対面営業・商談
ホットペッパーをやめたいサロンへ|やめる前に、今のお客様と直接つながっておく
このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか
ホットペッパーをやめたいのにやめられないのは、お客様と直接つながる道がないから
やめる前にやることは1つです。今のお客様が、店に直接戻ってこられる道をつくっておきます。契約の条件を確かめ、予約の内訳を数え、掲載しているうちに連絡先をもらう。この順で進めれば、解約の判断に使える数字が手に入ります。

やめたら誰も来ない、と手が止まる場面
月末に掲載料の請求を見て、「この金額を毎月払い続けるのは、やっぱりきつい」と思います。解約のページを開きかけて、いったん閉じます。代わりに予約の一覧を開いてみます。
並んでいる名前を見ていくと、ほとんどがホットペッパー経由の予約です。ここで手が止まります。やめたら、この人たちはどうなるのか。誰も来なくなるのではないか。そう考えて、解約の話は「来月また考えよう」に戻ってしまいます。
「ホットペッパー やめたい」と検索する人は、料金だけで迷っているわけではないと思います。やめたあとの店の様子が見えないことが、手を止めているという人が多いのではないでしょうか。
「お客さんはうちじゃなくて、クーポンで来てるだけ」と決めつけていないか
予約の一覧を見ながら、心のどこかでこう考えてしまうことがあります。
お客さんはうちの腕じゃなくて、ホットペッパーのクーポンを見て来てるだけなんだと思う
この一文を自分に言い渡すと、続きがつながっていきます。腕で選ばれていないなら、媒体をやめた時点で全部終わる。だから、やめられない。
ただ、この見方には、まだ確かめていない部分があります。予約の入口が媒体しかないことと、お客様が媒体だけを目当てに来ていることは、同じ話ではありません。入口が1つしかなければ、どのお客様も、その入口から入るしかないからです。
戻ってくる理由と、戻ってくる道は別の話
2回目以降に来てくださるお客様は、前回の施術を受けて「また行こう」と思ったから、予約を入れています。戻ってくる理由は、施術にあります。
一方で、戻ってくる道はどうでしょうか。次の予約を入れるたびに、お客様がホットペッパーを開く形になっていると、外から見たときに、全部が媒体のおかげに見えます。これは腕の話というより、道の話です。道の話なら、つくり直すことができます。
ありがちな店の動きを1つ書いてみます。いい施術をしていれば、お客様はまた予約してくれると思っている。そのため、次に来てもらうための声かけは、何もしていない。ここでは、これを「紹介待ち型」と呼びます。
この動きが続くと、お客様が店から離れたというより、思い出してもらうための道を、店が持っていなかったという状態になります。腕のせいとは限りません。
この記事で言いたいことは1つです。やめるかどうかを決める前に、今のお客様が店に直接戻ってこられる道をつくっておく。やめる時期は、契約の条件を確かめたうえで、そのあとに決めます。
やめる前に確かめる3つのこと:契約・予約の内訳・戻り道
解約を決める前に、確かめることは3つあります。契約の条件、予約の内訳、お客様の戻り道。この順番で見ていきます。

掲載の契約条件は、窓口と契約書面で確かめる
掲載の期間、更新、解約の締切、費用の扱いは、契約の内容によって違う可能性があります。この記事の執筆時点では、公式の記載を確認できていません。そのため、具体的な条件はここでは書きません。
確かめる先は、手元の契約書面と、リクルートの掲載店向けの窓口です。聞くことは次の4つです。そのまま読み上げて使えます。
- 「解約の申し出は、いつまでに、どの方法で出せばいいですか」
- 「掲載が終わるのは、いつになりますか」
- 「予約ページは、いつから見えなくなりますか」
- 「すでに入っている予約は、どう扱われますか」
答えは、日付と担当者の名前と一緒にメモに残します。電話で聞いたなら、あとから「言った・言わない」にならないよう、メールでも確認を取っておくと安心です。
ここで大事なのは、聞くことと、やめることは別だという点です。聞いただけでは何も確定しません。条件が分かると、「いつまでに何を済ませればいいか」が逆算できるようになります。
過去の予約を「初めて」と「2回目以上」に分けて数える
次に、予約の中身を見ます。予約台帳やカルテを開いて、直近の予約を2つに分けます。
- 手順1:数える期間を決める(直近の数か月分。お客様の来店間隔の2回分くらいを目安に、店で決める)
- 手順2:期間内の予約を1件ずつ見て、「初めて」か「2回目以上」かの印を付ける
- 手順3:それぞれの件数を書き出す
やってはいけないのは、月の売上の合計だけを見て、やめるかどうかを決めることです。合計だけでは、新規のお客様で埋まっているのか、通ってくださる方で埋まっているのかが見えません。この2つでは、やめたあとの動きがまったく違います。
2回目以上のお客様が、どこから予約しているかを数える
分けたあと、「2回目以上」の予約だけを見ます。その予約の入口を、1件ずつ書きます。
| 予約の入口 | 件数 |
|---|---|
| ホットペッパー | (数える) |
| 電話・店頭 | (数える) |
| 店のLINEなど、お店から直接 | (数える) |
注目するのは、上の段です。店に何度も通ってくださっているのに、予約の入口は媒体のまま、という方の人数です。
この人数が、「ホットペッパーをやめたら、連絡がつかなくなるかもしれない人」の数の目安になります。多ければ、やめる前にやることがあります。少なければ、すでに直接の道ができているので、やめる判断がしやすくなります。
掲載しているうちに、今のお客様と直接つながる
掲載が続いているうちに、お客様と直接つながる道をつくります。掲載が終わってからでは、連絡を取る手段が減ってしまうからです。
会計のときに、ひと言で頼む
一番自然なのは、会計のときです。施術が終わって、お客様がいい気分でいるときに、次のように頼みます。
「次のご予約のご案内や、空きが出たときのお知らせを、お店から直接お送りしてもいいですか」
連絡の手段は、お店のLINE、メール、ショートメッセージなど、店に合うものを1つだけ選びます。あれもこれも用意すると、お客様もスタッフも迷います。ツールの細かい機能は、この記事では説明しません。まず1つに決めて、使い続けることが先です。
頼み方のコツは、「お店のためにお願いします」ではなく、「お客様の役に立つ連絡を送りたい」という形にすることです。空きが出たときの知らせは、予約を取りたい人にとって、実際に役に立ちます。
次の予約を、その場で取る
連絡先をもらうのと同じくらい効くのが、次の予約をその場で取ることです。
「次はいつごろがよさそうですか。今のうちに日にちだけ押さえておきましょうか」
こう聞いて、帰る前に日にちを決めます。お客様が、あとから媒体を開いて探し直す回数が減ります。
やってしまいがちなのは、「またお待ちしてます」と笑顔で見送るだけで終わることです。感じはいいのですが、次の予約は、お客様の記憶と時間に任せることになります。気持ちよく見送ったあとに、お客様が自分から予約を入れてくれるのを待つ。これが、先ほどの「紹介待ち型」の動きです。
媒体から届いたお客様の情報を、店の連絡に使ってよいかは規約で確かめる
ホットペッパー経由で届いたお客様の情報を、お店の連絡に使ってよいかどうかは、この記事では「使える」とも「使えない」とも書きません。リクルート側の規約を確認できていないからです。気になる場合は、規約と窓口で確かめてください。
確実なのは、来店したときに、お客様ご本人から直接、使う目的を伝えたうえで連絡先をもらうことです。これなら、媒体の規約がどうであっても、お客様との間で話が完結します。
連絡先をもらうときは、何に使うかを具体的に伝える
連絡先は、個人情報にあたります。もらうときに、何に使うのかを伝えることは、お客様への礼儀であり、法律の話でもあります。ここでは、一般的な考え方を紹介します。
使う目的は「できる限り具体的に」決める
個人情報保護法の第17条第1項は、個人情報を取り扱うときに、利用の目的をできる限り特定しなければならないと定めています。
平たく言えば、「何に使うのか」を、あいまいにしないということです。お客様の連絡先を、「なんとなく店の活動に使う」では足りません。
よい書き方・よくない書き方の対比表
個人情報保護委員会のガイドラインには、利用目的を具体的に特定している事例と、していない事例が載っています。商品の販売で氏名やメールアドレスを取得する場合の事例では、「商品の発送、関連するアフターサービス、新商品・サービスに関する情報のお知らせのために利用いたします」といった書き方が、具体的に特定している例とされています。一方で、「事業活動に用いるため」「マーケティング活動に用いるため」は、具体的に特定していない事例として挙がっています。
これをサロン向けに言い換えると、次のようになります。ガイドラインの文そのままではなく、イメージをつかむための言い換えです。
| 書き方の例 | |
|---|---|
| よい例 | 次回のご予約のご案内、新しいメニューのお知らせのために使います |
| よい例 | 空きが出たときのご連絡のために使います |
| よくない例 | 事業活動に使うため |
| よくない例 | マーケティング活動に使うため |
見分け方は、お客様がその一文を読んで、「どんな連絡が来るのか」を思い浮かべられるかどうかです。思い浮かべられない書き方は、よくない例の側です。
もらったら、目的を本人に伝えるか公表する
第21条第1項は、個人情報を取得した場合、あらかじめ利用目的を公表している場合を除いて、速やかにその利用目的を本人に通知するか、公表しなければならないと定めています。
実務の形としては、たとえば次のようなものが考えられます。
- 連絡先を書いてもらう登録用紙に、使う目的を1〜2行で書いておく
- 用紙をお客様に渡して、書いてあることを口頭でもひと言添える
- カルテの記入欄の近くに、同じ目的を書いておく
具体的にどの方法で足りるかは、お店の状況によって変わります。ここでは断定しません。個別の判断は、専門家に相談してください。
続ける・減らす・やめるを決める判断表
ここまでで、数字と道が見えてきたはずです。それを使って、続けるか、減らすか、やめるかを選びます。
3つのうちどれにするか、今の状態から選ぶ表
| 今の状態 | おすすめの動き |
|---|---|
| 2回目以上のお客様の多くと、直接連絡がつく。次の予約もその場で取れている | 掲載を減らす、またはやめる方向で考える |
| 新規のお客様はほぼ媒体からで、ほかの入口がない | いきなりやめず、新規の入口を先につくる |
| 直接連絡がつくお客様が、まだ少ない | 掲載を続けながら、つながる期間にあてる |
数字の目安は、この記事では決めません。「何割なら大丈夫」という線は、お店の客層や施術の間隔で変わるからです。先ほど数えた、お店自身の数字で判断してください。
掲載の中身を見直すという選択もある
やめるか続けるかの二択にしなくても、掲載の中身を見直す道があります。たとえば、クーポンの出し方を見直す、載せるメニューを絞る、といった動きです。
ただし、変えられる範囲はプランや契約によって違う可能性があります。ここも窓口で確かめてください。プランの内容は、この記事では断定しません。
新規の入口を、今のお客様からの紹介で持つ
新規のお客様が媒体からしか来ない店は、やめる前に、別の入口を1つ持っておくと安心です。一番手近なのは、直接つながったお客様からの紹介です。
「お友だちで、髪のことで困っている方がいたら、お店の名前を出してもらえるとうれしいです」
このひと言を、常連のお客様に、無理のない場面で添えます。紹介は、頼まないと出にくいので、お願いの言葉を決めておくことが大切です。
仕事の取り方の全体像は、フリーランスの営業のやり方にまとめています。サロンに限らず、独立した人が「待つ」だけにならずに仕事を取る順番を扱っています。
今日やること:次に来るお客様1人に聞いてみる
掲載しているうちにやることチェックリスト
- □ 窓口に、解約・掲載終了の条件を聞いた
- □ 過去の予約を「初めて」と「2回目以上」に分けた
- □ 2回目以上のお客様の、予約の入口を数えた
- □ 連絡先をもらうひと言を決めた
- □ 使う目的を書いた登録用紙を用意した
- □ 次の予約をその場で取る声かけを決めた
全部を今日終わらせる必要はありません。上から順に、1つずつで大丈夫です。
最初の1人は、よく来てくれる常連さんにする
いきなり全員にお願いしないでください。まずは、話しやすい常連のお客様1人から始めます。
「いつもありがとうございます。次のご予約の案内や、空きが出たときのお知らせを、お店から直接お送りしてもいいですか」
そのお客様の反応を見て、言い方を直します。「ちょっと堅かったかな」と感じたら、次の1人には、もう少し砕けた言い方にします。1人目で直した言い方が、そのまま店の型になっていきます。
連絡先を断られても、施術の評価ではない
連絡先を渡したくない方もいます。理由はさまざまで、仕事用とプライベートを分けたい方もいれば、通知が増えるのが苦手な方もいます。それは、施術の点数ではありません。
断られたら、こう返して終わります。
「わかりました。また次もお待ちしてます」
それ以上は聞かなくて大丈夫です。断られたことを引きずって、次の1人に聞けなくなるほうが、店にとっては損になります。1人に断られても、聞く動きは続けてください。
よくある質問
ホットペッパーをやめたら、お客様は減りますか?
一概には言えません。2回目以上のお客様が直接予約できるかどうかで変わります。予約を「初めて」と「2回目以上」に分けて、媒体経由の人数を数えてから判断してください。
ホットペッパーの解約は、いつまでに申し出ればいいですか?
契約の内容で変わる可能性があり、この記事では断定しません。担当窓口と契約書面で、申し出の締切・方法・掲載終了日を確かめてください。
ホットペッパーで来たお客様に、お店から直接連絡してもいいですか?
媒体から届いた情報を店の連絡に使ってよいかは、規約で確かめてください(この記事では断定しません)。確実なのは、来店時に本人から直接、目的を伝えて連絡先をもらうことです。
お客様の連絡先を聞くとき、何を伝えればいいですか?
何に使うかを具体的に伝えます。例:「次回のご予約のご案内と、新しいメニューのお知らせに使います」。「マーケティング活動に用いるため」のような書き方は、ガイドラインで具体的に特定していない事例として挙げられています。個別の判断は専門家に相談してください。
ホットペッパーをやめたあと、新規のお客様はどう集めればいいですか?
まず今のお客様と直接つながり、そこから紹介をお願いする道をつくります。新規がほぼ媒体からだけの店は、ほかの入口ができるまで、いきなりやめないほうが安心です。
参照した情報源
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)(個人情報保護委員会)・確認日 2026-10-11
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