対面営業・商談

コーチングの集客|SNSより先に、最初の3人をどこから取るか

コーチングの集客|SNSより先に、最初の3人をどこから取るかのイメージイラスト

このシリーズの全体像 フリーランスの営業の仕方|営業を教わらずに独立した人が、まず何をするか

コーチングの集客が進まないのは、SNSが弱いからではない

検索する人がいま実際にやっていること

知り合いに切り出せないことがSNS発信と反応ゼロにつながる因果関係を示す3コマ矢印図

資格を取った、あるいは講座を終えた直後に、Instagram・X・noteで発信を始めた人は多いと思います。プロフィールには「あなたらしさを取り戻すコーチ」と書き、毎日のように投稿も続けました。それでもフォロワーは数十人のまま増えず、投稿しても反応はほとんどありません。

思い切って「無料モニター募集」を出しても、申し込みはゼロ。「発信の仕方が悪いのかもしれない」と感じているなら、それは発信の技術の話ではないかもしれません。

SNSに向かうのは、知り合いに切り出せないから

SNSのやり方が分からないから、うまくいかないわけではありません。知っている人にコーチングの話を切り出せないから、顔の見えない人に向かって発信しているだけです。

切り出せない型かもしれません。まだ仕事をしたことのない相手に、仕事の話を切り出せない型です。知り合いに頼んだ瞬間、対等じゃなくなる気がするんだと思います。

友だちや元同僚に「コーチングを受けてみない?」と言うのは、なんとなく気が引けます。相手が急に商品を勧められたと感じるかもしれない、と先回りして考えてしまう。だから、誰も自分を知らない場所で、頼まずに済む発信という形を選んでいるだけです。

売り込まなくていい。コーチングには「練習相手」という頼み方がある

頼まずに、近況を伝えるだけでもいいんです。コーチングという仕事には、「練習させてほしい」という頼み方が自然に成立するという特徴があります。相手は「商品を買う客」ではなく、「感想をくれる協力者」になれます。

性格を変える必要はありません。この記事で書くのは、最初の3人を、SNSの外のどこから、どう切り出して取るかだけです。方法は1つ。知り合いの3つの輪に、「練習相手を探している」と近況として伝えることです。

最初の3人はSNSの外にいる|すでに知り合いがいる3つの輪

輪1:前職の同僚・元上司・取引先

前職・講座仲間・紹介の3つの輪から合計9人の候補が集まる構造を示す図

最初に声をかけるのは、これまでの仕事ぶりを知っている人です。コーチングの中身を知らなくても、「この人が言うなら」で受けてくれます。

例えば元同僚には、こんな一言で十分です。「4月に会社を辞めてコーチングを始めた。いま練習相手を探している」。実績を語らなくていい相手は、この輪だけです。

輪2:コーチングを学んだ場の同期・講座仲間

コーチングが何かを説明しなくていい相手です。お互いに練習相手が必要なので、断られにくいという利点もあります。

ただし、ここだけで回すのは避けたほうがいいです。同期同士の練習だけで終わると、「コーチ同士の練習」のままで、お金を払う人の感覚が分からずに終わります。輪2は、3人のうち1人までにしておきましょう。

輪3:知り合いの知り合い(紹介)

BtoB中小企業の営業管理職を対象にした調査では、「既存顧客や知人からの紹介」を実施している企業は60.7%。一方、最も商談創出に繋がっている手法として「紹介」を挙げた割合は52.0%でした。

コーチング業界を対象にした調査ではありません。それでも、「知らない人に見つけてもらう」より「知っている人から一段先」のほうが、最初の接点としては太いという順番の参考にはなります。輪1・輪2で出会った人に、「誰か思い当たる人はいませんか」と聞いてみましょう。これが輪3です。

持ち帰り表:最初の3人リスト

フォロワー0のアカウントで「モニター募集」を出す前に、この表を埋めてください。埋まらない輪があっても、そのまま次に進んで構いません。

輪名前その人が知っていること送る文面の型
輪1 前職
輪1 前職
輪1 前職
輪2 講座仲間
輪2 講座仲間
輪2 講座仲間
輪3 紹介
輪3 紹介
輪3 紹介

「受けてみませんか」を言わずに済む切り出し方|文面3パターン

近況として伝える(頼まない)

お願い型と近況型で相手の受け取り方が対照的に変わることを示す比較図

文面例です。

会社を辞めてコーチングを始めました。いま3人だけ練習相手を探していて、もし興味があれば話を聞いてもらえるとうれしいです。無理なら全然大丈夫です。

ポイントは、主語が「自分の近況」になっていることです。相手に返事の義務を作りません。受け取った側は「断る理由を考える」のではなく、「へえ、始めたんだ」で読めます。

役割を渡す(相手を協力者にする)

文面例です。

○○さんは人の話を聞く側の仕事をしているので、コーチとして下手なところを率直に言ってほしいです。

相手は「客」ではなく、「感想をくれる人」になります。頼まれごとの中身が「お金を払う」ではなく「感想を言う」なので、対等なまま受けられます。切り出せない型の人ほど、この言い方のほうが言いやすいはずです。

NG文面3つと直し方(対比表)

NG文面相手がどう受け取るか直した文面
無料でやるので誰か紹介してくださいまだ受けてもいないのに紹介を頼まれ、負担に感じる紹介は3人の練習が終わってから頼む
本気で人生を変えたい方だけ自分を重ねられず、対象外だと感じて離れる「3人だけ練習相手を探している」と範囲を小さく言う
コーチングとは○○です、から説明を始める頼まれ事の前に説明されると身構える説明は聞かれてから。まず近況だけ伝える

練習セッションを「無料でずっと」にしない設計|回数・期限・終わり方

先に決めるのは回数と期限

練習3回・1か月の期間から2つの質問を経て有料提示に至る流れを示す手順図

始める前に、「3回まで、1か月以内」のように区切りを言ってから始めます。

区切りを決めずに「よかったらまた」で続けると、半年たっても無料のままということが起きます。そうなると、有料に切り替える言い出し口がなくなります。区切りは相手のためでもあります。いつまで付き合えばいいかが分かるからです。

終わったら聞く2つのこと

3回が終わったら、聞くことは2つだけです。

  1. 始める前と、何が変わったか
  2. これは誰に向いていると思うか

①は、あとで発信の材料になる言葉です。②は、次の1人の名前が出てくる質問です。感想を無理に良く言わせないよう、「正直に」と添えて聞きましょう。

有料に切り替える一言

3回が終わったタイミングで、こう伝えます。

次からは正規の料金でやっています。○○さんは続けますか、ここで区切りますか。

続けるか区切るかは、相手に返します。値段は事前に決めておき、その場で考えないようにします。ここで金額を下げる話には入りません。3人目までは、「言う練習」だと考えておけば十分です。

3人が終わってからのSNS|見つけてもらう場ではなく、思い出してもらう場

3人の言葉が最初の材料になる

発信するのは、資格名や理念ではありません。「会社を辞める前に頭の整理がしたかった人が、3回で何が変わったか」のような場面です。名前は出さず、本人に確認してから使います。

「ICF認定」「○○メソッド」のような肩書きだけを並べたプロフィールは避けたほうがいいです。実績を足しても、読む人は自分を重ねられません。

SNSの役割は「知っている人に思い出してもらう」

知らない人100人より、輪1〜3の何人かが見ているほうが、次の1人につながります。投稿の宛先を、「まだ会ったことのない人」から「9人リストの人と、その周り」に変えてみてください。月1回、近況を投稿するだけで十分です。

発信より先にやる月1の型

9人リストの人には、月1回、近況を個別に1通送ります。投稿ではなく、直接です。

先月は3人と練習して、こういう相談が多かったです。

頼みません。これは、ピラー記事「フリーランスの営業のやり方」で書いている「思い出してもらう動き」の、コーチング版です。

最初の3人で止まる3つの落とし穴

「安くていいよ」を言い値で受け続ける

練習相手から「お金はいらない」「安くていい」と言われることがあります。そのまま受けると、4人目以降も同じ額で回ることになります。

直し方は、最初から2つに分けて言っておくことです。練習は無料、正規は決めた額。「じゃあ半額で」と自分から下げるのは避けましょう。

3人終わって「紹介が出るのを待つ」

いいセッションをしても、相手は思い出さない限り紹介してくれません。3人目が終わった日に、「②誰に向いていると思うか」で出た名前に、自分から連絡します。待たないことです。

紹介は「頼む」のではなく、「名前が出たので連絡した」と伝えるだけでいいです。

守秘を理由に、始めたこと自体を誰にも言わない

守るべきなのは、セッションの中身です。「コーチングを始めた」という事実は、言っていい情報です。

ここを混同して、9人リストの誰にも連絡していない人が多いです。元同僚に「何してるの?」と聞かれて、「まあいろいろ」と濁す。この一言が、最初の接点を自分で切ってしまっています。

今日やること|9人の名前を書いて、1人目に1通送る

9人リストを埋める(15分)

3つの輪×3人で、9人分を埋めます。名前、その人が知っていること、どの文面の型で送るか。輪2(講座仲間)は3人のうち1人までにしてください。埋まらない輪があっても、そのまま次に進んで構いません。

1人目に送る文面(コピペ可)

○○さん、ご無沙汰しています。会社を辞めてコーチングを始めました。いま3人だけ練習相手を探していて、3回・1か月で区切ります。○○さんの率直な感想がほしくて連絡しました。無理なら本当に大丈夫です。

送る相手は輪1からです。一番言いやすい人ではなく、一番仕事ぶりを知っている人を選んでください。

返事がなくても2週間後にもう1通

返事がないことは、断られたことと同じではありません。2週間後に、「先週1人目と練習した。こういう話になった」と近況だけ送ります。頼みません。

それでも返事がなければ、その人はリストに残したまま、次の名前に進みます。切り出せない型から抜ける最小行動は、「1通送る」ことです。今日はそれ以上をやらなくて大丈夫です。

よくある質問

コーチングの集客はSNSから始めるべきですか?

最初の3人はSNSより、すでに知り合いがいる3つの輪(前職・講座仲間・知り合いの知り合い)から声をかけるほうが早いです。SNSは、3人の言葉が材料になってから、「見つけてもらう」ではなく「思い出してもらう」ために使います。

コーチングのモニター(練習)セッションは無料でいいですか?

回数と期限(例: 3回・1か月)を先に決めるなら無料でかまいません。区切りを決めないと「無料でずっと」続いてしまい、有料に切り替える言い出し口がなくなります。終わったら「何が変わったか」「誰に向いていると思うか」の2つを聞きましょう。

知り合いにコーチングを勧めるのが気まずいです

「受けてみませんか」と頼むのではなく、「コーチングを始めた。練習相手を探している」と近況として伝えます。相手を「客」ではなく「感想をくれる協力者」にする言い方なら、対等なまま切り出せます。「無理なら大丈夫」と添えておくと、さらに伝えやすくなります。

資格を取ったばかりで実績がありません。集客できますか?

最初の3人は、実績で選ぶわけではありません。これまでの仕事ぶりを知っている人が、「この人が言うなら」で受けてくれます。3人の「何が変わったか」という言葉が最初の実績の材料になるので、実績は3人のあとに生まれるものです。

コーチングの集客に紹介は使えますか?

BtoB中小企業の営業管理職を対象にした調査では、既存顧客や知人からの紹介を実施している企業が60.7%、最も商談創出につながる手法として紹介を挙げた割合が52.0%でした。コーチング特化の調査ではありませんが、知らない人に見つけてもらうより、知っている人から一段先のほうが最初の接点として太いという順番の参考になります。紹介は待たず、3人目が終わった日に自分から声をかけましょう。

参照した情報源

  1. 中小企業の新規開拓に関する実態調査:実践率6割・成果率5割の「紹介」が招くジレンマ(株式会社ラクス(Sansan株式会社との共同調査))・確認日 2026-09-15

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