で、受注時に伝えそびれていても大丈夫です。納品の連絡の中で先に宣言してしまいます。

請求書は本日中に別途お送りします。

宣言してから送るので、送る側の気持ちの壁が下がり、相手にとっても唐突に見えません。請求は、仕事の取り方全体で見れば最後の工程です。ここまでの営業の流れを一区切りさせる手順として、先に伝える習慣をつけておきます。

納品連絡と請求書はひと続きで送る。文面と順番

順番: 納品の連絡 → 請求書の送付。同じメールでよい

納品と請求を同じメールにまとめるか、分けるかは、担当者によって判断します。相手の担当者が請求書を経理に転送する立場なら、別メールのほうが転送しやすくなります。担当者自身が処理するなら、同じメールで構いません。

迷ったら、納品メールの末尾に請求書を添付し、件名に「【納品・ご請求】」と入れる、で固定してしまいます。

そのまま使える送付文例

本日、◯◯のデータを納品いたしました。あわせて請求書をお送りします。お支払期日は◯月◯日です。ご確認をお願いいたします。

書く内容は、何を納めたか・金額・支払期日・振込先の4点だけです。感想や前置きは足しません。

NG例: 下手に出すぎる言い方

次のような言い方は、遠慮のつもりでも逆効果になります。

  • お手すきの際にご確認いただければ
  • もしよろしければご入金を
  • お忙しいところ恐縮ですが請求書など送らせていただきまして

遠慮の言葉を重ねるほど、請求書が「お願い」に見えてしまい、相手にとっても後回しにしやすいものになります。書き換えると、次のようになります。

  • お手すきの際にご確認いただければ → ご確認をお願いいたします
  • もしよろしければご入金を → お支払期日は◯月◯日です
  • 恐縮ですが請求書など送らせていただきまして → 請求書をお送りします

謝っているように見える言葉を削るだけで、同じ内容の文面でも受け取る印象が変わります。丁寧さは、遠慮の言葉の数ではなく、金額・期日・振込先が明確に書いてあるかどうかで決まります。

都度請求か、月まとめ(締め日)か。取引先ごとに1つに決める

都度方式が向くケース/締め日方式が向くケース

都度方式は納品ごとに請求書を出す方式、掛売方式(この記事では締め日方式と呼びます)は一定期間(基本1ヶ月)の取引をまとめて締め日以降に請求する方式です。どちらが向くかは、取引先との関係によって決まります。

状況向いている方式
単発の案件都度方式
初めての相手都度方式
金額が大きい案件都度方式
月に何度も小さな納品がある締め日方式
同じ相手と継続的に取引している締め日方式

ひとつの相手に対して都度方式と締め日方式を混ぜてしまうと、どれを出してどれを出していないかが分からなくなります。取引先ごとに、方式はひとつに決めます。

判断に迷ったら、「この相手とはあと何回やり取りする予定か」で考えます。今回限りなら都度方式、来月以降も続く見込みなら締め日方式にしておくと、あとから方式を変える手間が減ります。

締め日を決めるときは相手の締め日を一度聞く

締め日方式にする場合、自分で勝手に月末と決めるより、相手の締め日を聞いたほうが早く進みます。

御社の請求の締め日はいつでしょうか。合わせてお送りします。

相手の締め日に合わせたほうが、入金までの日数が短くなることが多いです。それに、締め日を聞くこと自体が、請求の段取りが分かっている人という印象になります。

NG例: 相手ごとに違うやり方を、頭の中だけで管理する

A社は都度方式、B社は月末締め、C社はまだ決めていない。この状態を頭の中だけで管理していると、納品が重なる月に必ずどれか1件が抜けます。

持ち帰って、取引先ごとの方式を表に書き出し、固定しておきます。

出しそびれた請求書を今から送るとき

謝りすぎない。事実と金額を淡々と

送るのを忘れていた、または先延ばしにしていた請求書は、謝りすぎずに事実と金額だけを伝えます。

◯月◯日に納品した◯◯の請求書をお送りします。送付が遅くなり失礼しました。お支払期日は◯月◯日でお願いいたします。

お詫びは一文だけにします。次のように長く謝ると、かえって「何か問題があったのか」と相手に読まれます。

大変申し訳ございません、本来もっと早くお送りすべきところ、確認に時間がかかってしまい……

発行日の扱い

都度方式では、納品完了日を発行日にするのが一般的です。遅れて送る場合に、発行日を納品日にするか送付日にするかは相手の経理処理にも関わるため、「発行日はいつの日付がよいですか」と一言聞いておきます。会計・税務上の扱いは取引先や状況によって変わるため、個別の判断は税理士などの専門家に相談してください。

次から起きないようにする最小の手当て

仕組みは1つだけで十分です。納品連絡のテンプレートに、あらかじめこの一行を入れておきます。

請求書を添付しました。お支払期日は◯月◯日です。

テンプレに入っていれば、その行を消さない限り請求書を送り忘れることはありません。「納品連絡=請求」にする、この1つだけで足ります。

月に一度、送った請求書と納品済みの案件を突き合わせる時間を5分だけ取っておくと、テンプレをすり抜けた抜け漏れにも気づけます。

今日決めておく3つのこと(請求タイミング決め表)

①自分の「納品完了」の定義

まず、空欄を埋める形で自分の定義を決めます。

私の納品完了は、___が終わった時点

例:修正対応まで終えてデータを渡した時点/講座が終わった当日

②取引先ごとに、都度か締め日か

今ある取引先を全部書き出し、表にします。

取引先方式(都度・締め日)締め日支払期日伝えた日
(記入)
(記入)

決めていない相手がいたら、次の連絡で一言伝えます。

③受注時に伝える一文と、送付の文例を手元に置く

この記事にある文例を自分の言葉に直して、見積もりのテンプレートと納品メールのテンプレートに貼っておきます。

ここまでやれば、請求書は「考えて出すもの」から「納品のついでに出すもの」になります。性格を変える必要はありません。順番を決めるだけでいいです。

よくある質問

請求書は納品の前に送ってもいいですか?

都度方式では納品と同時か納品後に出すのが一般的。前に出すなら着手金や分割として受注時に相手と決めておく。合意なく先に送らない

請求書を送るのが遅れました。日付はいつにすればいいですか?

納品完了日を発行日にするのが一般的だが、相手の経理処理に関わるので『発行日はいつがよいですか』と一言聞く。会計・税務の扱いは専門家に相談を

納品のメールと請求書は同じメールで送っていいですか?

担当者が自分で処理するなら同じメールでよい。経理に回す人なら別メールのほうが転送しやすい。迷ったら件名に【納品・ご請求】と入れて同じメールで固定する

月末にまとめて請求するのと、納品ごとに請求するのはどちらがいいですか?

単発・初めての相手・金額が大きい案件は都度。同じ相手に月に何度も小さな納品があるなら締め日方式。相手ごとに1つに決め、混ぜない

相手から「請求書はまだですか」と言われたらどう返せばいいですか?

謝罪は一文だけにして、その日のうちに送る。『失礼しました。本日中にお送りします』と返し、次からは納品連絡のテンプレに請求書の一行を入れておく

参照した情報源

  1. 請求書の発行日はいつになる?発行のタイミングとあわせて解説(freee株式会社)・確認日 2026-09-16

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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