対面営業・商談
ホームページから問い合わせが来ないとき|待つ以外にやることがある
このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか
問い合わせが来ないのは、腕が選ばれなかったからではない
ホームページは「もう探している人」しか通らない道

ホームページにたどり着く人は、実は限られています。「〇〇 依頼」「〇〇 相談」と検索するところまで来た人だけが、あなたのホームページを見ます。
でも独立している人の仕事の多くは、そこまで検索していない知り合いから来ます。まだ探してすらいない人です。「そういえば〇〇さんが独立したな」という段階の人には、検索エンジンは何も届けてくれません。ホームページをどれだけ整えても、この段階の人には見つけようがないのです。
この構造を知らないまま待っていると、問い合わせが来ないことを、自分の腕の証拠のように感じ始めます。腕が選ばれなかったからではありません。まだ探していない人にしか、今は届いていないからです。
切り出せない型かもしれません
まだ仕事をしたことのない相手に、仕事の話を切り出せない――切り出せない型かもしれません。
ホームページを作って待つのは、自分から頼まずに仕事が来る道を選んだということでもあります。頼んだ瞬間、対等じゃなくなる気がする。そう感じている人は少なくありません。
ホームページさえ整えておけば、向こうから来てくれる。そう考えたくなる気持ちも、よく分かります。
ホームページを見ても誰も来ないなら、自分の腕はまだ頼むほどじゃないんだ。そう思ってしまうかもしれませんが、それは順番の話であって、腕の話ではありません。
待つのをやめるのではなく、「待つ以外」を1つ足す
ホームページを消す必要はありません。今のまま置いておいて大丈夫です。
この記事で足すのは、自分から出す一通だけです。全部を一気に変えようとしなくていい。まずは1つだけ、今週中に出せる形にします。
「来ない」を2つに分ける:見られていないのか、見て帰られたのか
見る場所は2つだけ:何人が来たか、問い合わせページまで来たか

まず見る場所は2つだけです。アクセス解析や検索の管理画面で「ホームページ全体を見た人数」と「問い合わせページまで来た人数」を確認します。目安の数字はここでは出しません。人によって差が大きく、比べても意味がないからです。
大事なのは、この2つの数字の差です。「見た人がほぼいない」のか「見られているのに問い合わせページまでは来ていない」のかで、直す場所がまったく違います。両方とも来ていないなら、外と中の両方を順番に直していくことになります。
見られていない場合:ホームページを直しても何も変わらない
見た人数自体が少ない場合、原因はホームページの中にはありません。外にあります。
- 知り合いにURLを送っていない
- 名刺やメールの署名に書いていない
- SNSのプロフィール欄に載せていない
- 名前を検索されても、ホームページが上のほうに出てこない
この状態でデザインを作り直しても、見る人は増えません。まずURLを外に出すことが先です。
見て帰られた場合:最初の画面で「自分向け」と分かるか
見た人数はあるのに問い合わせページまで来ていない場合、帰られる理由は実績不足ではありません。誰向けのホームページか、最初の画面で分からないことがほとんどです。
「〇〇のプロフェッショナルが、お客様の課題を解決します」――こう書かれていても、読む人は自分のことだと感じにくいです。自分と同じ状況の人が載っているかどうかを、無意識に探しています。
| 来ない状態 | 考えられる原因 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 見た人数が少ない | URLが知り合いに届いていない | ホームページの外(送る相手・書く場所) |
| 見た人数はあるが問い合わせが来ない | 誰向けか最初の画面で分からない | ホームページの最初の一文 |
| どちらも来ない | 外にも中にも手が回っていない | まず外(近況の一通)、次に中(最初の一文) |
どの状態に近いか分かれば、直す場所は1つに絞れます。中と外を同時に直そうとすると、どちらも中途半端になりがちです。
頼む側は、ホームページで探す前に「誰か知らない?」と聞いている
頼む側の順番:知り合いに聞く→名前を検索→ホームページで確認

自分が税理士や修理業者を探すときのことを思い出してみてください。多くの場合、まず周りに「誰かいい人知らない?」と聞きます。それから名前を聞いて検索し、ホームページで顔と仕事の内容を確かめます。
家のリフォームを頼む相手を探すときも同じです。いきなり検索して知らない会社に問い合わせる前に、近所や知人に評判を聞く人のほうが多いです。この順番は、読者自身もふだん無意識にやっていることです。
だからホームページは「探す入口」ではなく「紹介されたあと確認される場所」
つまりホームページは、見知らぬ人が最初に検索してたどり着く入口ではありません。すでに名前を聞いた人が、確認する場所として機能していることが多いです。
確認される場所として必要なのは、顔・名前・何を受けているか・連絡先の4つです。実績は少なくても構いません。数を並べるほど安心されるわけではありません。むしろ多すぎると、どれが自分に関係あるのか分からなくなります。
「ホームページを見ました」と言われたら、その前に誰かが名前を出している
「ホームページを見て連絡しました」と言われたときも、その前段階で誰かがあなたの名前を出しています。問い合わせの入り口は、結局のところ人です。
この構造が分かると、ただホームページを整えて待つことに意味がないと分かります。ここから先は、人の側に動く方法を見ていきます。
待つ以外にやること:知り合いに「近況の一通」を送る
頼まない。近況を伝えるだけでいい
頼まずに近況を伝えるだけでもいい――これは、切り出せない型の人に渡したい許可です。
「仕事ください」は、相手に断るかどうかを判断させる負担を渡すことになります。一方「最近こういう仕事をしました。ホームページを作ったので置いておきます」は、返事がなくても成立します。頼んでいないからです。返事が来なくても、こちらが恥ずかしい思いをすることもありません。
切り出すのが苦手な人でも、この形なら出せます。
「迷惑じゃないか」と思ったときの考え方
近況を送る前に、迷惑ではないかと立ち止まる人もいます。ですが近況の連絡は、頼み事とは違います。年賀状や暑中見舞いと同じ扱いで受け取る人がほとんどです。
返事を強制するものでもありません。返事が来なければ、それだけのことです。こちらの評価が下がるわけではありません。
そのまま使える文面
件名:ご無沙汰しております(近況のご報告)
本文: お世話になっております、〇〇です。 ご無沙汰していますが、お変わりありませんか。
最近、〇〇の仕事で△△を担当する機会があり、 以前より少し幅を広げて動いています。
あわせてホームページも作りましたので、 よろしければ覗いてみてください。 〇〇(URL)
またお会いできる機会があれば、顔を出します。
親しい相手であれば、メールでなくLINEやSNSのメッセージでも同じ内容で構いません。長さも半分くらいに削って大丈夫です。しばらく連絡していない相手には、書き出しに「急にすみません」の一言を添えると送りやすくなります。
NG例は、締めに「お仕事があればぜひ」を付けることです。これを付けた時点で、近況ではなく依頼に変わります。「近くに来たら顔を出します」くらいで切るほうが、頼まない形を保てます。
送る順番:もう仕事をした人→元同僚→同業
送る順番も大事です。切り出さなくていい相手から始めます。
- もう一度でも仕事をしたことがある人(近況を送るのが自然)
- 前の職場の人
- 同業(仕事を回し合える相手)
まだ仕事をしたことのない相手は、後回しで構いません。この一通の先にある、フリーランスの営業の順番についても、あわせて見ておくと動きやすくなります。
同業に送るときは、もう一段短くていい
同業に送る場合は、近況とURLだけで十分です。「何かあれば紹介し合えたら」の一言を添えると、頼み事にならずに関係が続きます。
件名:ご無沙汰しております
本文: お世話になっております、〇〇です。 最近、独立して〇〇の仕事を続けています。 ホームページを作ったので、よければ見てみてください。 〇〇(URL) また情報交換できたら嬉しいです。
ホームページを直すなら1か所だけ:最初の一文に「誰の、どんな困りごと」を書く
実績の量ではなく、読む人が自分を重ねられるか

実績を10件並べるより、「こういう状況の方から頼まれることが多いです」という一文のほうが効くことがあります。読む人が探しているのは実績の量ではなく、自分と同じ状況の人がいるかどうかだからです。実績を並べる欄はそのままでよく、その手前に一文足すだけで十分です。
書き換え例:before / after
Webの仕事の場合
- before「Webデザイン・ロゴ制作・印刷物、承ります」
- after「開業したばかりで、名刺・チラシ・ホームページを一度に揃えたい方の仕事が多いです」
士業や施術者の場合
- before「〇〇のプロフェッショナルが、お客様の課題を解決します」
- after「独立したばかりで何から手をつけていいか分からない方のご相談を、よく受けています」
講師業の場合
- before「豊富な実績で、あなたのスキルアップをサポートします」
- after「会社員から独立したばかりで、教え方に自信が持てない方に向けて教えています」
安売りに聞こえる言葉(無料・格安)は入れません。誰向けかを書くことと、値段を下げることは別の話です。
問い合わせフォームは「何を書けばいいか」を先に見せる
ボタンを目立たせるより、フォームの上に一文添えるほうが効きます。
「まだ決まっていなくて大丈夫です。今の状況を2〜3行で教えてください」
書く項目の例も一緒に載せておくと、さらに出しやすくなります。
- 今困っていること
- いつまでに形にしたいか
- だいたいの規模
やってはいけないこと:待つ時間を「ホームページいじり」で埋める
デザインを直し続けるのは、動かない口実になる
デザインを直している間は、自分でも営業をしている気になれます。配色を変え、フォントを変え、写真を差し替える。手を動かしている実感はあります。
ですが1週間かけてデザインを直しても、URLを誰にも送っていなければ、見る人は増えません。動いているようで、実は止まっている状態です。
知り合いに送る前に、広告やSEOに手を出さない
人の流れがまだないうちに広告で人を集めても、誰向けか書いていない画面を見て、同じように帰られます。これは効果の大小の話ではなく、順番の話です。知り合いに送る→最初の一文を直す→それでも足りなければ広告やSEO、という順番で考えます。
「来ない=自分の腕」と結びつけない
来ない理由は、ここまでの判断表で分けられます。腕の問題は、この判断表のどこにも入っていません。返事があるかないかで、自分の値打ちを決める必要はありません。
今週やること:3つだけ
- 今日:ホームページのURLをまだ送っていない知り合いを5人、名前だけ書き出す
- 今週:上の文面を使って、近況の一通を1人に送る(頼まない)
- 送ったあと:返事がなくても、3か月後にまた近況を送ると決めておく
今日:ホームページのURLをまだ送っていない知り合いを5人書き出す
まずは名前を書き出すだけで終わって構いません。もう仕事をした人から思い浮かべてみてください。連絡先が分からなくなっている人は後回しにして、すぐ送れる相手から選びます。
今週:近況の一通を送る(頼まない)
上の文面をそのまま使ってもらって大丈夫です。5人全員に送る必要はありません。1人にでも出せば、「待つだけ」の状態からは抜けています。
送ったあと:返事がなくても3か月後にまた近況を送る
返事がないのは、読んでいないか、今は用がないかのどちらかです。断られたわけではありません。次に送る時期を、今のうちに決めておくと、送りそびれずに済みます。カレンダーに一言メモしておくだけでも十分です。
よくある質問
ホームページを作ったのに問い合わせが来ないのはなぜですか?
「見られていない」か「見て帰られた」かのどちらかです。まず自分のホームページを何人が見ているかで分けます。見られていないならホームページの外(知り合いに送っているか)、見て帰られたなら最初の画面に誰向けか書いてあるかを直します。腕の問題ではありません。
ホームページから問い合わせが来るまで、どのくらい待てばいいですか?
期間は断言できません。待つ間にやることがあります。もう仕事をした知り合いに、頼まずに近況とホームページのURLを送る一通が最初の一歩です。
問い合わせが来ないなら、SEOや広告を始めるべきですか?
順番が先です。最初の画面に誰向けか書いていない状態で人を集めても、同じように帰られます。まず知り合いに送り、ホームページの最初の一文を直してからで大丈夫です。
フリーランスはホームページがなくても仕事は取れますか?
取れます。仕事の多くは知り合いと紹介から来ます。ホームページは探す入口というより、紹介されたあとに顔と仕事内容を確認される場所です。顔・名前・何を受けるか・連絡先があれば足ります。
ホームページのどこを直せば問い合わせが増えますか?
最初の一文です。「誰の、どんな困りごとを受けるか」を書きます。実績の量を増やすより先にやることです。フォームの上に「まだ決まっていなくて大丈夫」と書く項目の例を添えるのも効きます。
本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。