対面営業・商談

ペットシッターの集客|一度預かった家から、指名と紹介が出るまで

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

ペットシッターの集客は、一度預かった家から次が出るかで決まる

「またお願いします」と言われたのに、半年連絡が来ない

初めての預かりを終えて、飼い主から丁寧なお礼のメッセージが届きます。「助かりました、またお願いします」。その一言をもらって、ほっとする瞬間です。

ところがそれきり、半年たっても連絡が来ません。その間も新しい依頼を探しながら、ふと考えます。「世話が物足りなかったのだろうか」「もっと丁寧にすればよかったのか」。腕を疑い始める人が多いのではないでしょうか。

1軒だけならたまたまかもしれません。でも2軒目、3軒目でも同じことが続くと、「自分には向いていないのかもしれない」というところまで考えが飛んでしまいます。実際には預かった家の数だけ、こうした「その後の沈黙」が積み重なっているだけなのですが。

世話が足りなかったからではない。思い出してもらえていないだけ

世話が足りなかったからではありません。飼い主がシッターを思い出すのは、旅行・出張・入院など「家を空ける予定が決まった瞬間」だけです。その瞬間にあなたの名前が浮かぶ仕組みがなければ、どれだけ満足していても連絡は来ません。

紹介待ち型かもしれません。いい仕事をすれば紹介は出ると思っていて、思い出してもらう働きかけをしていない型です。「またお願いします」と言われたのに次が来ないのは、世話が物足りなかったからではなく、思い出すきっかけを渡していなかっただけ、という人が多いです。腕のせいではありません。

新規を追う前に、預かった家を「次」につなぐ順番

ペットシッターの集客というと、マッチングサイトへの登録やチラシ、SNS発信で新規を増やす話になりがちです。でも一度預かった家1軒から「指名」と「紹介」の2本が出るかどうかで、回り方はまったく変わります。

この記事では、初回面談・預かり中・帰宅後の3段階に分けて、「次が出る動き」を1つずつ渡していきます。ペットシッターに限らず、フリーランス全体の営業の順番も、同じように工程で考えると整理できます。

飼い主が次も頼み、人に勧めるのは「留守中の見えなさ」が消えたとき

飼い主が留守中に本当に不安なこと

預けている間、飼い主の頭の中にあるのはこんなことです。

  • ごはんはちゃんと食べたか(食欲が落ちていないか)
  • トイレはうまくできているか(下痢や粗相がないか)
  • 寂しがっていないか(鳴いたり暴れたりしていないか)
  • 鍵と家は大丈夫か(戸締まりや在宅中の物音)
  • 薬をきちんと飲ませてもらえたか(時間通りかどうか)

どれも、飼い主が自分の目で確かめられないことばかりです。世話の腕そのものより、「分からない時間」が不安の正体だと考えると、集客のためにやるべきことが見えてきます。

世話の腕は帰宅後にしか分からない。留守中に見えるのは報告だけ

どれだけ丁寧に世話をしても、飼い主が留守中に受け取れるのは写真と文章だけです。実際の世話の質は、帰宅してペットの様子を見るまで分かりません。つまり集客の勝負は、腕の高さではなく「留守中の見え方」で決まります。腕がいいのに次が来ない人は、たいていここが空白になっています。逆に言えば、報告のやり方さえ変えれば、世話の中身を大きく変えなくても、次につながる確率は上げられるということです。

人に勧めたくなるのは、話せるエピソードが1つあるとき

紹介は「いい人でした」では出ません。「毎回、うちの子が窓際で待ってる写真を送ってくれた」のように、飼い主が友人に話せる具体的な場面が1つあると、口に出ます。

「元気でした」だけの報告は、満足はされても話題にはなりません。逆に「毎回同じ場所で待っている」「いつも決まったおもちゃを持ってくる」といった、その子だけの小さな癖が1つ書いてあると、飼い主の記憶に残り、人に話すときの材料になります。

預かり中の報告が、そのまま次の依頼を作る

1回の訪問で送る報告の型(写真1枚+3行)

毎回何を書くか迷っていると、報告そのものが負担になり、続きません。だからこそ、型を先に決めておきます。訪問ごとに同じ型で送ると、飼い主も読み比べられて、変化に気づきやすくなります。

項目書く内容例文
写真1枚顔が写る/食べている/くつろいでいる のどれか(写真を添付)
1行目:食事食べた量や時間12時にいつもの量を完食しました
2行目:排泄回数や様子トイレは2回、いつも通りです
3行目:様子気になった行動や表情ソファでのんびり、呼ぶと寄ってきました
+1行(変化があれば)いつもと違う点今日はやや水を飲む量が多めでした

写真も文章も、毎回大きく変える必要はありません。同じ型で淡々と積み重ねることが、結果として一番丁寧な報告になります。

NG報告例と直し方

  • NG1「元気にしてました」だけ → 何を見たか分からない。直す:「食事・排泄・様子」を分けて、「12時にいつもの量を完食、トイレ2回、元気にソファで過ごしています」と具体的に書く
  • NG2 毎回文の長さも形もバラバラ → 長い日と短い日があると、読むのが負担で、変化にも気づいてもらえない。直す:忙しい日でも同じ型を守り、3行だけは必ず書く
  • NG3 悪い変化を書かない → 食欲が落ちた、元気がないといった変化を隠すと、帰宅後に分かって信頼を失う。直す:「いつもより食べる量が少なめでした。様子を見ています」と、気づいたことはそのまま書く

飼い主が家族や友人に見せられる形で書く

報告は飼い主だけが読むものではありません。旅先で同行者に「見て、うちの子」と見せられる写真と一文にすることが、紹介の入口になります。専門用語や事務的な文は避け、飼い主が呼んでいる名前で書きます。「ワンちゃん」ではなく「〇〇ちゃん」と書くだけでも、受け取ったときの印象が変わります。

帰宅後1週間の動きで、指名になるかが決まる

帰宅翌日に送る一通は、お礼ではなく「気づいたこと1つ」

「ありがとうございました」だけで区切ると、次に連絡する口実がなくなります。預かり中に見た変化を1つ添えると、お礼が「気にかけてくれている連絡」に変わります。

「3日目からごはんを食べる時間が少し遅くなっていました。戻ってからも続くようなら、気にかけてみてください」

このひと言があるだけで、飼い主の中で「ちゃんと見てくれていた人」という印象が残ります。次に預ける相手を選ぶとき、この印象が指名の理由になります。

「次の予定が決まったら」ではなく「次の連休の候補」を先に聞く

NG「またご予定が決まりましたらご連絡ください」→ 飼い主の番にして止まります。

代わりに「年末年始やお盆は早めに埋まるので、候補日があれば仮でおさえておきます」と、こちらから日程の話を出します。予定が決まる前に名前を残す動きです。飼い主に決めさせるのではなく、こちらから話を先に進めるだけで、連絡の主導権がこちら側に移ります。

鍵の返却と引き継ぎメモを「次回用」に残す

返却時に、今回分かったこと(好きな場所、苦手な音、食べる時間、なでられて嫌がる場所など)を1枚のメモにして渡し、自分も控えを持ちます。「次回はこのメモから始められます」と伝えると、初回のやり直しがなくなり、他のシッターに乗り換える理由が消えます。飼い主にとっても、毎回一から説明する手間が省けるので、続けて頼む動機になります。

紹介は「いい仕事」では出ない。頼み方の一文を持っておく

借りにならない頼み方の文例

頼むと借りができる気がして言い出せない人には、相手の負担が小さい一文を渡しておきます。

「同じマンションで犬や猫を飼っている方で、留守の預け先に困っている方がいたら、私の名前を出していただいて大丈夫です」

押し売りではなく「使っていい許可を出す」形です。相手は名前を伝えるだけで済むので、負担がほとんどありません。

NG「どなたか紹介していただけませんか」→ 相手が探す仕事になってしまいます。頼まれた側は「誰かいたかな」と考える手間が発生するので、そのまま忘れられがちです。

紹介が出る場面は決まっている

飼い主がペットの話をする場所は、だいたい決まっています。

  • 動物病院の待合室
  • トリミングの待ち時間
  • ドッグラン
  • 同じ集合住宅の飼い主同士
  • 職場での「連休どうするの」という会話

その場面で名前が出るには、渡しておくものが要ります。名刺より、報告の写真と引き継ぎメモのほうが話題になりやすいものです。飼い主がスマホの写真を見せながら「この人にお願いしてる」と話す姿を想像すると、何を渡しておくべきかが見えてきます。

紹介してくれた人への返し方

紹介で来た依頼は、紹介元に「ご紹介ありがとうございました。無事にお預かりできました」と一報を入れます。中身は守秘で書きません。この一報があると、「また人に勧めていい相手」として残ります。お礼の品より、報告のほうが次につながります。

登録と身分は「集客の武器」ではなく「断られない土台」

施設がなくても第一種動物取扱業の登録は必要

環境省の説明では、代理販売やペットシッター、出張訓練などのように動物の所有や飼養施設がない場合も規制の対象になり、業として保管を営利目的で行う場合は営業を始めるにあたって登録をしなくてはならないとされています。「保管を目的に顧客の動物を預かる業」の該当例として、ペットのシッターが挙げられています。

飼い主の家に通う形でも、動物を預かって世話をする以上は「保管」に当たるということです。自宅や施設を持たないから対象外、とはならない点は、開業前に押さえておく必要があります。

登録の有無と補償は、聞かれる前に初回面談で出す

飼い主は初対面の人に鍵を預けます。以下は、聞かれてから出すと「隠していた」印象になるので、こちらから先に見せておきます。

  • 第一種動物取扱業の登録をしていることが分かるもの
  • 万一のときの補償(保険に入っているか)
  • 身分証

手続きの詳細は自治体と専門家に確認する

登録の窓口や要件は自治体ごとに扱いが異なりうるため、この記事では一般的な考え方の説明にとどめます。個別の判断は、自治体や専門家に相談してください。登録は集客の売り文句ではなく、断られる理由を先に消しておくためのものと考えると位置づけがはっきりします。

預かり1件を次の1件に変えるチェックリスト

ここまでの動きを、1件の預かりが終わるたびに見返せる形にまとめておきます。全部を完璧にやる必要はありません。できていない項目から1つずつ埋めていくつもりで使ってください。

初回面談・預かり中・帰宅後の3段階でやること

段階やることできている/できていない
初回面談登録・補償を先に見せる
初回面談呼び名・好きな場所・苦手を聞いてメモ
初回面談繁忙期の話を出す
預かり中写真1枚+3行を毎回同じ型で送る
預かり中変化は隠さず書く
帰宅後翌日に気づき1つを送る
帰宅後次の連休候補を聞く
帰宅後次回用メモを渡す
帰宅後紹介の許可の一文を伝える

今日やる1つ: 過去に預かった家へ近況を一通

型から抜ける最小の行動は、頼まないことです。

「〇〇ちゃん、その後お変わりないですか。年末はまた早めに埋まりそうなので、ご予定があればお知らせください」

この一通だけで十分です。返事が来なくても、失うものはありません。

報告の型とメモの形は、次の家でも使い回す

1軒目で作った報告の型と引き継ぎメモの形は、そのまま手元に残しておきます。2軒目からはそれを使い回すだけです。毎回いちから考えなくて済むと、預かりの数が増えても報告の質が落ちません。

写真1枚+3行の報告、帰宅翌日の気づき1つ、次回用メモ。この3つのテンプレートを持っていれば、次の家でもすぐに始められます。新規を増やす動きは、この土台ができてから合わせていっても遅くありません。まずは、いま手元にある1軒との関係を、指名と紹介につながる形に整えることから始めてください。

よくある質問

ペットシッターの集客はどこから始めればいいですか?

新規を広く集める前に、一度預かった家から指名と紹介が出る動きを作ります。預かり中の報告の型と、帰宅後1週間の連絡を先に整えてください

開業したばかりで実績がありません。最初の一件はどう取ればいいですか?

知人や近所の飼い主に、登録・補償・身分を先に見せて1件を丁寧に預かります。その1件で報告と引き継ぎメモの型を作り、次の家に持ち越してください

一度頼んでくれた飼い主に、こちらから連絡するのは迷惑ではありませんか?

頼まなければ迷惑にはなりません。近況と繁忙期の一言だけ送ってください。飼い主は予定が決まった瞬間にしかシッターを思い出さないので、その前に名前を残す意味があります

紹介をお願いするのは図々しいですか?

「探してください」と頼むのではなく「名前を出していただいて大丈夫です」と許可を渡す形にすれば、相手の負担は小さくなります。紹介で来た依頼は紹介元に一報を入れてください

ペットシッターを始めるのに登録は必要ですか?

環境省の説明では、施設を持たないペットシッターも第一種動物取扱業の規制対象で、業として行う場合は登録が必要とされています。窓口や要件は自治体・専門家に確認してください

参照した情報源

  1. 第一種動物取扱業者の規制(環境省)・確認日 2026-09-19

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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