対面営業・商談

次回予約の取り方|押しつけにならない、帰り際の一言

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

次回予約の取り方は、今日の仕事の見立てとして「次はいつ頃がいいか」を伝えること

仕事が終わって、お客さんが喜んでくれている。その空気の中で「次のご予約もいかがですか」と言うと、売り込みだと思われて、今日の満足まで台無しになる気がする。そう感じて、何も言わずに見送ってしまう人は多いようです。

言えないのは、押しが弱いからではありません。次回予約を「こちらのお願い」だと考えているので、言うたびに頭を下げるような気持ちになります。お願いだと思っているうちは、言い出しにくくて当然です。

別の見方を置いてみます。お客さんは、次にいつ来ればいいのかを自分では決めにくいものです。髪、肌、体の状態、撮った写真の更新時期、習ったことが身につくまでの間隔。どれも、プロが見れば「このくらいで」と分かるものです。その見立てを伝えるのは、お願いではなく、今日の仕事の最後の説明にあたります。

納めたら仕事は終わりだと思っていて、次の話を切り出さないまま見送る。この動きを「やって終わり型」と呼びます。腕の問題ではなく、次につなぐ言い方を習っていないだけです。

この記事の答えを先に書きます。押しつけにならない流れは3段です。

  1. 作業中に、次の時期の見立てを伝える(予約の話はしない)
  2. 帰り際は、日にちを2つ出して選んでもらう
  3. 迷われたらその場で引き、時期が来たら一通送る

以下、順番に、そのまま使える言い方で書きます。

切り出すのは会計のあとではなく、作業の途中

会計後のひと言が売り込みに聞こえる理由

会計を済ませて、レジの前で「次回のご予約はどうされますか?」と聞く。これは一番よく見る形ですが、お客さんの気持ちはもう帰る方に向いています。しかも決まり文句なので、どの店でも言われる営業トークに聞こえます。

言う側も、「断られたらどうしよう」と身構えた状態で口にします。その硬さが相手にも伝わります。

作業の途中に、見立てだけを入れる

手順はこうです。作業の途中、仕上がりや状態を説明する流れで、次の時期の見立てを一文だけ入れます。

  • 「この状態だと、◯週間くらいでまた気になってくると思います」
  • 「今日の内容は、◯週間ほど空けてから続きをやると定着しやすいです」
  • 「この写真は、◯か月後くらいに季節が変わるので、更新のタイミングです」

ここでは予約の話をしません。状態の説明の一部として、時期を伝えるだけです。お客さんは「そういうものなのか」と聞いているだけなので、断る必要もありません。

帰り際は確認だけにする

途中で時期を伝えておけば、帰り際の一言は新しい話ではなくなります。

「さっきお話しした頃で、日にちだけ押さえておきますか」

これだけで済みます。新しく売り込みを始めるのではなく、さっきの話の続きを確認しているだけです。言う側の肩の力も抜けます。

帰り際の一言:そのまま使える言い方

基本の形は、日にちを2つ出す

「次は◯週間後くらいがちょうどいいので、◯日(◯)か◯日(◯)あたりはいかがですか」

日にちを2つ出して選んでもらいます。「いつにしますか?」と白紙で聞くと、お客さんは手帳を開いて自分で考えなければなりません。考えるのが面倒になり、「また連絡します」になりやすくなります。2つ出すと、選ぶだけで済みます。

2つの日にちは、自分の空きの中から、先に決めておきます。「いつでも大丈夫です」と言うと、かえって相手が選びにくくなります。

理由をひと言そえる

日にちだけ出すと、「空いている日を埋めたいのかな」と受け取られることがあります。時期をすすめる理由を、今日の仕事と結びつけて、ひと言そえます。

  • 「◯◯が落ち着く頃なので」
  • 「今日やった◯◯の続きをやるなら、このくらい空いた方がいいので」
  • 「この状態を保つには、そのくらいが目安なので」

理由がない声かけは、売り込みに聞こえます。理由が今日の仕事とつながっていれば、説明として聞こえます。

業種ごとの言い換え

「次の時期」の根拠は、仕事によって違います。自分の仕事に合わせて、根拠を探してみてください。

  • 施術者:状態の戻り具合。「ここまでほぐれたので、戻り始める頃にもう一度入ると楽です」
  • 講師・先生:今日の内容が身につくまでの間隔。「今日の内容は一度家で試してもらってから、次に進むのがちょうどいいです」
  • カメラマン・デザイナー:次の季節の撮影や、更新の時期。「春と秋で雰囲気が変わるので、次は秋のタイミングで撮り直すのはどうですか」
  • 職人・工事系:点検や手入れの時期。「このあたりは◯年くらいで傷みやすいので、その前に一度見せてください」

期間の数字は、自分の仕事での目安として書きます。「一般的にはこうです」と言い切る必要はありません。「私の経験では、このくらいで戻る方が多いです」と、自分の目安として話せば足ります。

押しつけに聞こえる言い方と、言い換え

NG→言い換えの対比表

NGな言い方言い換えなぜ変えるか
「次回のご予約もぜひ」「次は◯週間後くらいが目安です」お願いから、見立てに変わる
「今予約すると割引です」使わない値引きで釣ると、価格の話になってしまう
「いつにしますか?」「◯日か◯日はどうですか」考える手間を減らす
「ご予約いただけますよね」「押さえておくだけでも大丈夫です」断る余地を残す

お客さんが「次は来づらい」と感じる動き

言葉以外にも、押しつけに感じさせる動きがあります。

  • 何度も念を押す:一度言えば伝わります。「ぜひ」「絶対」を重ねるほど、圧になります
  • 手帳を出すまで待つ:相手が手帳を出さないのは、迷っているサインです。待たれると、断りにくい空気になります
  • 断られたあとに理由を聞く:「何か不都合がありましたか?」は、責められているように聞こえます

どれも、言う側は「丁寧にしているつもり」で出てしまうものです。意識して避けておきます。

言い換えに共通する考え方

どの言い換えも、同じことをしています。主語を「こちらが来てほしい」から、「お客さんの状態にとってちょうどいい時期」に変えているのです。

迷ったときは、この一問で確かめられます。「この言い方は、相手の状態の話になっているか。自分の都合の話になっていないか」。自分の都合の話になっていたら、言い換えます。

迷われた・断られたときは、その場で引く

引き方の言い方

日にちを2つ出したのに、お客さんが迷った。そのときは、すぐに引きます。

「もちろんです。じゃあ◯週間後くらいに、一度こちらからご連絡しますね」

引きますが、次につなぐ言い方で終えます。黙って見送ると、そこで縁が切れます。「こちらから連絡します」と伝えておけば、次の接点が約束として残ります。

迷っているサイン

お客さんの返事には、よくある形があります。

  • 「予定が分からなくて」
  • 「また連絡します」
  • 「ちょっと考えます」

これは断りではなく、今は決められないだけのことが多いようです。予定が見えていない、今月は出費が重なっている、そもそも決めるのが苦手。理由はいろいろで、こちらの仕事の出来とは関係ないことも多くあります。

だから、もう一度すすめません。連絡する時期だけ決めておきます。

やってはいけないこと

  • 理由を聞く
  • もう一度すすめる
  • 急に態度が変わる(声の調子や表情が下がる)

特に最後の態度の変化は、相手に伝わります。「断ったから、がっかりさせた」と感じさせると、次は来づらくなります。

私は、今日の満足を守ることが次につながる近道だと考えています。予約が取れなくても、気持ちよく帰ってもらえたなら、その日の仕事は成功です。

予約しなかった人には、言った時期に一通送る

連絡日は、その日のうちにカレンダーに入れる

「◯週間後くらいにご連絡します」と言った相手は、その日のうちにカレンダーへ連絡日を入れます。覚えておくつもりでいると、目の前の仕事に押されて、送らずに終わります。日が空くほど、出しづらくなります。

入れるのは、相手の名前と一言メモだけで足ります。「Aさん/肩の状態を聞く」くらいです。

そのまま使える文面

「◯◯です。前回から◯週間ほど経ったので、ご連絡しました。◯◯の具合はいかがですか。もしよければ、◯日か◯日あたりで空けておけます。」

書く順番は、状態をたずねる一言が先、日程の提案があとです。いきなり日程から入ると、営業の連絡に見えます。先に状態をたずねると、「気にかけてくれている」という連絡になります。

帰り際に「ご連絡しますね」と伝えているので、突然の連絡にもなりません。約束どおりの連絡です。

送る頻度の目安

一度送って返事がなければ、次は時期をあけて、もう一度で十分です。何度も送り続けません。

返事がなくても、「気にかけてくれていた」という印象は残ります。これは、やり方の一例です。自分の仕事の間隔に合わせて、決めてください。

今日から使える、帰り際のチェックリスト

持ち帰り用の6項目

  • □ 作業中に、次の時期の見立てを伝えたか
  • □ その時期をすすめる理由を、今日の仕事と結びつけたか
  • □ 帰り際に、日にちを2つ出したか
  • □ 迷われたら、その場で引いたか
  • □ 引いたときに、「こちらから連絡する時期」を伝えたか
  • □ 連絡日をカレンダーに入れたか

最初の一歩

全部を一度にやる必要はありません。次のお客さんで、作業中にこの一文だけ言ってみてください。

「◯週間くらいで、また◯◯になると思います」

予約を取るのが目的ではありません。見立てを伝えることが目的です。これだけで、帰り際の空気は変わりやすくなります。

性格は、そのままでいい

性格を変える必要はありません。押しの強さではなく、伝える順番を変えるだけで足ります。営業として言うのではなく、今日の仕事の続きとして言えばいいのです。

納めたあとに、次へつなぐ流れの全体は、フリーランスの営業の仕方にまとめています。今日のひと言は、その流れの入口にあたります。

よくある質問

次回予約をすすめると、しつこいと思われませんか?

「来てほしい」ではなく「この状態ならこの時期がちょうどいい」という見立てとして伝え、理由をひと言そえれば、押しつけには聞こえにくくなります。迷われたら、その場で引きます。

次回予約はいつ切り出すのがいいですか?

会計のあとではなく、作業の途中で、次の時期の見立てだけを先に伝えます。帰り際は日にちを確認するだけにすると、自然に聞けます。

「また連絡します」と言われたらどうすればいいですか?

もう一度すすめず、「では◯週間後くらいにこちらからご連絡しますね」と返します。その日をカレンダーに入れて、実際に一通送ります。

次回予約で割引をつけたほうがいいですか?

値引きで予約を取ると、価格の話になりやすくなります。まずは時期の見立てと理由で伝えます。割引をどうするかは、自分の料金の考え方に合わせて決めてください。

予約を断られたお客さんに、あとから連絡しても迷惑になりませんか?

帰り際に「◯週間後くらいにご連絡します」と伝えておけば、約束どおりの連絡になります。状態をたずねる一言を先に書き、何度も送り続けないようにします。

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

無料プレゼント 対面営業の教科書