対面営業・商談

「検討します」への返信例文|次の一手を決めてから返す

「検討します」への返信例文|次の一手を決めてから返すのイメージイラスト

「検討します」は断り文句ではなく、決め方が決まっていない合図

相手の番型かもしれません。出したあとに何をすればいいか習っていないので、「あとは相手の番」で止まってしまう型です。

返事が来ないのがつらいのではなく、金額を見て黙られたのがつらいんだと思います。返信が来ないあいだ、頭の中では「高いと思われた」「押しが弱いから決まらなかった」という判決を、誰にも言われていないのに自分で下してしまう人を何人も見てきました。でも、高いと思われたわけではなく、決められないだけということも珍しくありません。もう一度連絡することは、頭を下げ直すこととは別のことです。だから「検討します 返信 例文」を探しても、文面を読めば読むほど手が止まります。探しているのは言葉ではなく、相手が黙っている理由の説明だからです。

そもそも「検討」という言葉自体は、物事をよく調べて考え、良いか悪いかを色々な角度からしっかり考えることを指します。断りの意味を持つ言葉としてできたわけではありません。字面だけを見れば、相手は検討する行為の途中にいるということです。

もちろん実際には断りの意味で使う人もいます。ただ、相手が黙っているあいだに起きているのは、「断るかどうかの判断」ではなく「社内で誰が、いつ決めるかが決まっていない」という状態であることが多い、というのが現場で見てきた実感です。担当者は前向きでも、決裁者に話が上がっていないことがあります。上がっていても、次の会議まで動かないこともあります。断る決意より、こうした順番待ちのほうが起きやすいと感じています。

だとすると、例文を探す前にやることは1つだけです。相手が次に何を決めるのかを、こちらで文章にしてから返すことです。相手の頭の中にある「誰に、いつ、何を」を先回りして文字にすれば、相手は考える手間なしにそれを社内で使えます。

よくあるNG例が「ご検討のほどよろしくお願いいたします」だけで送る返信です。礼儀としては間違っていませんが、次の一手が空欄のまま相手に返している状態です。相手は「検討します」と言った時点でボールを持たされていて、そこに何も足さずに送り返すと、ボールは相手の手元に置かれたままになります。

同じことは、口頭の商談でも起きます。会って話したその場で「検討します」と言われたときも、「では、◯日ごろに一度状況を伺ってもよろしいですか」と一言添えるだけで、相手の中にある空欄が埋まります。メールに限った話ではありません。

返信の前に決める3つ(次の一手・期限・相手の手間)

返信文を書き始める前に、埋めるべき欄が3つあります。ここが空欄のまま言葉づかいだけ整えても、返事は戻ってきません。

返信前に埋める3項目(次の一手・期限・相手の手間)の関係を示す構造図

次の一手 — 相手が次にやる動作を1つだけ書きます。「社内の誰に見せるか」「どの案で進めるか」「いつ社内で話すか」のどれか1つです。「ご検討のうえ、資料をご確認いただき、ご担当者様にご相談のうえ、ご連絡ください」のように2つも3つも書くと、相手はどれから手をつけていいか分からず、結局動きません。1通のメールで頼むのは1つまでです。

期限 — こちらの都合ではなく、相手の予定に紐づけます。「今週中にお返事ください」は、こちらの都合を相手に押しつけている書き方です。そうではなく「来週の定例で出すなら、金曜までに資料を差し替えます」のように、相手側の会議や締め日を軸にします。相手の予定に乗せた期限は、催促ではなく協力になります。

相手の手間 — 相手が返信で打つ文字数を減らします。「A案」「B案」「今回は見送り」のどれかを一言で選べる形にしておけば、相手は文章を考えずに返せます。たとえば「A案(現行の内容)かB案(簡易版)、今回は見送りか、近いものだけ教えてください」と書けば、相手は選ぶだけで済みます。長文で説明するほど親切だと思いがちですが、選ぶ側からすると読む手間と返す手間が増えるだけです。

この3つが埋まっていない返信は、送っても「またご連絡します」がもう一度返ってくるだけです。文面の丁寧さでは埋まりません。3つとも埋めるのが難しければ、まず次の一手だけでも書きます。期限と選択肢は、あとから追いかけの連絡で足すこともできます。

返信そのものの速さも大事です。可能な限り早めに返信し、基本的には即日、遅くとも24時間以内に返信するのが基本とされています。文面がまだ固まらないときは、内容の整った返信を待つより、24時間以内に収まるよう受領の一言だけ先に送り、本文はあとから出すほうが確実です。

そのまま使える返信例文4パターン(見積の後)

どのパターンを使うかは、相手が今どの段階にいるかで決まります。返事をもらった直後か、相手の社内フローの途中か、時間が空いてしまったか、結果が出たか。この4段階のどこにいるかで、返す内容はまったく違います。

見積提出後、相手の状況に応じて返信を4パターンに分岐させるフロー図

① 受け取り確認だけ先に返す(当日中)

ご検討いただけるとのこと、ありがとうございます。◯日ごろに一度状況を伺ってもよろしいでしょうか。

この一文だけでも、次の連絡日をこちらから合意しておけます。あとから内容の濃い返信を送る場合も、まずこれだけ当日中に返しておくと、相手の中で「対応が早い」という印象が先につきます。

② 社内で回す相手がいる場合

相手から「社内で予算面も含めて検討し、改めてご連絡いたします」という返事が来たら、社内で回しやすい形をこちらから渡します。

かしこまりました。社内でご説明いただく際に使いやすいよう、金額の内訳をまとめた資料を添付いたします。◯日の会議に間に合うようでしたら、今週中にお送りします。

お礼を一言添えるだけでも印象は変わるとされていますが、そこに内訳資料と会議の日付を足すと、相手が社内で説明するときの材料になります。

③ 返事が2週間止まったとき

催促ではなく、情報を持っていく形にします。

前回お送りした見積のうち、◯◯の部分について条件が変わりましたので、差し替え版をお送りします。ご確認いただけますと幸いです。

「その後いかがでしょうか」ではなく、相手が受け取って得をする情報を先に置きます。用件が「催促」ではなく「更新のお知らせ」になるので、相手も返しやすくなります。

④ 見送りだと分かったとき

断り理由は「費用面の折り合いがつかなかった為」のように、具体的な理由を簡潔に述べるとよいとされています。こちらから返すときも、同じ温度で短く返し、次の接点だけ残します。

ご検討いただきありがとうございました。今回はご縁がなかったとのこと、承知いたしました。状況が変わりましたら、いつでもお声がけください。

件名は返信の「Re:」を1つだけ残します。同じスレッドで返信を続けると、相手も見積とのつながりを保ったまま読めます。新規メールで送ると、相手の中で見積とは別件として扱われ、社内で並べて見てもらえなくなります。

NG例文3つ

  • 「お返事お待ちしております」→次の一手が書かれていません
  • 「いかがでしょうか」→相手に考える手間を全部返しています
  • 「お忙しいところ恐れ入りますが……」で始まる長い前置き→本題が下に沈みます

送る前に見る5項目チェックリスト

送信ボタンを押す前に、次の5つを確認します。

  1. 相手が次にやる1動作が書いてあるか(2つ以上書いていないか)
  2. 日付が入っているか(「近いうちに」「改めて」は日付ではありません)
  3. 相手が一言で返せるか(選択肢を出しているか)
  4. 値下げの話を自分から書いていないか(聞かれてもいないのに金額を下げると、最初に出した金額の根拠を自分で消すことになります)
  5. メールの件名の「Re:」が1つだけで、見積のときと同じスレッドで続いているか

4番目は特に見落としがちです。返事が来ないと不安になって「もし予算が厳しければ、金額のご相談も可能です」と自分から書き足したくなりますが、これは相手が聞いてもいない値引きを先に提示していることになります。金額を下げる前に、まず内訳と期限で判断材料を整えるほうが先です。

この5つのうち1つでも欠けたまま送った返信は、返事が来なくても相手のせいとは言い切れません。

もう一度連絡しづらいときの、押さない催促の作り方

最後のひと押しをすると引かれる気がして、決める場面を作らないままにしてしまうことがあります。

「押す連絡」と「押さない連絡」の違いを対比する左右比較図

引かれるのが嫌なのではなく、引かれたことで「やっぱり自分の売り方が悪い」と確定するのが嫌なだけ、という人を何人も見てきました。もう一度連絡すること自体は、相手にとってそれほど負担ではないのに、送る側だけが「催促だと思われるかもしれない」と身構えてしまいます。

押しに見える連絡と、押しに見えない連絡があります。同じ「もう一度連絡する」でも中身が違います。

  • 押しに見える連絡:「そろそろいかがでしょうか」「ぜひご購入をご検討ください」
  • 押しに見えない連絡:納期の空き状況が変わったこと、同じ条件で作った別案、相手が気にしていた点の追加説明

前者は「買ってください」の連絡で、後者は「決めるための材料」の連絡です。用件が自分の都合になっているか、相手の判断材料になっているかの違いだけで、受け取る側の印象は変わります。文面の書き出しも、「その後いかがでしょうか」ではなく「◯◯についてお伝えしたいことがあり、ご連絡しました」から始めると、催促ではなく情報提供として読んでもらえます。

情報を先に渡す形にできれば、催促だと身構える必要はありません。

受け取る側から見ると、返信のどこで温度が下がるか

見積を受け取る側は、文面のうまさよりも「これで社内に出せるか」を見ていることが多い、というのが現場での実感です。

温度が下がる瞬間には、共通点があると感じています。金額の内訳がなく総額だけのとき。返信が数日空いて熱が冷めたとき。毎回こちらから聞かないと動かないとき。この3つはどれも、相手が社内で説明しようとしたときに、材料が足りずに止まる瞬間です。

逆に温度が上がるのは、相手が社内で説明する言葉をこちらが用意しているときです。何にいくらかかるのか、いつまでに決める必要があるのか、決めないとどうなるのか。この3つが揃っていると、相手は自分の言葉で説明し直す手間が減ります。担当者が動きやすい資料は、担当者のためであると同時に、決裁者を説得するための材料でもあります。

担当者は、社内で自分の判断が正しかったと言えるかどうかを気にしています。総額しか書かれていない見積を渡されると、決裁者から「内訳は」と聞かれたときに答えられず、担当者自身が困る場面が想像できます。だからこそ、内訳・期限・条件を先にこちらで整理しておくことが、相手のための仕事になります。

相手が「検討します」と言った時点で、相手の頭の中に比較対象があることも多いです。他社の見積かもしれませんし、去年までの取引先かもしれません。比較対象に勝つ材料を出すのがこちらの仕事であって、ただ返事を待つことではありません。

「検討します」のあと、いつまで追いかけるか

追いかける期限は、こちらで先に決めておきます。たとえば見積提出から2週間で1回、1か月でもう1回連絡し、そこで一区切りにする、という決め方です。期限を決めずに「そのうち連絡しよう」のまま置いておくと、日が経つほど連絡を出しづらくなります。

見積提出から区切りまでの追いかけ連絡の時系列を示すタイムライン図

一区切りにしたあとも、関係まで切る必要はありません。案件は終わっても、関係は終わっていません。

止めどきの目安は3つです。相手が約束した期限を2回とも動かしたとき。決める人に話が上がっていないことが2回続いたとき。条件が根本から合わないと分かったとき。

終わらせ方の一文も、あらかじめ用意しておきます。

今回は一度置いておきます。状況が変わったら声をかけてください。

こう自分から言えると、次の連絡が出しやすくなります。区切りをつけずにフェードアウトすると、再開するときの敷居のほうが上がってしまいます。

追いかける期限は頭で覚えておくより、見積を送った日にカレンダーへ次の連絡日を先に入れてしまうほうが確実です。連絡するかどうかをそのつど考えなくて済むので、「引かれそう」で手が止まる回数も減ります。

返信しないという選択もあります。取引の見込みも興味もない相手からの営業メールには、返信の必要はないとされています。逆に言えば、こちらが送った見積に返信をもらえないときも、相手の中で同じ判定がされている可能性を見ておく必要があります。それでも一度は、次の一手と期限を文字にした返信を送っておく価値はあります。相手が動けなかっただけなのか、興味がなかったのかは、その一通を送ってからでないと分からないからです。

よくある質問

「検討します」と言われたら、何日後に返信・連絡するのが正解ですか?

返信自体は即日〜24時間以内が基本です。そのうえで次の連絡日は自分で決めず、最初の返信の中で「◯日ごろに状況を伺ってもよいか」と日付を置いて合意しておきます。合意した日付なら催促にはなりません。

「検討します」への返信メールの件名はどうすればいいですか?

見積を送ったメールへの返信としてそのまま返し、「Re:」は1つだけ残します。新規で件名を作ると相手の中で見積と別件になり、社内で並べて見てもらえなくなります。

「ご検討のほどよろしくお願いいたします」だけで送るのはダメですか?

失礼ではありませんが、相手が次にやることが空欄のまま返している状態です。お礼の一言を添えるだけでも印象は変わりますが、そこに「次の1動作」と「日付」を足さないと返事は戻ってきにくくなります。

返事が来ないとき、催促のメールを送っても大丈夫ですか?

用件が「買ってください」だと押しに見え、「決めるための材料」だと押しに見えません。納期の空き状況、金額の内訳、気にしていた点の補足など、相手が判断に使えるものを持っていく形にします。

「検討します」は結局、断りの遠回しな表現なのですか?

検討という言葉自体は、いろいろな角度から良いか悪いかを調べて考えることを指します。断りの意味で使う人もいますが、社内で誰がいつ決めるかが決まっていないだけのことも多いです。断りかどうかを当てにいくより、次の一手と期限を文にして返すほうが早く分かります。

参照した情報源

  1. 「検討(けんとう)」の意味や使い方 わかりやすく解説(Weblio辞書(実用日本語表現辞典/デジタル大辞泉))・確認日 2026-08-25
  2. 【文例】ビジネスメールの正しい返信、マナーと書き方(メールワイズ式 お役立ちコラム(サイボウズ株式会社))・確認日 2026-08-25
  3. 「検討します」のビジネスメール例文|丁寧で失礼のない書き方を解説(TSUMIKI社会保険労務士事務所)・確認日 2026-08-25
  4. 【例文付き】営業メールの返信マナーを簡単解説!(Musubuライブラリ(株式会社Baseconnect))・確認日 2026-08-25

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