対面営業・商談

営業を後回しにしてしまう人へ|週に1つだけ枠を決めるやり方

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このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

営業が後回しになるのは、時間がないからではない

暇な月にも営業していなかった、が答え

忙しい月に営業ができなかったなら、時間の問題に見えます。ですが実際に振り返ると、仕事が少なくて時間があったはずの月も、営業をしていなかったという人がほとんどです。空いた時間は事務作業や片付け、SNSを眺める時間に流れていきます。時間があってもなくても動いていないなら、原因は時間ではありません。

後回しにする「型」がある

後回しにする人には共通する型があります。営業がいつもあとまわしになり、自分が動かないと仕事が入らない型です。やると決めても動けないから、自分は仕事を取る側の人間ではない——そう思っている人が多いですが、それは違います。見積書は出すのに、その後のフォロー連絡だけ忘れる人も同じ型です。頼まれた仕事はきちんとやるのに、次の仕事につながる一言だけが抜けています。時間がないから営業できないのではなく、営業だけ相手と締切がないから、後ろに回る構造になっているだけです。

営業だけ、相手と締切がない

納期のある仕事は、必ず終わります。相手が待っていて、期限が決まっているからです。営業は違います。今週やらなくても、誰も困りません。だから「今日こそやろう」という意志だけで動かそうとすると、締切のある仕事に負け続けます。

向いていないからではありません。意志の勝負をしている限り、営業は締切のある仕事にほぼ毎回負けます。相手にも自分にも締切がない仕事は、後回しにされるようにできています。

方法は1つだけです。営業に「相手と締切」を自分で作ること。週に1つだけ、枠を決めます。

週に1つだけ、が一番続く理由

毎日30分は1日抜けた日に崩れる

毎日型は1日抜けると崩れ、週1型は1回抜けても翌週に戻れることを比較した図

「毎日30分は営業する」と決める人がいます。真面目な人ほどこの型を選びますが、続かないことが多いやり方です。1日抜けると「もう崩れた」となり、翌日から手が止まります。週1回の枠は、1回の重みが軽いぶん、崩れても翌週にすぐ戻せます。

毎日型週1型
続く条件毎日忘れないこと週に1回思い出せばいい
崩れ方1日抜けると連鎖して止まる1回飛ばしても翌週で戻る
立て直し方「また明日から」と先延ばしになりやすい次の週の同じ枠にそのまま戻せる

枠を増やしたくなったら、まず2枠まで

週1枠が3週続くと、増やしたくなる人がいます。ここで一気に3枠にすると、また崩れます。増やすときは2枠までにします。曜日を分け、送る相手も分けます。1枠目は今の顧客向け、2枠目は名刺交換だけの相手向け、という分け方がやりやすいです。3枠目は、2枠が3か月続いてから考えます。

「営業の時間」では枠にならない

カレンダーに「今週どこかで営業する」と書いても、枠にはなりません。「どこか」は結局いちばん忙しい日に飲み込まれます。「火曜10時に田中さんへ近況を送る」まで決めて、はじめて枠になります。

  • NG例: 今週どこかで営業する
  • OK例: 火曜10時に田中さんへ近況を送る

枠の中でやる営業は3種類だけ

枠の中でやることは3つに絞ります。近況を伝える、その後を聞く、顔を出す。この3つです。知らない相手への飛び込みは含めません。すでに接点のある相手に、思い出してもらう動きだけで十分です。

枠は「やる量」ではなく「出す相手」で決めます。1枠1人でいい。誰に出すかが決まっていない枠は、いちばん消えやすい枠です。

枠の決め方 3ステップ(曜日・時間・相手)

曜日は納期が一番ゆるい日

曜日・時間・相手の順で枠を決める3ステップの流れを示した図解

週の中で、いちばん締切に追われていない曜日を選びます。週明けの午前や、納品を終えた直後の日が向いています。逆に、締切前日は最初から候補から外します。その日は営業より納品が勝つに決まっているからです。

時間は90分まで

枠の長さは90分までにします。長すぎる枠は、資料作りや文面の推敲に時間を使い切って終わります。短すぎると、文面を書き終える前に時間切れになります。90分の内訳の一例です。

  • 最初の15分: 送る相手を確認し、前回のやり取りを見返す
  • 次の60分: 近況の文面を書いて送る(1〜2人分)
  • 最後の15分: 記録を1行つける

相手を先に1人決める

相手が空欄のままの枠は、まず消えます。カレンダーには「火曜 営業」ではなく、相手の名前まで書きます。

記入例: 火10:00 田中さん 近況

よくある失敗は、「毎週金曜 営業」とだけ書いて、忙しさを理由に毎週流れる形です。相手の名前まで書き込むと、その枠で手が動きやすくなります。枠の中身をどう組み立てるかは、独立してからの営業の型でも扱っています。

枠を潰す3つの落とし穴(潰れ方には型がある)

枠は3つの型で潰れます。それぞれに、その場で出てくる言い訳と、対処があります。

枠が消える3つの落とし穴(ずらす・準備・返事待ち)を示した図解

潰れ方その場で言い訳になる言葉対処
急ぎの仕事で枠をずらす「今週は無理、来週にする」ずらす先を先に決めてからずらす。消すのは不可
枠を準備で埋める「まずHPを直してから送る」準備は営業ではない。相手に届いた時点で1件と数える
返事待ちで止まる「返事が来てから次を考える」枠は出すところまで。返事の有無は数えず、次の枠は次の相手へ

急ぎの仕事で枠をずらす

ずらすこと自体は問題ではありません。問題は、ずらす先を決めずに消してしまうことです。「来週の同じ枠に必ずやる」と決めてからずらせば、枠は生き残ります。

枠を準備で埋める

HPを直す、資料を作り込む、名刺のデザインを見直す。どれも大事な作業ですが、営業ではありません。相手に何かが届いた時点で、はじめて1件と数えます。準備で終わった週は、営業した実績がありません。

返事待ちで止まる

枠でやることは「出す」までです。返事が来るかどうかは、こちらでコントロールできません。返事がなくても、次の枠では次の相手に出します。返事を待って手を止めると、枠そのものが止まります。

枠の中で送るもの: そのまま使える近況連絡の文面

頼まない近況連絡の3行

仕事の依頼は書きません。書くのは3行だけです。

  1. 最近やった仕事を一言
  2. 相手の近況を聞く一言
  3. 締めの一言

例:「先日、〇〇の案件を納品しました。そちらは最近いかがですか。また近いうちにお会いできればうれしいです。」

以前の相手に「その後どうですか」

納品した仕事のその後を聞く文面も使えます。「先日納めた〇〇、その後の使い勝手はいかがですか」。相手が答えやすい聞き方にするのがポイントです。「何かあれば」ではなく、具体的に何を聞きたいかまで書きます。

送る相手の順番

順番は、近い相手からです。

  1. 半年以内に仕事をした人
  2. 1年以上前に仕事をした人
  3. 名刺交換だけした人

NG例は、いきなり「お仕事ありませんか」と送ることです。相手が返しづらくなり、次にその人へ送れる枠が減ります。近況を聞くところから始めます。

「顔を出す」は近くの機会から

顔を出すは、新しく人と会う機会を作ることではありません。もう知っている相手が出る場に行くことです。取引先が呼ばれている交流会、業界の勉強会、以前の元請けが顔を出す現場の打ち合わせ。こうした場に、営業目的ではなく顔を出す目的で参加します。会ったその場で仕事の話をしなくていいです。「最近どうですか」と声をかけるだけで、枠の1件になります。

枠を続けるための記録は1行でいい

書くのは誰に・何を出したか、だけ

記録は「誰に」「何を出したか」の2つだけで十分です。結果は書きません。結果を書き始めると、返事の少なさが目について、枠そのものが嫌になっていきます。

4週続くと毎回いちからがなくなる

4週分の記録がたまると、使った文面が手元に残ります。次に同じような相手へ送るとき、前の文面を少し直すだけで済みます。書く時間はその分短くなります。

週1枠チェックリスト

項目内容
曜日納期が一番ゆるい日
時間90分以内
相手名前を1人
出すもの近況・その後・顔出しのどれか
記録誰に・何を出したか1行

どれか1項目が空欄のままだと、そこから枠が崩れます。

記入例(4週分):

  • 1週目: 田中さん/近況連絡
  • 2週目: 佐藤さん/その後の連絡
  • 3週目: 鈴木さん/近況連絡
  • 4週目: 田中さん/顔出しの連絡

忙しいときこそ枠を守る理由

今の仕事が終わってから営業、では遅い

枠を守った月と守らなかった月で1か月後に差が出ることを示すタイムライン図

今の仕事が終わってから営業を始めると、次の仕事が入るまでの間、収入が途切れます。連絡してから実際に仕事になるまでには、どうしても間が空くからです。忙しさを理由に営業を止めた月ほど、その後の空白は長くなりがちです。

社長らしくなる必要はない

営業の枠を1つ足すのに、社長らしく振る舞う必要はありません。作る側のままでいい。ただ、週に1つだけ枠を足すだけです。

枠を守った月と、守らなかった月の差

枠を守った月は、次の月の頭に声がかかることが多いです。守らなかった月は、次の月になって初めて「そろそろ動かないと」と焦り出します。差が出るのは、営業した直後ではなく、1か月後です。

今日やる最小行動

来週のカレンダーを開いて、枠を1つ入れます。相手の名前を1人書きます。文面は、枠が来たときに書けば十分です。

切れてから動くと、焦って安い条件でも受けてしまいます。忙しいときに枠を守るのは、そうならないための備えです。

よくある質問

営業する時間がないときはどうすればいいですか?

時間を探すのではなく、週に1つ枠を先に置く。90分以内で、相手の名前まで決めた枠だけが残る

営業は毎日やったほうがいいですか?週1で足りますか?

独立したばかりなら週1枠で足りる。毎日型は1日抜けると崩れる。続くほうを選ぶ

営業を後回しにする性格は直せますか?

性格を直す必要はない。営業だけ相手と締切がないから後ろに回る。枠に相手を入れれば動く

枠を決めても急な仕事で潰れます。どうすれば?

ずらすのは可。ただし『ずらす先』を決めてからずらす。消すと次の週も消える

営業の枠で何をすればいいか分かりません

やることは3つだけ。近況を伝える/以前の相手にその後を聞く/顔を出す。1枠1人でいい

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