対面営業・商談

訪問マッサージの集客|一度伺った家から、次の紹介が出るまでにやること

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

訪問マッサージの紹介が出ないのは、施術が足りないからではない

「また来てください」のあとに何も起きない

お試し訪問が終わったとき、本人も家族も喜んでくれました。「また来てください」と言われて、その家には定期で伺うようになりました。半年たっても、その家から次の家の話は一度も出ません。

こういうとき、多くの施術者は自分にこう言い渡します。「うちの施術は、まだ紹介するほどじゃない」。腕を磨けば紹介は出る、そう信じて次の勉強に向かいます。

紹介待ち型かもしれません

これは紹介待ち型かもしれません。いい仕事をすれば紹介は出ると思っていて、思い出してもらう働きかけをしていない型のことです。

紹介が出ないのは腕が足りないからではなく、家族が「誰に何と言えばいいか」を持っていないだけ、という人が多いように思います。腕のせいではありません。

紹介は施術中ではなく、自分がいない場所で生まれる

訪問マッサージには、他の営業と違う構造があります。紹介が起きる会話に、施術者は一度も同席しません。家族がケアマネジャーと話すとき、親戚と話すとき、ご近所と話すとき、その場に自分はいません。

だから仕事はもう一つ増えます。自分がいない場所で話される材料を、あらかじめ渡しておくことです。この記事では、初回訪問から紹介が出るまでの順番で、その材料の渡し方を書いていきます。保険や同意書といった制度の話には触れません。

紹介を出すのは本人ではなく、家族と周りの人

紹介の口を持っているのは誰か

本人は外に出られないことが多く、紹介の口を持っているのは周りの人です。相手によって話す場面が違います。

相手その人が誰と話すかどんな場面
同居の家族親戚、友人、ご近所立ち話、法事、集まり
離れて暮らす娘・息子職場の同僚、自分の友人電話、帰省したとき
ケアマネジャー他の利用者の家族、他の事業所担当者会議、訪問時
訪問看護・デイサービスの職員他の利用者の家族、ケアマネジャー申し送り、送迎の立ち話
ご近所・親戚同じように親を介護している人井戸端、集まり

家族が話す場面を具体的に思い浮かべる

ケアマネジャーが定期的に顔を出したとき。デイサービスの送迎で職員と立ち話するとき。法事や親戚の集まりで「お母さんどう?」と聞かれたとき。近所で同じように親を看ている人と話すとき。

こういう場面に、施術者が渡した言葉が乗るかどうかで、紹介は決まります。

「マッサージの人が来てる」で終わる理由

家族に材料がないと、聞かれても「週に何回かマッサージの人が来てる」で会話が終わります。「良かったらご紹介ください」の一言だけ渡しても、家族は何をどう言えばいいか分からず、返事はしても動きません。

足りないのは家族の気持ちではありません。足りないのは、言える言葉です。

初回訪問から次の訪問までにやること

帰り際に「見ておくポイント」を1つ渡す

施術して帰るだけにしません。「次に伺うまで、朝起き上がるときの様子を見ておいてください」のように、家族が観察できる点を1つだけ渡します。家族が自分の言葉で変化を言えるようになる、最初の一歩です。

渡すのは1つだけにします。3つ渡すと、家族はどれも見なくなります。

翌日の一報は体調確認から入る

そのまま送れる文例です。

「昨日はありがとうございました。施術のあと、だるさや痛みは出ていませんか。出ていたら遠慮なく教えてください」

お礼だけで終わらせません。売り込みも次回の話も入れません。返事が来なくても、追いません。

家族が読める3行の報告

毎回の訪問後に、「今日やったこと」「気づいたこと」「次回までに見てほしいこと」の3行を送ります。専門用語は使いません。

NG例:「左下肢のROM改善を目的に施術しました」 OK例:「左足を曲げ伸ばしして、動く範囲を広げました」

離れて暮らす家族にも同じ3行を送ると、その人の口からも話が出るようになります。

家族が「ひとことで言える」材料を渡す

家族が言えるのは「変化」と「人柄」の2つだけ

家族は施術の中身を説明できません。言えるのは「本人がどう変わったか」と「来ている人がどんな人か」の2つだけです。だから渡す材料もこの2つに絞ります。

実績や資格や理論を渡しても、家族の口には乗りません。

変化は施術者が先に言葉にする

家族は変化に気づいていても、言葉にできていないことが多いです。施術者が先に、家族の前で口に出します。

「先週より膝がまっすぐ伸びていますね」 「今日は声に張りがありますね」 「顔色が良くなってきましたね」

家族はこの言い方をそのまま真似できます。可動域の角度のような数字では言いません。家族は覚えられません。

「話す用」を2枚渡す

名刺ではなく、話すとき用の紙を家族に2枚渡します。1枚は手元に、もう1枚は誰かに渡す用です。

中身に入れるもの:

  • 名前と連絡先
  • 何をする人かを平易な一文で
  • 「こんな方に」の例を身近な言葉で(外に出るのがしんどくなった、ベッドで過ごす時間が長くなった、など)

載せないもの: 資格の羅列、施術理論、実績の数。

紹介を頼む言い方とタイミング

頼むのは、家族が変化を口にした直後

「最近、起き上がるのが楽そうなんです」と家族が言ったとき。そこがお礼だけで区切らない場面です。初回で頼みません。施術中にも頼みません。頼むのが先ではなく、変化が言葉になるのが先です。

相手を絞って頼む(文例)

「良かったらどなたか」は避けます。

「同じように外に出るのが難しくなって、困っている方がお知り合いにいたら、この紙を渡してもらえますか」

頼む理由も自分都合にしません。「紹介してもらえると助かります」は言いません。「困っている方がいたら」の形にすると、家族に借りを作らせずに済みます。

ケアマネジャー・訪問看護への頼み方は「相談してください」

専門職には「紹介してください」ではなく、「こういう方がいたら、一度相談してください」と伝えます。判断は相手に預ける形にします。

仕事ぶりは、3行の報告を家族経由で見てもらいます。「ケアマネさんにもこの報告を見せてください」と一言添えるだけです。頼み方の型そのものは訪問マッサージに限った話ではありません。対面で仕事を広げていく型の全体像は、対面営業の型の全体像にまとめています。

初回から紹介が出るまでの一覧表(場面・やること・言い方・NG)

場面別の一覧表

持ち帰って使える形にまとめました。

場面やることそのまま使える言い方やらないこと
初回訪問の帰り際見ておくポイントを1つ渡す次に伺うまで、朝起き上がるときの様子を見ておいてくださいポイントを2つ以上渡す
翌日体調確認の一報施術のあと、だるさや痛みは出ていませんかお礼と一緒に次回の話をする
2回目以降の毎回3行の報告を送る今日やったこと・気づいたこと・次回までに見てほしいこと専門用語で書く
家族が変化を口にしたとき相手を絞って紹介を頼む困っている方がいたら、この紙を渡してもらえますか良かったらどなたかと頼む
ケアマネジャーが来る前3行の報告を見せてもらうよう頼むケアマネさんにもこの報告を見せてください紹介してくださいと頼む
紹介が出たとき紹介元に結果を報告するご紹介いただいた方のところへ伺いました。ありがとうございました紹介先の個人情報を話す
紹介が出ないとき材料・場面・頼み方の順で見直すこの前お渡しした紙、まだお手元にありますか施術の腕だけを疑う

紹介が出たあとのお礼が、次の紹介を決める

紹介してくれた家族に、「ご紹介いただいた方のところへ伺いました。ありがとうございました」と報告します。紹介先の様子や個人情報は話しません。

報告がないと、家族は「あれどうなったんだろう」で止まり、二度目を言い出しにくくなります。

出ないときに見直す順番

腕を疑う前に、次の順番で見直します。

  1. 材料 家族が言える言葉を渡したか
  2. 場面 家族が誰かと話す機会があるか
  3. 頼み方 相手を絞って頼んだか

期間の目安は書きません。家によって場面が来るタイミングが違うので、日数で判断すると見直す順番を飛ばしてしまいます。

紹介が止まるときに起きていること

腕を上げる方向に逃げる

紹介が出ないと、勉強や新しい手技に時間を使いたくなります。施術は良くなりますが、家族から見える「言える変化」は増えません。

手技を1つ足すより、変化を1つ言葉にするほうが、紹介にはつながりやすいと思います。

本人にだけ向いていて、家族の顔を見ていない

施術中は本人と話し、家族には挨拶だけ。これだと家族は「来ている人がどんな人か」を言えません。

玄関での一言、帰り際の3行、翌日の一報。この3つで、家族は人柄を言えるようになります。家族が同席していないときに何も残さず帰るのは、この機会を一回捨てていることになります。

頼みっぱなしで報告しない

「話す用」を渡したあと、渡した相手がどうなったか聞かない。紹介が出ても報告しない。これでは、頼む・報告する・また頼めるの順番が切れてしまいます。

今日やれることは一つだけです。次の訪問で、「この前お渡しした紙、まだお手元にありますか」と一言聞くことです。

よくある質問

訪問マッサージの紹介は、ケアマネジャーに直接お願いしてもいいですか?

頼んでいいですが、「紹介してください」ではなく「こういう方がいたら一度相談してください」の形にします。仕事ぶりは家族向けの3行の報告を見てもらうのが早いです。

紹介をお願いするのは、何回目の訪問がいいですか?

回数ではなく場面で決めます。家族が本人の変化を口にした直後が頼みどきです。初回や施術中には頼みません。

家族が遠方に住んでいて、ほとんど会えない場合はどうすればいいですか?

毎回の3行の報告を、離れて暮らす家族にも送ります。会えなくても「変化」を言える人を増やせます。連絡先は同居の家族に断ってから聞きます。

チラシやポスティングより先にやることはありますか?

先に、いま伺っている家の家族に「話す用」の紙を渡し、変化を言葉にします。知らない人に配る前に、すでに会っている人が話せる状態を作ります。

紹介が出ない家は、いつまで待てばいいですか?

待つのではなく見直します。材料を渡したか、家族が誰かと話す場面があるか、相手を絞って頼んだかの順で確認します。期間の目安では判断しません。

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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