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花屋の集客|贈り物で来た人に、次の記念日にも思い出してもらう

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このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

花屋の集客は「新しい人を呼ぶ」より「贈った日を覚えておく」が先

「花屋の集客」を調べる人の多くが考えていることがあります。一度花を買ってくれたお客様が戻ってこないのは、うちの花やアレンジメントが選ばれなかったからだ、という思い込みです。

新規集客と既存の贈り物客フォローの手間の違いを比較する図

紹介待ち型かもしれません。いい仕事をすれば自然とまた来てくれると思っていて、思い出してもらう働きかけをしていない型です。仕事が減ったのではなく、思い出してもらえなくなっただけ、というケースが多い傾向があります。

戻らないのは、花やアレンジが悪かったからではありません。贈り物の用事は次が1年後になることが多く、その日が来ても店の名前を思い出すきっかけがないからです。誕生日や記念日は毎年来ますが、お客様が覚えているのは「花を贈る予定」であって、「どの店に頼んだか」まで毎回覚えているとは限りません。

腕のせいではありません。足りないのは、次の記念日に店を思い出してもらうための手順だけです。この記事で渡すのは1つだけです。贈った日を記録しておき、次の同じ日の少し前に、ひと言連絡することです。

新しい客を呼ぶ方法と、一度来てくれた人に思い出してもらう方法、どちらの手間が小さいかを比べてみます。

方法かかる手間相手との距離
チラシのポスティング毎回、配る枚数分の時間と印刷代がかかる誰が受け取るか分からない。読まれるかどうかも分からない
SNS広告写真や文面を作り、設定を毎回調整する手間がかかる見る人は広く浅い。花を贈った本人に届くとは限らない
台帳からの連絡会計時に一言聞いて記録するだけ。あとは月1回見るだけでいいすでに一度来て、名前も贈り先も分かっている相手に届く

新しい客を探す方法は、毎回ゼロから相手を探すところから始まります。台帳からの連絡は、すでに一度来た人に「覚えていますよ」と伝えるだけです。かかる手間の差は、思っている以上に大きいはずです。しかも、贈り物で来た人はすでに一度、その用事のために店を選んでくれた人です。ゼロから信頼を作る必要がなく、去年の続きを思い出してもらうだけで済みます。

「花屋 集客」で検索すると、SNSの発信やGoogleマップの整備、チラシの作り方といった、新しい客を呼ぶための方法が並びます。どれも間違いではありませんが、順番があります。すでに一度来てくれた贈り物の客を取りこぼしたまま新しい客を追いかけても、同じところから同じ数だけ抜けていくだけです。まず、すでに来た人が来年も来る形を作ってから、新しい客を増やす動きに手を広げるほうが、同じ労力でも積み上がっていきます。

贈り物の客は「次に来る日付」を持って来店している

贈り物の注文には、ほぼ必ず理由になる日付があります。誕生日、結婚記念日、母の日、開店祝い、退職祝い、命日やお盆などです。この日付こそが、次にまた花が必要になる時期を教えてくれます。

贈り物の用事から翌年の連絡時期までの流れを示すタイムライン図

用事ごとに次の時期は決まっている

用事次に花が必要になる時期連絡を出す時期の目安
誕生日翌年の同じ日2週間前
結婚記念日翌年の同じ日2週間前
母の日翌年の同じ時期2週間前
開店祝い1周年1か月前
就任祝い1周年1か月前
新築・移転祝い1周年1か月前
命日・法要翌年の同じ月2週間前

2週間前・1か月前は編集部の目安です。店の状況やお客様との関係に合わせて、前後させてかまいません。法人向けは準備に時間がかかることが多いので、個人向けより早めに動くと考えておくとやりやすくなります。

家庭用の客との違い

自分用に花を買う人は、来店の間隔が短い傾向があります。気に入れば、数週間後にまた買いに来ることもあります。店の前を通るたびに立ち寄ってくれる人もいるはずです。

一方、贈り物で来た人は、次の用事まで間隔が長くなります。そのため、何もしなければ間が空き、そのまま関係が切れやすくなります。家庭用の客より、贈り物の客のほうが、こちらから思い出してもらう働きかけを必要としていると言えます。同じ「一度来てくれたお客様」でも、放っておいていい相手と、こちらから動くべき相手が分かれているということです。

NG例

レジ横にアンケート用紙を置くだけでは、うまくいきません。用紙を書く理由が客に伝わらず、名前と住所だけ残っても、次にいつ、何の用事で連絡すればいいかが分からないからです。書いてもらうこと自体が目的になってしまい、その先につながりません。用事と日付がセットで残らない限り、台帳としては機能しないと考えたほうがいいです。

お会計のときのひと言で「来年も連絡していい」をもらう

聞く順番

会計時に贈り先・理由・許可の順で聞く3ステップの手順図

聞く順番を間違えると、売り込みに聞こえてしまいます。次の順番で聞いてください。

  1. 誰への贈り物か(用件を確認するついでに聞く)
  2. 何のお祝いか
  3. 来年の同じころに、ひと言お知らせしてもいいか

①②は、注文を正しく受けるために、もともと必要な確認です。③はその流れに乗せるだけなので、唐突になりません。逆に、注文と関係のないタイミングで急に連絡先の許可だけを聞くと、それだけで身構えられてしまいます。

そのまま使える言い方

誕生日の贈り物なら、次のように聞きます。

「お誕生日のお花でしたら、来年もこの時期に合わせてご連絡してもよろしいですか。今年と違う色で考えておきます」

結婚記念日や開店祝いのように、毎年でなく節目で動く用事なら、次のように聞き方を変えます。

「来年、同じ時期にまたご入用でしたら、こちらからご案内だけさせていただいてもよろしいですか」

このひと言で伝えているのは、売り込みではなく「覚えておきます」という約束です。「買ってください」ではなく「知らせるだけ」だと分かる言葉を選ぶことが、承諾をもらいやすくするコツです。

断られたときの返し

「承知しました。また思い出したときに寄ってください」

これで終えます。理由は聞きません。その場でもう一度すすめることもしません。

ポイントは、次の予約を取ろうとしないことです。約束するのは「お知らせすること」だけで、買うかどうかは相手が決めることです。ここを混同すると、断られたときに気まずくなり、次から聞くこと自体をやめてしまいます。迷ったときの判断基準は、「今その場で売ろうとしているか、来年の入口を残そうとしているか」です。後者であれば、断られても関係が悪くなることはほとんどありません。

すべての注文で聞く必要もありません。レジが混んでいるとき、相手が急いでいるとき、贈り物ではなく自分用の少額な買い物のときは、無理に聞かなくてかまいません。目安は、贈り先と用事がはっきりしている注文だけに絞ることです。それだけでも、台帳に残る件数は十分に積み上がっていきます。

記念日の少し前に出す連絡の文面

連絡手段の使い分け

連絡手段向いている相手
LINE公式アカウントすでに友だち登録している人
はがき年配の人、法人
電話常連、法人の担当者

すべてを揃える必要はありません。店の規模と客層に合わせて、まずは1つに決めれば十分です。迷ったら、いま一番連絡が取りやすい手段(すでに連絡先を交換している手段)から始めてください。

文面の例(個人・誕生日)

「昨年の〇月〇日に、奥様のお誕生日のお花をご用意しました〇〇花店です。今年もその時期が近づいてきましたので、ご連絡しました。昨年はピンク系でしたので、今年は違う雰囲気でもお作りできます。ご希望があれば〇日ごろまでにお知らせください」

法人向けの周年記念なら、次のように書き換えます。

「昨年、〇月に開店1周年のお花をご用意しました〇〇花店です。今年も同じ時期が近づいてまいりましたので、ご連絡いたしました。ご入用でしたら、前回と同じ内容でも、変更したご希望でもお作りできます」

去年の内容(色・予算・贈り先)に一言触れるだけで、覚えてもらえていたことが伝わります。これは一斉配信では作れない一文です。

出してはいけない文面

「〇月のおすすめ商品です」「今月限定〇%オフ」だけの一斉送信は避けてください。相手の記念日に触れていない連絡は、ほかの広告と区別されずに読まれてしまいます。せっかく台帳に記録しても、文面が一斉送信と同じでは、思い出してもらう効果が薄れます。文面に迷ったら、「この一文は、この人にしか送れない内容か」を基準に見直してください。誰にでも送れる文面は、誰の記憶にも残りません。

記念日台帳の作り方|紙1枚からでいい

残す項目の一覧

台帳への記録から毎月確認・連絡までの運用サイクルを示す円環図

項目記入例
お客様の名前山田様
連絡先電話番号・LINE等
連絡してよいかはい
贈り先妻
用事誕生日
日付〇月〇日
去年の予算5千円
花の色・種類ピンク系・バラ中心
ひと言メモサプライズで渡した

この9項目だけで、翌年の連絡は組み立てられます。無理に増やす必要はありません。

紙か表計算か

件数が少ないうちは、月別に分けた紙のファイルで十分です。件数が増えてきたら、表計算ソフトに移して、日付で並べ替えられるようにします。最初から高機能な仕組みを探す必要はありません。紙で運用していても、月ごとにファイルを分けておけば、翌月分を見返すだけなら十分に回せます。

見る日を決める

毎月1日に、翌月分だけ見て、連絡する人に印をつけます。見る日を決めていないと、台帳を作っても使われないまま終わります。台帳そのものより、見る日を決めることのほうが大事です。見る日を忘れそうであれば、レジ横のカレンダーやスマートフォンの繰り返し予定に、毎月1日の予定として入れておくとやりやすくなります。

個人情報の扱いには注意が必要です。何のために使うかをお客様に伝えて了承を取り、それ以外の目的には使わないようにします。細かい管理ルールは一般的な考え方の説明にとどめますので、個別の判断は専門家に相談してください。

法人の注文は「お礼の連絡」で終わらせない

開店祝い・移転祝い・就任祝いなど、会社からの注文は、毎年同じ時期に動くことが多いものです。ところが担当者は、お礼の連絡で区切りがついたと思いやすい傾向があります。

届けたあとの一本の連絡

「本日お届けしました。先方にお喜びいただけていれば幸いです」

ここまでは、多くの店がすでにやっています。ここに、次の一行を足します。

「年に何度かこうしたご注文があるようでしたら、時期を教えていただければ早めにご用意します」

一行足すだけで、お礼の連絡が次につながる連絡に変わります。担当者からすると、来年また一から花屋を探す手間が省けるので、断られることはあまり多くないはずです。

年間の贈り物の予定を聞く

取引先の周年記念、社員の退職、お悔やみなど、会社で花が必要になる場面を、担当者と一緒に書き出しておきます。一度聞いておけば、次からは店側から時期を伝えられるようになります。聞く場面は、納品後の落ち着いたタイミングで十分です。

NG例

注文が来るたびに毎回ゼロから打ち合わせをして、前回の立て札の書き方や予算を残していないケースがあります。担当者が変わると、店ごと忘れられてしまいます。前回のやり取りを一行でも残しておくだけで、次の担当者にも引き継がれます。引き継ぎに残す項目は、個人客の台帳と同じでかまいません。会社名・担当者名・用事・予算・立て札の文言だけで十分です。

こうした顧客との関係の作り方は、花屋に限った話ではありません。フリーランスや小さな店の営業の考え方全体はフリーランスの営業のやり方でまとめています。

今日から始める3つのこと

今日

今週の贈り物の注文のうち、1件だけでいいので、会計時に「来年もお知らせしていいですか」と聞いてみてください。断られても構いません。まず一度、聞く順番とセリフを口に出してみることが目的です。

今週

記念日台帳の用紙(またはシート)を作り、この1か月の贈り物の注文を、覚えている範囲で書き込みます。完璧を目指さず、分かる範囲だけで始めてください。

来月の1日

翌月分を見て、該当する人に1通だけ連絡を出します。反応がなくても、それで終わりにしないことです。連絡を出し続けること自体が、次の記念日に思い出してもらう仕組みになります。返事がなかった相手にも、翌年またお知らせすれば、それでかまいません。

チェックリストで、今日から始められることを確認してください。

  • □ 用事と日付を聞いた
  • □ 連絡していいか確認した
  • □ 台帳に書いた
  • □ 見る日をカレンダーに入れた
  • □ 少し前に連絡した

よくある質問

花屋のリピーターを増やすにはどうすればいい?

贈り物の客は、次に花が必要になる日付がはっきりしています。会計時に用事と日付を聞き、翌年の同じ日の少し前に去年の内容に触れた連絡を出します。これを台帳で回します。

お客様に誕生日や記念日を聞くのは失礼にならない?

注文内容を確認する流れで「どなたへの、何のお祝いですか」と聞けば自然です。連絡していいかは別に確認し、断られたら理由を聞かずにそこで引きます。

花屋のDMやLINEは何を送ればいい?

一斉のセール告知より、その人の記念日と去年の内容(色・贈り先)に触れた個別の連絡のほうが読まれます。売り込みではなく「その時期が近づいたのでお知らせです」という形にします。

顧客情報はどう管理すればいい?

件数が少ないうちは月別の紙で十分です。増えたら表計算ソフトで日付順に並べます。使う目的を伝えて了承を取り、それ以外には使いません。細かいルールは専門家に相談してください。

法人からの開店祝いの注文を次につなげるには?

届けたあとの連絡に「年に何度か注文があるなら時期を教えてほしい」と一行足します。前回の立て札・予算・担当者を記録しておき、担当者が変わっても店を思い出してもらえるようにします。

本記事は、当編集部の制作基準——出典との照合・表現・重複の多段検証——を通過したものだけを公開しています(下書きにはAIを活用)。 仕組みの詳細は編集プロセスの開示をご覧ください。

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