対面営業・商談

複数の交流会を掛け持つときの時間管理と優先順位のつけ方

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このシリーズの全体像 対面営業の作法・人脈術 完全ガイド

掛け持ちの上限は「会ったあとにフォローできる人数」で決まる

複数の交流会に出れば出るほど、人脈が広がると思われがちです。ですが掛け持ちで本当に効いてくるのは、参加費でも当日の数時間でもありません。会ったあとにどれだけの人をフォローできるか、その人数です。

結論から言うと、掛け持ちの上限は「参加できる件数」ではなく「フォローしきれる人数」から逆算して決めます。名刺交換をした人全員に会った翌週お礼の連絡を入れ、必要なタイミングで再接触する。この作業ができる人数を超えて交流会に出ても、名刺が積み上がるだけです。

その裏付けとして、ビジネスパーソン1人あたりの平均名刺枚数は1,383枚というデータがあります。しかも名刺を探す作業だけで年間20.5時間を使っているという調査結果もあります。業種によっては年間の名刺交換枚数がさらに多く、国家公務員は397枚、証券業は392枚という調査もあります。

名刺は増やすほど管理コストが増え、探す時間が伸びます。掛け持ちで名刺を集めること自体は、成果を意味しません。

だからこそ交流会を選ぶ基準は「何件出られるか」ではなく「何人ならフォローしきれるか」に置き換える必要があります。

掛け持ちする交流会を「続ける・様子見・減らす・やめる」に仕分ける

上限が決まったら、次は今掛け持ちしている交流会そのものを仕分けます。ここで使えるのがアイゼンハワーマトリクスの考え方です。本来は「緊急かつ重要」を軸にタスクを4つの領域に分ける手法ですが、交流会選びでは軸を置き換えます。

縦軸を「成果につながる度」、横軸を「自分の商材との相性」にして、手持ちの交流会を4象限に配置します。

象限特徴対応
成果○×相性○実際に紹介や案件が出ている会続ける・最優先で参加
成果○×相性△成果は出るが自分の商材とはややズレる様子見・回数を調整
成果△×相性○相性は良いがまだ実績が薄い会様子見・数回試す
成果××相性×惰性で通っているだけの会減らす・やめる

アイゼンハワーマトリクスの第4領域は「緊急でも重要でもないタスクで、原則として実行する必要のない業務」とされています。交流会に置き換えれば、成果にもつながらず商材とも合わない会が、この第4領域に当たります。思い切って手放す対象です。なお、逆に成果の出ている1つの会だけに紹介を頼り切るリスクについては交流会団体に依存しすぎるリスクと分散のバランスで詳しく解説しています。

同じ時間帯に予定が重なったときも、この表が判断基準になります。象限が上にある会を優先し、下の会は次回以降に回します。

交流会を4象限に仕分けるマトリクス図 成果につながる度×商材との相性で掛け持ち先を4象限に仕分ける

1件あたりの所要時間を「前後込み」で見積もり、月のリズムに落とす

交流会1件の所要時間を、当日の数時間だけで見積もると計算が狂います。事前の自己紹介の準備、当日の交流、そして事後のフォロー連絡まで含めた合計時間で1件と数えます。

開催頻度と参加費も踏まえて計画を立てます。たとえば東京商工会議所の異業種ビジネス交流会は毎月1回程度の開催で、参加費は会員5,500円、非会員33,000円です。当日の流れは各社30秒の企業紹介のあと、名刺交換と自由交流会になります。この時間配分から逆算すると、1件の交流会で腰を据えて話せる相手は数人が現実的なラインです。

狙う人数を決めたら、事後フォローに必要な時間も含めて月のカレンダーに先にブロックします。移動時間やはしごの間隔も同様です。詰め込みすぎると、結局どの会でも中途半端な名刺交換で終わり、フォローが追いつかなくなります。

交流会1件は準備・当日・フォローの合計 1件の所要時間は「準備+当日+フォロー」の前後込みで見積もる

掛け持ちで陥りやすい落とし穴と当日の振る舞い

掛け持ちのスケジュールに追われていると、当日の振る舞いが雑になりがちです。次の予定が気になって会話中にスマホを操作すると、相手には「話の内容に関心がありません」という失礼なメッセージとして伝わります。

対策としては、複数の会で使い回せる自己紹介を1つ用意しておくことです。1分ほどで自分の専門分野を伝えられる文章を準備しておくと、会ごとに準備し直す手間が省けます。

名刺はできるだけ多めに持参します。掛け持ちの1日で名刺が足りなくなり、挨拶の場で渡せないという事故を防ぐためです。また、食事はほどほどにして、狙った相手との会話に時間を配分します。滞在時間を延ばすより、フォローできる関係を1つでも多く作ることを優先します。

交流会の掛け持ちで大事なのは、参加件数を増やすことではなく、会った人をどれだけフォローできるかです。手持ちの交流会を「成果につながる度×商材との相性」で4象限に仕分け、1件を「準備+当日+フォロー」の合計時間で見積もってカレンダーに先にブロックする。この2つを押さえるだけで、掛け持ちのスケジュールは驚くほど整理されます。対面で信頼を積み重ねる営業の基本は、対面営業の作法でも詳しく解説しています。

よくある質問

交流会は何件まで掛け持ちしていいですか?

件数に正解はない。会った人を後日フォローできる上限が実質の上限。名刺は放っておくと年20.5時間も探すほど溜まるので、増やすより追える範囲に絞る。

同じ時間帯に2つの交流会が重なったら、どちらを選ぶ?

仕分けシートで『成果につながる度×商材との相性』が高い会を優先。惰性で通っているだけの会(第4領域)は思い切って外す。

掛け持ちで参加費がかさみます。減らす基準は?

異業種交流会は非会員33,000円などコストがかかる。過去にフォローした相手から仕事や紹介が出たかを基準に、出ていない会から回数を減らす。

参照した情報源

  1. ビジネスパーソンは名刺探しに1年で20.5時間費やしている!1人あたりの平均名刺枚数は1,383枚 〜名刺に関する実態調査2015〜(Sansan株式会社)・確認日 2026-07-10
  2. ビジネス交流会|東京商工会議所(東京商工会議所)・確認日 2026-07-10
  3. 1人あたりの平均名刺交換枚数、最も多い職種は?|@DIME アットダイム(@DIME アットダイム(Sansan調査))・確認日 2026-07-10
  4. 異業種交流会で成功するカギはマナーにあり!注意すべきポイントとは?(ビジネスのミカタ(biz.ne.jp))・確認日 2026-07-10
  5. アイゼンハワーマトリクスの領域と実践時のコツを解説(Asana)・確認日 2026-07-10

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